報道発表資料

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1998年03月26日

自動車排出ガス原単位及び総量に関する調査結果について

-排出ガス規制対象自動車の通常走行時における車種別NOx等排出量 (国内年間排出総量、1台当たり年間排出量、1台1km走行当たり排出量)調査結果-

 自動車排出ガスの量を試算し定量的に明らかにすることは、大気汚染の改善を図るための諸対策の検討に必要不可欠である。このため、環境庁は「自動車排出ガス原単位及び総量に関する調査検討会」(座長:秋元肇東京大学先端科学技術研究センター教授)を設置して調査を実施し、今般、その結果を取りまとめた。

 この調査では、平成6年度を対象に、自動車排出ガス規制対象自動車※1の車種ごとに、通常走行時の窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、粒子状物質(PM)等の排出量について、台上試験※2データ、道路交通センサス、自動車輸送統計年報等に基づき、次の試算を行った。

排出原単位(自動車1台が1km走行するときの排出ガス量)
自動車1台当たり年間排出量(自動車1台の1年間の排出ガス量)
自動車排出ガス総量(国内のすべての自動車の1年間の排出ガスの総量)
 その結果、例えば、
普通貨物車(うちディーゼル車98%)は、保有台数では自動車全体の4%に過ぎないものの、NOx排出量では49%を占めていること(5ページ図1-4)、
ディーゼル車は、保有台数は自動車全体の18%であるにもかかわらず、NOx排出量では75%を占めていること(6ページ図1-7)、
等の試算結果が得られた。
 本調査の対象年である平成6年以降も、中央公害対策審議会の平成元年答申に基づくディーゼル車の規制強化※3を現在実施中であり、更に中央環境審議会の平成9年第二次答申に基づくガソリン車の規制強化※4も予定されている。
 しかしながら、大気汚染状況は依然深刻であり、自動車走行量の増加傾向も続いていることから、今後とも自動車環境対策の一層の推進が必要である。
 環境庁としては、中央環境審議会大気部会において、ディーゼル車の新たな排出ガス低減目標等について現在御審議いただいているところであり、今回の調査結果や別途行われる排出ガス低減技術の調査結果等を基に、年内にまとめられる予定の答申を受け、所要の措置を講ずることとしている。

※1軽乗用車、乗用車、軽貨物車、小型貨物車、普通貨物車、バス、特種車の7車種。
平成6年3月の保有台数は全国合計約6,300万台(ガソリン・LPG車、ディーゼル車)。
※2実際の路上の走行条件を実験室内で再現する「シャシダイナモメータ」を用いた試験。
※3ディーゼル車1台当たりのNOx排出量を、車種により平成9年から11年にかけて約1~5割削減など。
※4ガソリン車1台当たりのNOx排出量を、車種により平成12年から14年にかけて概ね7割削減など。
1. 経緯等
 大都市地域を中心に依然として深刻な大気汚染の改善を図るため、環境庁は、大気汚染防止法に基づく自動車排出ガス規制及び固定発生源の排出規制等の諸対策を実施している。自動車排出ガスの量を試算し定量的に明らかにすることは、これら諸対策の検討に必要不可欠である。
 このため、環境庁は「自動車排出ガス原単位及び総量に関する調査検討会」(座長:秋元肇東京大学先端科学技術研究センター教授)を設置し、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)及び粒子状物質(PM)の3物質を中心に、
{1} 排出原単位(自動車1台が1km走行するときの排出ガス量)
{2} 自動車1台当たり年間排出量(自動車1台の1年間の排出ガス量)
{3} 自動車排出ガス総量(国内のすべての自動車の1年間の排出ガスの総量)
等について、平成6年度を対象として以下の試算結果を得た。
 本調査の対象年である平成6年以降も、ディーゼル車やガソリン車等の規制強化が実施中又は実施予定であるが、大気汚染状況は依然深刻であり、自動車走行量の増加傾向も続いていることから、今後とも自動車環境対策の一層の推進が必要である。現在、中央環境審議会大気部会において、ディーゼル車の新たな排出ガス低減目標等について御審議いただいているところであり、今回の調査結果や別途行われる排出ガス低減技術の調査結果等を基に、年内には答申がまとめられる予定である。

2. 推計対象
(1) 全国の排出ガス規制対象自動車を対象。
軽乗用車、乗用車、軽貨物車、小型貨物車、普通貨物車、バス、特種車の7車種。
平成6年3月の保有台数は、全国合計約6,300万台(ガソリン・LPG、ディーゼル車)。

(2) 通常の走行時の排気管からの排出ガスを想定。
コールドスタート(冷始動)、登坂路走行、エアコン作動状態での走行、客待ちのための長時間のアイドリング等による排出ガスの増加は試算対象外。
3. 推計の方法
 車種別に以下のとおり算出した。
自動車排出
ガス総量
 (t/年)
速度区分別の
排出原単位
 (g/台km)
× 速度区分別
の走行割合
× 1台当たりの
年間走行量
 (km/年)
× 自動車保有
台数
 (台)
 
排出原単位

(g/台km)
× 1台当たりの
年間走行量
 (km/年)
× 自動車保有
台数
 (台)
{1} 速度区分別の排出原単位
 速度区分別の排出原単位は、環境庁、地方自治体及び国立試験研究機関が使用過程車を使って、台上試験(実際の路上の走行条件を実験室内で再現する「シャシダイナモメータ」を用いた試験)を行って平成5年までに収集した約6,700の実走行データを基に、車種別に推計した。

{2} 速度区分別の走行割合
 速度区分別の走行割合については、全ての道路を対象としたデータが存在していないため、建設省「平成6年度道路交通センサス(全国道路交通情勢調査)」と運輸省「自動車輸送統計年報(平成6年度分)」を基に、以下の前提で、車種別に算出した。
道路交通センサス(国道など主要な道路を対象とした調査)で測定された走行量については、道路交通センサスによる速度区分別走行割合によった。
細街路の走行は、道路交通センサスの対象となっていないため、自動車輸送統計年報による年間走行量から、センサス対象道路における走行量を差し引いたものを細街路の走行量であるとみなし、これらの走行量は平均速度15~25km/hで走行しているものとした。
 なお、このように異なる2つの調査結果を組み合わせて算出した結果、例えば、バスについては、高速度部分の走行比率が高く、貸切バス・高速路線バスの走行実態に近くなっているなど、速度区分別の走行割合の算出については、今後、更に検討が必要である。

{3} 1台当たりの年間走行量
 1台当たりの年間走行量は、運輸省「自動車輸送統計年報(平成6年度分)」に基づき、車種別に設定した。

{4} 自動車保有台数
 自動車保有台数は、(財)自動車検査登録協力会「自検協統計自動車保有車両数-No.21-平成6年3月末現在」に基づき、車種別に設定した。
4. 調査結果の概要
(掲載情報加工中)

5. 自動車排出ガス原単位及び総量に関する調査検討会検討員名簿
氏名所属
○秋元 肇 東京大学先端科学技術研究センター教授
  森口 祐一 国立環境研究所地域環境研究グループ総合研究官
  塚本 雄次郎 交通安全公害研究所交通公害部主任研究員
  月川 憲次 東京都環境保全局大気保全部自動車公害対策室長
  小林 伸治 (財)日本自動車研究所第一研究部主任研究員
  酒井 伊知郎 (社)日本自動車工業会安全・環境技術委員会
排出ガス部会クリーンエア分科会(平成10年1月から)
 (三枝 省五) (同上(平成9年12月まで))

(順不同、敬称略、○印:座長)

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課長   :三宅 哲志(6550)
 課長補佐 :野津 真生(6552)