報道発表資料

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1997年05月22日

環境基本計画に対応した今後の公害防止計画のあり方について

5月23日に開催予定の中央環境審議会企画政策部会(部会長:森嶌 昭夫 上智大学法学部教授)において、平成9年度以降の公害防止計画の進め方についての審議がなされ、同日、近藤次郎中央環境審議会会長から環境庁長官に対し、環境基本計画に対応した今後の公害防止計画のあり方について意見具申がなされる予定です。

[1] 公害防止計画について

 公害防止計画は、環境基本法第17条に基づき、現に公害が著しく、かつ、公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難である地域等について、公害の防止を目的として策定される地域計画であり、国及び地方公共団体は計画の達成に必要な措置を講ずるものとされています。 公害防止計画は、昭和45年12月から昭和52年1月まで、全国の主要な工業都市及び大都市地域のほとんどについて順次策定(第1次~第7次地域)され、最大50地域を数えました。その後地域の見直しを経て、苫小牧地域、東予地域、室蘭地域、日立地域、東濃地域、大竹地域及び阿南地域の7地域については計画が終了し、また、9地域は隣接する地域に統合されたことによって、平成8年度末で全国34地域において策定されています。

[2] 公害防止計画と意見具申について

 公害防止計画に関する意見具申は、第1次~第7次地域の計画が一巡する5年ごとになされています。平成4年度から平成8年度までの公害防止計画の策定は、平成4年度の中央公害対策審議会(当時)の意見具申(「社会経済条件及び環境問題の態様の変化に対応した公害防止計画のあり方について」(平成4年5月26日))を踏まえて行われてきましたが、5年が経過し、平成9年度に計画策定を行う地域から6巡目を迎えることになりますので、6巡目以降の公害防止計画のあり方について、新たに意見具申が行われるものです。

[3] 今回の意見具申の主な特徴

(1)前回の意見具申以降、環境基本法、環境基本計画が制定されたことに伴い、公害防止計画は環境基本法、環境基本計画の理念・施策を含んだものとなるようにする必要があるとされています。

(2)公害防止計画については公害の防止を通じ、環境基本計画の長期的な目標に資するものとなるよう、計画を策定する際には、{1}環境への負荷の低減、{2}地球環境の保全、{3}自然と人間との共生、{4}各主体の環境保全への取組、{5}防災都市づくりへの取組について十分配慮する必要があるとされています。

(3)公害防止計画が重点的に取り組むべき施策として、化学物質の環境リスク対策、廃棄物・リサイクル対策、地球温暖化対策などが追加されています。
   特に、地球温暖化対策に関しては、環境問題の中でも極めて重要度の高い問題であるため、公害防止に資する地球温暖化対策を公害防止計画制度の中で適切に位置づけ、公害防止計画の策定実施を図る必要があるとされています。

(4)公害防止計画の策定・施策の実施に当たっては、環境の状況等の関連情報の収集や、問題点等の要因分析をより一層可能な限り行い、その結果を公害防止に反映させていくことが重要であるとされています。

(5)公害の著しくなるおそれの判断としては、廃棄物の排出量や有害性等、さらに化学物質の環境への負荷をも考慮していく必要があるとされています。


*[4] 意見具申の要旨については、添付ファイルを参照。

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局環境計画課
課  長 一方井 誠治
 計画官 今田   長英
 補  佐 藤塚   哲朗