報道発表資料

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2013年12月13日
  • 地球環境

「気候変動に係る日中政策研究ワークショップ」の結果について(お知らせ)

 12月11日(水)に中国・北京にて「気候変動に係る日中政策研究ワークショップ」が開催され、日中における適応戦略の進捗の現状、2020年以降の気候変動枠組みにおける各国の目標の妥当性の検討方法、中国における緩和行動の事例、政策決定に貢献しうる日中の研究協力の題材等について、両国の政策担当官・研究者が意見交換を行いました。

 「気候変動に係る日中政策研究ワークショップ」は、気候変動に関する日中の研究面からの知見について、それぞれの国の政策担当官・研究者が意見交換を行う会議です。我が国からは環境省、地球環境戦略研究機関(IGES)、東京大学、東北大学、中国からは能源研(中国国家発展改革委員会エネルギー研究所;ERI)、中国科学院、中国農業科学院、中科院政策所、環境保護部/中国環境統合認証センター、中国持続発展工商委員会、北京工業大学、Ecofys、TNC(The Nature Conservancy)等から政策担当官、研究者が参加しました。

1.開催地

 中国・北京

2.開催日

 平成25年12月11日(水)

3.議題

 日中における適応戦略の進捗の現状、2020年以降の気候変動枠組みにおける各国の目標の妥当性の検討方法、中国における緩和行動の事例、政策決定に貢献しうる日中の研究協力のあり方 等

4.概要

 中国からは、能源研の研究者らより、中国における最新の適応政策の概要、気候変動の影響に対するリスク管理の研究、2度目標を見据えたピークアウト・中長期的なCO2排出削減の見込み、低炭素政策と炭素認証(Carbon Certification)の仕組み、中国におけるエネルギー分野の目標設定からの教訓等について紹介がありました。我が国からは、気候変動の影響と水資源における適応の研究、日本における気候変動の影響及び適応戦略の策定プロセス、2020年以降の枠組みにおける各国が決定する目標の形式及びその目標を議論する国際コンサルテーションのあり方の研究、中国・韓国・日本における排出権取引の比較研究等について発表が行われました。
 それぞれの発表内容について活発な意見交換が行われるとともに、最後のセッションでは、日中両国の政策決定に貢献しうる日中の研究協力の題材として、我が国からは、費用便益を考慮したモデルを活用し、PM2.5に焦点をあてた大気汚染の緩和策の検討の必要性について、具体的に研究手法が提案されるとともに、気候資金における新興国(インド、韓国、中国)の役割に関する研究の初期段階の所見が共有されました。中国からは、関心がある分野とその具体的な題材について共有されました。具体的には、気候変動の分野では、2度目標に向けた気候変動戦略、第13次五ヵ年計画(2016-2020年)におけるCO2排出上限の設定、主要政策(排出権取引、炭素税、基準、低炭素都市開発)、新たな枠組みやアジアにおける低炭素における国際協力等、大気汚染の分野では、31の地域における政策等、炭素の価格付け(carbon pricing)の分野では、排出権取引のパイロットフェーズの次の段階、炭素税のロードマップについて題材が提示されました。議論の結果、気候資金、新たな枠組み(ロードマップ、各国の目標の形式)、PM2.5に焦点をあてた大気汚染の緩和を目指したコベネフィット(市場メカニズムとのリンク等)について、日中両国で協力して温暖化対策を進展させていく意味でも、研究者からの積極的な提案が必要であることを確認するとともに、今後具体的な研究協力のありかたについて検討していくこととしました。

発表資料等はIGESのウェブサイト(www.iges.or.jp/)にて近日中に公表される見込みです。
連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
直通:03-5521-8330
   代表:03-3581-3351
室長   :新田  晃  (6772)
室長補佐 :浦上 亜希子 (6774)