報道発表資料
1. | 環境庁では、環境測定分析に関する技術の向上等を目的として、環境測定分析統一精度管理調査を実施しているが、前年度に引き続き平成11年度においてもダイオキシン類を対象とする調査を実施したところであり、今般、平成12年度環境測定分析検討会において、結果が取りまとめられた。 |
2. | 平成11年度は、ノナン溶液調製試料と土壌試料を対象として調査を行った。地方公共団体及び民間の分析機関計99機関の回答があり、その結果、両試料ともに統計的な異常値等を除外した後の各分析機関の間のTEQのばらつきは、昨年度と同程度かやや良好であり、過去に農薬等について実施した調査結果等と比べても相応なものであった。 |
3. | しかしながら、回答の約1割に計算や記入上のミスがあったほか、土壌試料で、一部のダイオキシン類異性体及びコプラナーPCB異性体に異常値として棄却される回答が多かったことなどから、精度管理のための取組の継続・強化の必要性が指摘されている。 |
4. | 環境庁としては、今後、各分析機関にこの結果をフィードバックするとともに、今月末にも技術講習会を開催する予定。また、平成12年度も調査を継続するとともに、精度管理に係る取組を推進するため、分析機関に示す指針等を作成する予定。 |
1. | 環境測定分析統一精度管理調査: | |
環境庁が昭和50年度より行っている調査で、環境測定分析に従事する諸機関が、均一に調製された環境試料を指定された方法等により分析することによって得られた結果を検討、評価することにより、環境測定分析の精度の向上を図るものである。 | ||
2. | ノナン溶液調製試料: | |
ノナン(炭化水素の一つ)にダイオキシン類の2,3,7,8-位塩素置換異性体である17項目を添加し、混合・均一化した試料。 | ||
3. | TEQ | |
ダイオキシン類等の量をダイオキシン類の中で最強の毒性を有する2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの量に換算した量として表していることを示す記号。 |
1. | 調査の経緯等 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
環境庁では、昭和50年度より環境測定分析データの信頼性確保のために、環境測定分析検討会及び環境測定分析統一精度管理調査部会を設置し、様々な環境汚染物質を対象とした環境測定分析統一精度管理調査を行ってきた。 近年注目の高いダイオキシン類は、低濃度での毒性が問題となっているにもかかわらず、その分析技術についての全国統一的な調査が行われていなかったことから、平成10年度に環境測定分析統一精度管理調査部会に超微量有害化学物質検討分科会を設置し、ダイオキシン類等の環境濃度が超微量の有害化学物質に関する調査方法の検討等を行った。 この検討結果に基づき、平成10年度からダイオキシン類に関する調査を開始し、昨年7月には第1回調査に関する報告書を取りまとめたが、今般、平成11年度に実施したダイオキシン類の「ノナン溶液調製試料」、「土壌試料」に対する地方公共団体及び民間の分析機関からの回答結果に基づき、上記の分科会及び検討会において報告書を取りまとめた。 |
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2. | 調査の目的 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本調査は、環境測定分析に従事する諸機関が、均一に調製された環境試料を指定された方法、又は任意の方法により分析することによって得られた結果から、前処理条件、測定機器の使用条件等によるデータの偏差その他分析実施上の具体的な問題点等を調査することにより、
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3. | 調査の結果 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分析は各分析機関に指定した方法注1)により行った。 参加申し込み機関は、地方公共団体及び民間の分析機関合わせて112機関あり、このうち回答のあった機関は99機関であった(表1)。 まず、明らかな記入間違い、計算間違いを行っていると思われる機関に対して連絡をとり、先方の申し出に基づき、数値の訂正を行った(表2) 両試料のTEQのヒストグラムを図1、2に示す。また、異常値等を棄却注2)後、基本的な統計量(平均値、室間精度(CV)注3)、最小値、最大値及び中央値)を算出した(表3、4)。 各試料についての結果概要を以下に示す。
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4. | 今後の取り組み | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ダイオキシン類の測定分析における精度管理の重要性にかんがみ、平成12年度においても調査を継続する必要があるが、記述間違いや計算間違いに関する修正措置の取りやめなど調査方法の変更を行うとともに、マニュアルと併用すべき精度管理の指針の作成・普及を図るべきである。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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5. | 検討員名簿 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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添付資料
- 連絡先
- 環境庁企画調整局環境研究技術課
課 長 :勝又 宏 (内6240)
試験研究調整官 :松井 佳巳(内6241)
主 査 :伊藤 恒之(内6244)
担 当 :齋藤 広伸(内6246)