報道発表資料

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2012年10月23日
  • 地球環境

「気候変動に係る日中政策研究ワークショップ」の結果について(お知らせ)

 10月18日(木)に中国・北京にて「気候変動に係る日中政策研究ワークショップ」が開催され、日中における地球温暖化対策の現状、エネルギーと温室効果ガス排出のシナリオ、分野別の取り組み、政策決定に貢献しうる日中の研究協力のあり方等について、両国の政策担当官・研究者が意見交換を行いました。

 「気候変動に係る日中政策研究ワークショップ」は、気候変動に関する日中の研究面からの知見について、それぞれの国の政策担当官・研究者が意見交換を行う会議です。我が国からは環境省、地球環境戦略研究機関(IGES)、国立環境研究所、東京大学、中国からは能源研(中国国家発展改革委員会エネルギー研究所;ERI)、交通運輸部計画研究院、中国科学院(CAS)、人民大学、清華大学、北京交通大学、南京大学、Ecofys等から政策担当官、研究者が参加しました。環境省では、引き続き、中国と気候変動に関する意見交換等を進めていく予定です。

1.開催地

中国・北京

2.開催日

平成24年10月18日(木)

3.議題

日中における地球温暖化対策の現状、エネルギーと温室効果ガス(GHG)排出のシナリオ、分野別の取り組み、政策決定に貢献しうる日中の研究協力のあり方 等

4. 概要

 中国からは、能源研の研究者らより、第11次五カ年計画の評価、第12次五カ年計画における低炭素開発に関する取り組み、2度目標を見据えたピークアウト・中長期的な削減の見込み、地方レベル(特に北京、上海、広東)での排出権取引の試行状況、交通・建築物の分野におけるGHG排出削減の見通しや低炭素政策の取り組み等について発表がなされました。我が国からは本年7月に導入された固定買取価格制度、今月施行された地球温暖化対策税の温暖化対策の現状、エネルギー革新戦略の概要と今後の見通し、東日本大震災後のエネルギーとGHG排出のシナリオ、電力、鉄、交通等の分野における現在の低炭素に向けた取り組みと見通し等、我が国の政策の検討・実施状況を紹介しました。
 それぞれの発表内容について活発な意見交換が行われるとともに、最後のセッションでは、日中両国の政策決定に貢献しうる日中の研究協力の題材として、中国からは、北京含む地域レベル及び国レベルの排出権取引のあり方、交通分野における東京の取り組み(PPP手法など)や建築物の分野における先進国(EUや日本等)の政策からの教訓を学ぶこと等が挙げられ、日本からは、先進国の教訓から学ぶだけでなく、2050年GHG半減を目指した新たな手法を開発することも重要である旨、発言しました。議論の結果、交通や建築物の分野、排出権取引、炭素税、固定買取価格制度等の政策ツール、低炭素都市等について、日中両国で温暖化対策を進展させていく意味でも、研究者からの積極的な提案が必要であることを確認するとともに、今後具体的な研究協力のありかたについて検討していくこととしました。

※発表資料等はIGESのウェブサイト(www.iges.or.jp/)にて近日中に公表される見込みです。

連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策室
直通:03-5521-8330
     代表:03-3581-3351
室長  :新田 晃    (6772)
交渉官:大井 通博  (6773)
補佐  :浦上 亜希子 (6994)