報道発表資料
平成15年11月27~28日、パタヤ(タイ)において、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)に関する第5回政府間会合(IG5)が開催された。また、これに先立ち、11月24~26日には第3回科学諮問委員会(SAC3)が開催された。
今次政府間会合では、2001年1月から既に本格的な稼働を開始しているEANETについて、昨年7月から作業部会を設置し精力的な議論が進められてきた資金分担ルール(財政的な枠組み)について合意に至った。
これにより、EANET活動に要する事務局経費について、2005年から基本的に国連分担率をベースとしてすべての参加各国が何らかの形で資金貢献を果たすことを目指す仕組みに移行することになるとともに、参加各国による更なる資金貢献に向け、3年後に再度議論することが合意された。
また、これまで財政的な枠組みについて議論することのみを役割としてきた作業部会を一旦終了し、EANETの今後のさらなる発展・拡大に向けた具体的な事項を議論するための作業部会を新たに設置することについても合意された。
さらに、これに先立って開催されたSAC3では、参加各国の国内モニタリング計画がレビューされ必要な助言等が与えられたとともに、2002年データ報告についての検討が行われ基本的に了承された。
今次政府間会合では、2001年1月から既に本格的な稼働を開始しているEANETについて、昨年7月から作業部会を設置し精力的な議論が進められてきた資金分担ルール(財政的な枠組み)について合意に至った。
これにより、EANET活動に要する事務局経費について、2005年から基本的に国連分担率をベースとしてすべての参加各国が何らかの形で資金貢献を果たすことを目指す仕組みに移行することになるとともに、参加各国による更なる資金貢献に向け、3年後に再度議論することが合意された。
また、これまで財政的な枠組みについて議論することのみを役割としてきた作業部会を一旦終了し、EANETの今後のさらなる発展・拡大に向けた具体的な事項を議論するための作業部会を新たに設置することについても合意された。
さらに、これに先立って開催されたSAC3では、参加各国の国内モニタリング計画がレビューされ必要な助言等が与えられたとともに、2002年データ報告についての検討が行われ基本的に了承された。
1.会合の概要
(1) | 第3回科学諮問委員会(SAC3) | |||
○ | 平成15年11月24日(月)~26日(水) | |||
○ | EANET参加12ヶ国の科学諮問委員会メンバー、ミャンマー及び国際機関等の専門家等が参加 | |||
(2) | 第5回政府間会合(IG5) | |||
○ | 平成15年11月27日(木)~28日(金) | |||
○ | EANET参加12ヶ国及びミャンマーの政府機関代表者、国際機関の専門家等が参加 | |||
※ | SAC3及びIG5ともに、 | |||
○ | 場所 | : | タイ・パタヤ市 | |
○ | 参加国等 | : | カンボジア、中国、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、モンゴル、フィリピン、韓国、ロシア、タイ、ベトナム(EANET参加国12ヶ国)、ミャンマー(オブザーバー)、関係国際機関 |
2.第5回政府間会合(IG5)の結果
(1) | 第3回科学諮問委員会(SAC3)からの報告 | |
SAC3における議論等について報告が行われ、必要な事項について承認された。 | ||
(2) | EANET活動の進捗のレビュー | |
昨年11月にバンコク(タイ)において開催された第4回政府間会合(IG4)以降のEANET活動の状況として、資金確保の方法に係る作業部会やSACの下に設置されているタスクフォース等における議論の状況、参加各国におけるキャパシティ・ビルディング(技術支援)に係る取り組みの状況、データの精度保証・管理(QA/QC)の取り組み状況、調査研究活動の状況、等について報告が行われ、今後のEANET活動の進展のための意見やガイダンスが与えられた。 | ||
(3) | EANET活動資金確保の方法 | |
EANET活動に要する資金について、すべての参加国による資金分担ルールを検討することを目的として昨年7月に設置された作業部会から、検討結果について今次政府間会合において報告が行われた。これに基づき議論が行われたところ、主な合意事項は以下のとおり。 | ||
[1] | 最初のステップとして、2005年からすべての国が国連分担率に基づき事務局に要する経費について資金分担を行うことを目指すこと。 | |
[2] | 次のステップとして、3年後に見直し行うこと | |
[3] | イン・カインドな貢献(資金拠出による直接的な貢献以外のもの、例えば、会議を誘致し場所を提供すること等)も資金貢献と見なすこと。 | |
[4] | 新たな参加国(カンボジア、ラオス)については、3年間の猶予期間を適用すること。 | |
[5] | 今般合意されたルールに基づく資金貢献に向けて、EANETの法的位置づけの明確化について検討すること。 | |
(4) | EANETの将来の発展についての検討 | |
事務局から、EANETの将来の発展に関して、)EANETの基盤強化、)EANETの将来的な拡大、)酸性雨原因物質の排出削減に向けた取り組みの推進、の3の観点についてこれまでの活動状況及び今後の方向性等について説明が行われた後、議論が行われたところ、今後の方向性については、この問題を検討するための新しい作業部会(新作業部会)を設置することについて各国の合意の下承認された。 新作業部会において議論される具体的な議題については今後(第1回目の開催時に)決められることとなるが、IG5の場では以下の事項が想定される旨合意を得た。 |
||
[1] | 今後4~5年をターゲットにしたEANETの中期計画の策定。 | |
[2] | 財政報告書のレビュー及びそれに基づく提言 | |
[3] | EANETの法的位置づけ(条約化等)の可能性に関する検討。 | |
[4] | その他EANETの将来の発展に向けて重要な事項の検討。 | |
(5) | 2004年活動計画及び予算 | |
事務局作成のEANETに係る2004年活動計画及び予算について承認された。 |
3. 第3回科学諮問委員会の結果
第2回科学諮問委員会会合(2002年11月25日~11月27日、バンコク)以降のEANET活動の状況をレビューするとともに、各国のモニタリングプランがレビューされ助言等が与えられた。
また、2002年モニタリングデータ報告について検討が行われたほか、QA/QC活動の一環として2002年に実施された分析機関間の精度に関する比較調査結果のレビューやモニタリング手法の改善等について議論されるとともに、2004年活動計画やEANETのさらなる発展に向けた今後の研究活動や他の国際機関との連携について、科学的・技術的観点から議論が行われた。 これらの議論の結果については、第5回政府間会合に対する報告として取りまとめられた。
なお、モニタリングデータについては、SACでの承認後、毎年年次報告書として既に公表されているところであるが、本会合においては詳細な生データに係る公表ルールについても検討が行われ、SACでの承認後1年を経過した後公表扱いとすることとされた(IG5に提案され承認された)。
(モニタリングデータの年次報告書については、2000年のデータからとりまとめられており、今般の2002年データを含めると3ヶ年分のデータがとりまとめられたところである(別紙 図「各測定地点における年平均pH)を参照)。また、今後数年分のモニタリングデータを用いて、科学的な観点から解析・評価を行うことで東アジア地域の酸性雨の状況に係る報告書の作成に向けた検討が開始される予定である。)
4. 次回会合予定
第6回政府間会合および第4回科学諮問委員会は2004年秋(カンボジア予定)に開催される予定。
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課長 : 荒井 真一(内線6740)
課長補佐 : 和田 篤也(内線6745)
技官 : 佐野 敦 (内線6745)