報道発表資料

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1998年05月15日

「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づく世界遺産一覧表への記載を推薦する物件について

環境庁では、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約第11条に基づく世 界遺産一覧表への文化遺産の登録候補地として、日光国立公園内の日光の社寺を推薦 することとした。なお、本物件については、環境庁が所管する自然公園法の他、文化 庁所管の文化財保護法により保護が図られているため、文化庁と共同で推薦する。

1 今回の推薦物件 (概要については別添資料参照)

(1)物 件 名 日光の社寺 (Shrines and Temples of Nikko)
(2)所 在 地 栃木県日光市
(3)内  容 二荒山神社、東照宮、輪王寺の二社一寺及びそれらの境内地。
(4)対象面積 コア 50.8 ha ( バッファーゾーン 373.2 ha)
(5)担保措置 【自然公園法】 日光国立公園(特別保護地区、特別地域、普通地域)
【文化財保護法】 国宝、重要文化財 (史跡(指定手続き中))
2 世界遺産条約に係る経緯
平成4年 6月
わが国が世界遺産条約を批准(同年9月より発効)
5年12月
自然遺産として「屋久島」「白神山地」の登録、文化遺産として「法隆寺地域の仏教建造物」「姫路城」の登録が決定
6年12月
文化遺産として「古都京都の文化財」の登録が決定
7年12月
文化遺産として「白川郷・五箇山の合掌造り集落」の登録が決定
8年12月
文化遺産として「原爆ドーム」「厳島神社」の登録が決定

  ※ 現在推薦中の物件として、平成9年に推薦した「古都奈良の文化財」がある。       (本年12月の世界遺産委員会で決定される予定。)

3 今後の予定

 世界遺産条約関係省庁連絡会議において政府としての推薦を決定した後、7月1日まで に外務省を通じUNESCO世界遺産センターへ推薦書が提出される予定。
 その後、ICOMOS(記念物及び遺跡に関する国際会議)による検討を経た後、平成
11年の12月頃開催される第23回世界遺産委員会(開催地未定)において、世界遺産 一覧表への登録の可否が決定される予定。


                                        


参 考
世界遺産条約の概要

1 条約の概要

 名  称 世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約
Convention for the Protection of the World Cultural and Natural Heritage
 目  的 世界の文化遺産及び自然遺産を保護するため、保護を図るべき遺産をリストア ップし、締約国の分担金からなる世界遺産基金により、各国が行う保護対策を援助する。
 採択年月日 1972年11月16日(於パリ、ユネスコ第17回総会)
 発効年月日 1975年12月17日
 締約国数 153か国(1998年5月現在)
 主な締約国 アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、 中国、日本
 世界遺産 現在、イエローストーン国立公園(アメリカ合衆国)、ピラミッド(エジプト )等552(自然114、文化418、複合20)の遺産が世界遺産一覧表に記載されている。(199 7年12月現在)
 事務局 UNESCO(世界遺産センター)

2 世界遺産の定義

 文化遺産 歴史上、美術上、科学上顕著で普遍的価値を有する記念工作物、建造物、遺跡 等
 自然遺産 観賞上、学術上又は保存上顕著な普遍的価値を有する特徴ある自然の地域、脅 威にさらされている動植物の種の生息地、自然の風景地等

3 世界遺産条約にかかる我が国の動き

 平成4年9月 世界遺産条約に加入
 平成5年12月 白神山地、屋久島を自然遺産として、姫路城、法隆寺地域の仏教建造物を文化遺産として世界遺産一覧表へ記載。(於コロンビア)
 平成6年12月 古都京都の文化財を文化遺産として記載。(於タイ)
 平成7年12月 白川郷・五箇山の合掌造り集落を文化遺産として記載。(於ドイツ)
 平成8年12月 原爆ドーム、厳島神社を文化遺産として記載。(於メキシコ)
 平成10年12月 京都で第22回世界遺産委員会を開催予定
(古都奈良の文化財が記載のための審査を受ける予定)

※白神山地、屋久島については環境庁、林野庁、文化庁の共同推薦。
※厳島神社については、環境庁と文化庁の共同推薦。

添付資料

連絡先
環境庁自然保護局計画課
課 長 :小林  光(内線6430)
 担 当 :奥田 直久(内線6436)