報道発表資料

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1998年09月08日

ディーゼル車用「複合脱硝システム」の開発・試作について-ディーゼル車のNOx低減の新技術-

 大都市の道路沿道を中心として、二酸化窒素(NO2)に関する環境基準の達成率が低い水準にある。中でも、その原因となるNOxの排出量が多いディーゼル車の排気浄化対策が急務となっている。
 このため、公害健康被害補償予防協会の健康被害予防事業として、(財)産業創造研究所において、平成8年度からの3カ年計画でディーゼル車のNOx低減を目的とした「複合脱硝システム」の開発・試作調査を実施中である。
 「複合脱硝システム」は、「排気再循環(EGR)」とディーゼル車への採用例が これまで皆無であった「NOx還元触媒」を組み合わせたNOx低減システムである。
 平成6年規制適合エンジンに改造を施し試作した「複合脱硝システム」で試験をした結果、平成9年から11年にかけて実施される長期規制値(重量車で4.5g/kWh)に比べ、NOxを16~44%低減したデータが得られた。また、実験の結果、同システムの「NOx触媒」には、もう一つの機能として、ディーゼル排気微粒子(DEP)をも低減する効果があることも示唆された。
今後の課題としては、

  • NOx低減率の更なる向上
  • 軽油中の硫黄分によるNOx還元触媒の性能劣化の状況の把握
  • DEP低減効果の正確な把握
  • 実際に自動車に搭載できるシステムとしての信頼性及び耐久性の確立等があり、更に調査を継続していく考えである。
     なお、この件に関する特許は、公害健康被害補償予防協会と(財)産業創造研究所より出願中である。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課長   :松本 和良(6550)
 課長補佐 :印南 朋浩(6551)

特殊法人公害健康被害補償予防協会基金事業部
 部長   :阿部 晶
 事業課長 :島田 幸司(3586-1526)

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