報道発表資料
○ | 「船舶についての有害な防汚方法の管理に関する国際条約」の採択のための外交会議は、ロンドン(英国)の国際海事機関(IMO)本部において10月1日から5日のまで開催され、5日には、「船舶についての有害な防汚方法の管理に関する国際条約」が採択 された。会議には75ヶ国から政府関係者、国際機関の代表等が参加した。 |
○ | TBT(トリブチルスズ)を含有した船舶用の船底塗料については、海底堆積物や海洋生物の生体内に蓄積される等の環境影響が懸念されてきたところ、1996年7月に開催されたIMOにおける第38回海洋環境保護委員会(MEPC38)において、我が国、オラン ダ、北欧諸国からTBT塗料の使用に関する世界的規制の必要性を提案し、以降MEPCの場において、この問題に関する審議が進められ、今回の外交会議で標記の条約が採択された。 |
条約の概要 |
1. | 目的 | |
本条約の目的は、船舶において使用されている防汚方法を規制することにより、海洋環境及び人の健康への悪影響を減少または削減することにある。 | ||
2. | 条約の主な内容 | |
(1) | 2003年1月1日以降、全ての船舶において有機スズ化合物を含む防汚方式(TBTを含有した防汚塗料)を新たに塗布してはならない。(いわゆる「塗布の禁止」) | |
(2) | 2008年1月1日以降、船舶は有機スズ化合物を含む防汚方式を船体等の表面に帯びてはならない。ただしTBTが溶け出さないように上からコーティング塗料(シーラーコート)を施すことは認められている。(いわゆる「存在の禁止」) | |
(3) | 条約締約国においては、対象となる船舶について、有効な証書または宣誓書を有しているか否かの検査及び防汚方法のサンプリングを実施できる。 | |
(4) | 違反が認められる場合には、警告等が行われるとともに、条約締約国及び関係国の国内法令に従って処理される。 | |
(5) | 本条約は、国数で25ヶ国以上かつ条約加入国の保有する商船船腹量が世界の総商船船腹量の25%以上となる国が署名して12ヶ月後に発効する。 | |
(6) | 新たな規制物質の追加を行う場合は、技術グループを設置して環境への影響、代替方法の有効性等について検討を行い、MEPCにおいて決定される。 |
その他 |
(1) | 条約上規制が開始されるとされている2003年1月1日までに条約が発効するか否かについては微妙な情勢となっている。 |
(2) | 我が国においては、実質上、平成9年以降はTBT含有塗料の製造が取りやめられている。 |
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局(旧)環境保全対策課
課 長 鈴木 克徳(6746)
補 佐 牧谷 邦昭(6741)
係 長 川島 雄一(6746)