報道発表資料

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2004年07月30日
  • 自然環境

「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム」の運用開始について

 環境省生物多様性センターは、本日(7月30日)から我が国の「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)」(※1)の本格運用を開始しましたのでお知らせします。
この情報システムは、生物多様性条約において各締約国がそれぞれ整備することが求められているものであり、様々な機関や研究者(個人)が保有する生物多様性に関わる情報を、横断的に検索・把握することを可能にし、情報の相互交換・流通を促進することを目的としています。
今回の本格運用開始により、インターネットに接続している全てのコンピュータから、生物多様性に関するメタデータ(※2)の登録ができるようになるとともに、登録済みの全情報の検索・閲覧もできるようになります。このように、最先端の技術により生物多様性情報の登録・詳細な検索・閲覧ができるシステムの本格運用は、世界でも先駆的なものです。 なお、「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)」のアクセス先等は次のとおりです。

 
アクセス先(ホームページアドレス):http://www.chm.biodic.go.jp/
問合先(電子メール):chm@biodic.go.jp

 

※1 「クリアリングハウスメカニズム」...様々な主体が保有する情報のデータ名、作成者等のカタログデータを登録し、これをインターネットで公開することにより、他の主体が必要な情報を容易に検索できるようにするもの。略称CHM。また今回本格運用を開始した我が国のクリアリングハウスメカニズムの略称をCHM-JPとする。(別添資料1)。
※2 「メタデータ」...上記クリアリングハウスメカニズムに登録するデータのこと。登録内容は、生物多様性に関する調査報告書等の名称・作成者・作成時期・作成方法・フォーマット形式・著作権・入手方法・調査制度等となる(別添資料2)。

1.「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM)」について

 生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM)は、生物多様性条約第17条(情報の交換)及び第18条(科学技術協力)に基づき、各締約国において構築が進められている生物多様性に関する情報の交換の促進のための情報システムです(別添資料3)。
 例えば、大学、博物館、行政機関や民間調査機関あるいはアマチュア研究者まで環境に関連した多数の組織・個人が独自に生物多様性に関する多数の情報を保有していますが、これらの情報を必要な時に必要な組織や個人が使用することは非常に難しいのが現状です。生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM)は、さまざまな主体が保有する生物多様性に関する情報を調査別にコンパクトにまとめたメタデータをデータベース化し、これをインターネットで公開することにより、他の主体が調査データを利用しようとするときに必要な情報を容易に検索できるようにするとともに、情報の交流を一層進めようとするシステムで、さまざまな主体が保有している生物多様性に関する情報をお互いに利用できるようにするものです。

2.我が国の「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)」の構築

 生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM)に関する我が国のコンタクトポイントとして指定されている環境省生物多様性センターでは、平成13年度から高度な機能を有する「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)」の構築に取り組み、平成15年8月からは、限定的な範囲の生物多様性情報の検索システムの試験運用を行ってきました。
 その後、試験運用の状況を踏まえつつ、最先端のコンピュータ技術を用いて生物多様性情報の登録・詳細な検索・閲覧を一括して行うことのできる情報システムを開発し、今回本格運用することとしました。
 生物多様性条約の締約国(188ヵ国・地域)の中で、現在、生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM)に係るウェブサイトを公開しているのは、日本を含めて66ヵ国・地域ありますが、そのほぼ全てがホームページ上で生物多様性に関する情報を公開しているのみであり、我が国の生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)のようにメタデータの検索ができる高度な機能を有するシステムを構築している例はほとんどありません。

3.「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)」の特徴

[1] メタデータの作成と登録が誰でも簡単にできます
  メタデータエディタというソフトウェアを生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)ホームページ上からダウンロードし、そのソフトウェア上で必要事項の記入により簡単にメタデータが作成できます(別添資料4)。作成したメタデータは、同ホームページのメタデータ登録画面から生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)のサーバに登録を行うことができます。
なお、メタデータの登録方法を解説した「メタデータ登録方法マニュアル」及びメタデータの作成方法を解説した「メタデータエディタ利用方法マニュアル」も同時に生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)ホームページ上からダウンロードできます。
[2] さまざまな情報検索機能を持っています
   情報の検索の方法にはおおまかに次の3つの方法があります(別添資料5)。
  a. キーワード検索...生物多様性に関する情報のキーワードにより検索。
  b. 地域検索...調査等が行われた場所の範囲を緯度経度により指定して検索。
  c. 日付検索...調査日または調査内容の公表された日付の範囲を指定して検索。
   この3つの検索方法は各々でも、また重複しても検索することができます。検索を行うと、検索に該当したメタデータ一覧を得ることができます。検索をした結果、自分の必要とする情報が見つかったら、メタデータに記述されている、必要としている情報を保有している組織の名前や連絡先を確認し、そこへ情報の問い合わせをすれば必要な情報の入手等ができます。

4.「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)」に関する今後の取組

 「生物多様性情報クリアリングハウスメカニズム(CHM-JP)」は、システムの性格上、より多くのメタデータの登録が行われることにより、情報の交流と有効利用がより一層推進されることになります。このため、環境省では、今後とも、自らが保有する生物多様性情報のメタデータの登録を推進するとともに、大学、博物館、民間調査機関、NGO、行政機関などに対してメタデータの登録の促進を働きかけることにしています。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局総務課生物多様性センター
センター長    :北沢 克巳
 情報システム企画官:梶川 昌三
 情報システム科長 :水田 良幸
 電話 0555-72-6033
 

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