報道発表資料

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2002年07月12日
  • 再生循環

変圧器(トランス)などの重電機器からの微量のPCBの検出について

平成14年7月9日、(社)日本電機工業会から、
[1]  重電機器メーカー6社が製造した変圧器(トランス)など重電機器中の絶縁油(PCBを絶縁油として使用していないもの)から微量のPCBが検出された事例があったこと、
[2]  変圧器など重電機器中の絶縁油について微量のPCBが混入する可能性について調査を行なった結果、重電機器メーカー6社が製造した変圧器の一部については、微量PCBの混入の可能性を完全には否定できないこと
について、経済産業省に報告が行われ、同日、この結果について経済産業省から、環境省に情報提供がありました。
 本件については、本日、(社)日本電機工業会及び経済産業省においても記者発表等が行われますが、重電機器のユーザー等に対し幅広く情報提供を行っていくことが重要と考えられるため、環境省としても、(社)日本電機工業会の報告及び経済産業省からの情報提供の内容等について、お知らせすることとしました。
 また、経済産業省からの情報提供を受けて、環境省として、(社)日本電機工業会及び関係各社に対して、現在判明している情報について重電機器のユーザーに情報提供を行うこと、PCB検出事例の原因究明及び検出される可能性がある機器を特定する調査を行うことなどをPCB特措法第15条に基づき協力要請しました。

1. (社)日本電機工業会の報告等について
 
 平成14年7月9日、日本電機工業会が経済産業省に報告した内容について、ポイントを整理すると(1)~(5)のとおりです。
 なお、日本電機工業会の報告については、資料1として添付しましたので、これを参照して下さい。また、参考として、報告にいたるまでの経緯(経済産業省作成)については、資料2として添付しました。
 
(1) 平成12年7月、東芝、三菱電機、富士電機が納入した変圧器から微量のPCBが検出された事例が判明。この3社は、状況確認等を行い、12年10月に通商産業省(当時)に報告。
(2) 通商産業省の指示を受け、東芝が3社を代表して、同社が昭和41年から平成2年に製造した変圧器サンプル調査(148台)を平成12年11月から13年12月にかけて実施したが、PCBの検出事例はなし。
(3) 過去のPCB検出事例を包括的に調査したところ、6社の製造した変圧器、コンデンサ、リアクトルについて、検出事例を確認。
(4) さらに、重電機器を製造している25社において、各社の製造過程におけるPCB混入の可能性の検証を行うため、使用された絶縁油及び製造過程等を調査。この調査により、使用された絶縁油についてPCBを含まないこと及び製造過程でPCB混入の可能性がないことの確認が進められ(現在調査中3社)、調査の結果、PCB微量混入の可能性を完全には否定できない場合として、[1]一部市販再生油の中でPCBを含まないことが確認されていないものを絶縁油に使用した場合、[2]新油とPCBを含まないことが確認されていない市販再生油を注油するための設備の一部を共用していた場合、があることが一部企業において確認。
  (5) PCB微量混入の可能性が完全には否定できない対象機器(変圧器)の台数は、約8,400台と推定。
 
 
2. 環境省の対応
 
 本件については、本年6月25日に経済産業省から、環境省に対して、「変圧器(トランス)などの重電機器からの微量のPCBの検出事例があり、日本電機工業会及び会員企業において調査が進められている」旨、第一報の情報提供がありました。その後、経済産業省とも、対応について協議し、環境省としても、重電機器のユーザーに対する情報提供を的確に行うことが重要であると判断し、以下のとおり対応することとしました。
 
(1)  日本電機工業会及び関連10社(調査の結果、PCB混入の可能性を完全には否定できないとされている企業又は過去に微量PCB検出事例のある企業10社(資料3))に対して、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(以下、「PCB特措法」という。)」第15条の規定に基づき、PCB含有の有無の判別のための調査の実施及び変圧器等のユーザーに対する情報提供等について協力を要請しました。(資料4資料5)協力要請のポイントは、次のとおりです。
[1]  サンプル調査等の実施
 重電機器の種類、製造年、メーカー名、製造工場、型式、製造時に使用した絶縁油のルート等に応じた適切なロットごとに、PCB含有の有無の判別を行うための調査。
 万一PCBが検出された場合及び過去に検出事例がある場合には、速やかに原因の解明に努めること。
[2]  変圧器等のユーザーに対する情報提供等の実施
 調査結果について、遅滞なく情報提供を行うこと。
 PCBの混入の有無をユーザーが判断できるよう、的確な情報提供を行うこと。
 PCBの混入が確認された場合には、PCB廃棄物として適正に取り扱わなければならない旨、助言を行うこと。
 PCBの混入の可能性が完全には否定できないとされる場合には、PCBが含有しないことが確認されるまでの間は、PCB廃棄物と同様に適正な保管を行うことが適切である旨、助言を行うこと。
[3]  変圧器等のユーザーからの問い合わせ等に対する窓口を設置するなど、的確かつ迅速な情報提供を行うための体制を確保すること。
 
(2) 都道府県・政令市に対して、本件に係る情報提供を行うとともに、本件に係る情報及び本件に係る変圧器等が廃棄物となった場合の取扱いについて、関係事業者及び産業廃棄物処理業者に対して周知、指導するよう要請しました。(資料6
 
(3) また、環境省として、以下のとおり取り組むこととしています。
[1]  経済産業省とも連携して、できるだけ早く両省のホームページに本件に係る情報を逐次掲載することとし、事実関係の周知に努める。
[2]  PCBが検出された重電機器の適切な処理体制について、PCB廃棄物の処理体制確保の進捗も勘案しながら、経済産業省と連携して検討していく。
 
 
なお、この件については、本日、経済産業省からも記者発表があります。


行政資料へのリンク


 
資料1-1 微量PCB検出にかかる調査について(本文)[PDFファイル 139KB]
資料1-2 微量PCB検出にかかる調査について(添付資料・別紙)[PDFファイル 66KB]
資料2 変圧器等の重電機器に微量のPCBが混入する可能性に係る経緯[PDFファイル 38KB]
資料3 調査対象企業一覧[PDFファイル 48KB]
資料4 変圧器等の微量のPCB検出に関する調査及び情報提供について((社)日本電気工業会宛通知)[PDFファイル 8KB]
資料5 変圧器等の微量のPCB検出に関する調査及び情報提供について(関連10社宛通知)[PDFファイル 9KB]
資料6 変圧器等の微量のPCB検出に関する調査及び情報提供について(都道府県・政令市長宛通知)[PDFファイル 10KB]
資料7 関連資料[PDFファイル 72KB]
連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
課   長:森谷 賢 (内線6871)
 課長補佐:松澤 裕 (内線6872)
 課長補佐:吉澤 正宏(内線6880)

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