報道発表資料

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2003年02月10日
  • 地球環境

国連環境計画(UNEP)第22回管理理事会/第4回グローバル閣僚級環境フォーラムの結果について

2月3日(月)から7日(金)、UNEP第22回管理理事会/第4回グローバル閣僚級環境フォーラムがナイロビ(ケニア)で開催された。148ヶ国の代表が参加し、WSSDの成果の履行、持続可能な生産と消費のパターンの促進などについて議論した。我が国からは、中川環境事務次官らが出席した。
1. 日時 :   平成15年(2003年)2月3日(月)~7日(金)
  
2. 場所 :   ナイロビ(ケニア)
  
3.主な出席者 :   ケニア・スイス・中国・ノルウェー・南アフリカ・メキシコなどの環境担当大臣を含む148ヶ国の代表。
日本からは、中川環境事務次官(我が国代表団の団長)らが参加。
  
4. 概要 :
   2月3日~7日、UNEP第22回管理理事会が開催された。58ヶ国の管理理事国の内、55ヶ国が参加し、環境の現状や国際環境ガバナンスなどの政策事項、WSSDの成果、予算事項などについて討議が行われた。
 政策事項のうち、化学物質管理や水銀プログラムなど、更なる取組について合意に至った(参考資料参照)。またUNEPの2004-2005年の予算案が採択された。第23回管理理事会は、2005年2月21日から25日にナイロビで開催することが決定された。
 2月5日~6日には、グローバル閣僚級環境フォーラムが開催された。WSSDの成果の履行、持続可能な生産と消費のパターンの促進などについて議論が行われた。次回グローバル閣僚級環境フォーラムは、2004年3月29日~31日にソウルで開催することが決定された。
  
  
5. 主な成果 :
  
 ○ UNEP第4回グローバル閣僚級環境フォーラムの概要
  
  (1)開会
   ルグンダ・UNEP管理理事会議長、テップファー・UNEP事務局長、デサイ・国連事務次長(経済社会問題担当)、アナ・カジュンボ・国連人間居住計画事務局長より挨拶がなされた。また、開催国を代表し、オワナ・ケニア副大統領より挨拶があった。
 ヨハネスブルグ・サミット(WSSD)フォローアップへのUNEPの関与や、NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)を中心にコメントがあり、持続可能な開発のための対策を各国が実際に行動に移していくことが重要であることが強調された。
  
  (2)WSSDの成果の履行:アフリカ開発のための新パートナーシップ
   ワデ・セネガル大統領より、アフリカの開発の困難さを訴えるとともに、長期的なパートナーシップとしての政府開発援助を要請する旨の挨拶があった。また、孤立した地域を考えた協力、新しい追加基金の設立などの要請があり、インフラ、健康、教育、環境、エネルギーセクターに重点が置かれるべきとの説明があった。
 ムーサ・南アフリカ環境大臣、UNEP担当及びケニアの環境大臣に続き、中国、セネガルの各環境大臣からの発言があり、各国で直面している問題についての説明及び協力要請が行われた。チェコなどの先進国からはアフリカへの援助を惜しまない旨の発言があった。
  
  (3)WSSDの成果の履行
   地域に焦点を当てたWSSDの成果の着実な実施を巡る議論では、UNEP地域事務所の強化の必要性、途上国での対処能力の向上や人材育成の重要性などについての指摘が相次ぎ、この分野でのUNEPの積極的な活動への期待が表明された。
  
  (4)持続可能な生産と消費のパターンの促進
   解・中国国家環境保護総局長とブレンデ・ノルウェー環境大臣の基調講演があり、その後閣僚レベルのステートメントが続いた。中川環境事務次官は、持続可能な生産・消費パターンの変更の促進に環境教育が重要であることを指摘するとともに、第3回世界水フォーラムの開催など日本の取組について紹介し、環境問題の解決に向け世界が協力する必要性を訴えた。
  
  (5)生物多様性確保に関するUNEPの貢献
   リック・メキシコ環境大臣とローチ・スイス環境大臣の基調講演があり、その後閣僚レベルのステートメントが続いた。各国とも、この分野におけるUNEPの役割は大きく、関連国際機関と協調しながら、生物多様性の確保、天然資源の有効活用を図っていくことが必要との認識を示した。
  
 ○ 第22回UNEP管理理事会の概要
  
   環境の現状についての議論の概要は以下のとおり。
 
 UNEP事務局から環境の状況について、また、パチャウリIPCC議長から地球温暖化の現況を報告。その後、環境の状況、環境と文化の多様性、化学品、貿易と環境及び水の5分野について各国が意見を述べた。
 環境の状況に関して、世界水銀アセスメントを高く評価する意見が多数あった。
 環境と文化の多様性については、文化の多様性の背景には生物多様性があり、両者は密接不可分のものであり、生物多様性の保全が文化の多様性の保全につながるとの認識を示す国が多かった。
 化学物質へのUNEPの取組はリオ後10年間の成果の一つであり、グローバル水銀アセスメントの成果を踏まえ更に取組を強化すべきとされた(詳細については参考資料参照)。
 貿易と環境は、今後ますます注目される分野であり、UNEPはWTOの議論に積極的に参加すべき等本分野でのUNEPの取組に期待が表明された。
 問題は命や健康に直結する重要事項であり、第3回世界水フォーラム(WWF3)の開催を歓迎するとの意見が多数を占めた。我が方からは、WWF3へのUNEPの積極的な貢献を期待するとともに、この分野でのUNEP/IETCの活用が重要である点を指摘した。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局総務課
課長  :白石  順一(6710)
 調査官:塚本  瑞天(6720)
 補佐  :松永  龍児(6725)
 担当  :須田恵理子(6723)