報道発表資料
- 「陸上活動からの海洋環境の保護に関する世界行動計画(GPA)の第1回政府間レビュー会合」がモントリオール(カナダ)において、11月26日(月)から30日(金)までの5日間、300人以上の政府・国際機関等関係者が参加して開催されました。
- 会合では、都市排水に関する戦略的行動計画、GPA実施のための資金メカニズム、今後の活動計画等に関する討議が行われ、最終日には、「陸上活動からの海洋環境保護に関するモントリオール宣言」が採択されました。
- モントリオール宣言は、参加国、国際機関に対してGPAの実施に向けた取組を強化するよう要請するとともに、地域海計画の強化、国際金融機関等における資金確保を図ること等を求めている(参考1参照)。
- 会合の日程等
- GPAに関する経緯
- 議事及び結果の概要
- 今後の予定
開催日程 | : | 平成13年11月26~30日 |
開催場所 | : | モントリオール(カナダ)、国際航空機関(ICAO)会議場 |
議 長 | : | Mr. Herb Dhaliwal(カナダ漁業海洋大臣) |
参考2参照。 |
(1) | 1995年から2001年までのGPA実施状況のレビュー | |
50カ国以上及び20以上の地域組織・国際機関からの報告をもとに、GPAの策定状況に関してレビューが行われ、具体的な活動は未だ不十分であること、この原因として政治的意思や資金の不足等の課題が指摘された。 また、地域海計画による取組としてカリブ海等における活動状況について、国レベルの取組としてカナダ、ロシア、ブラジルにおける取組状況について紹介が行われた。カナダからは、2000年7月に国レベルの行動計画を策定し沿岸環境保全の戦略的な取組を立案したこと、また、ロシアからは、今後、北極海において陸上起因による海洋汚染に対処していくとする等の説明があった。 |
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(2) | 都市排水に関するGPA戦略行動計画 | |
事務局から、我が国がUNEPと共催して富山県で開催したものを含め6つの地域ワークショップの開催を行うなどの「都市排水ガイダンス草案」の準備過程が紹介された。 また、都市排水ガイダンスを展開するための総合的なアプローチや資金調達メカニズム等が検討され、それらのアプローチが海洋汚染管理に有効であるとの共通認識のもと、2006年までに合意文書を作成していくことが合意された。 |
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(参考) | 都市排水ガイダンスに関する経緯 | |
都市排水に起因する病原菌等による沿岸海域の汚染が付近住民の住民の健康に悪影響を与えるという懸念が特に途上国において大きな問題となっており、GPAでは、都市排水を主たる汚染源として優先的に取り組むべき課題としている。このため、GPAでは、世界保健機構(WHO)等と協力して都市排水対策に関する国際的な活動を展開しており、「都市排水の戦略行動計画」は、GPAの主要課題としての都市排水に関するガイダンスを充実させるために準備され、その重要な構成要素が「都市排水ガイダンス」として今回提案された。 |
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(3) | 2002~2006年活動計画 | |
事務局からの概略説明に引き続き、地域レベルの政府間合意の確立・実施、陸上活動に関する国家行動計画の策定・実施、能力強化等の10分野における2002~2006年の活動内容と予算から構成される活動計画について討議された。 2002年においては、更なる成果の達成や民間及び金融機関との協力関係の強化等を図り、その後、事務局がGPAに関する革新的な技術手法や新たなパートナーシップの推進、新規及び追加的な資金調達手法等について検討することとされた。 GPAの成果は、2002年9月にヨハネスブルグで開催される「持続可能な開発に関する世界サミット」や2003年5月に我が国で開催される「第3回世界水フォーラム」等への貢献とすべきことが合意された。 また、必要な資金の確保については、今後とも、UNEP環境基金、GEF等の国際的基金、世界銀行、民間等からの資金の活用を促進すべきとされた。 本活動計画は、これらの議論を踏まえてUNEP管理理事会を経て承認される予定である。 |
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(4) | 陸上活動からの海洋環境の保護に関するモントリオール宣言 | |
参加国、国際機関に対してGPAの実施に向けた取組を強化するよう要請するとともに、各国間の協調の強化、各地域海計画及び他の海洋環境保全に関する条約との連携の緊密化を図ること等を内容とするモントリオール宣言が採択された |
第2回レビュー会合は、2006年に開催される予定となっている。 |
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課 長 鈴木 克徳(6740)
補 佐 牧谷 邦昭(6741)
係 長 川島 雄一(6746)