報道発表資料

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2013年10月03日
  • 自然環境

「平成25年 未承認遺伝子組換えパパイヤの生育実態調査」の結果について(お知らせ)

 農林水産省と環境省は、平成23年4月に国内に流通し栽培されていたことが発覚したカルタへナ法(*)上未承認の遺伝子組換えパパイヤについて、平成24年に引き続き、平成25年3月から7月にかけて、沖縄県内の道ばたや空き地等での生育実態を調査しました。

(1)
道ばた等にパパイヤ48個体が生育していました。このうち、検査できたのは40個体でした。
(2)
検査した40個体は全て非遺伝子組換え体でした。

農林水産省と環境省は、平成26年も、道ばたや空き地における当該遺伝子組換えパパイヤの生育実態を調査します。

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号)

1.調査の背景・趣旨

(1)
 我が国では、遺伝子組換え農作物について、カルタへナ法に基づいて、事前に生物多様性への影響を科学的に評価し、影響を生ずるおそれがないと認めた場合にのみ、その輸入や栽培を認めています。
(2)
 平成23 年4月21 日、「台農5号」(*1)という名称で、国内で流通していたパパイヤ種苗が我が国で未承認の遺伝子組換え体(*2)であることが判明しました。当該遺伝子組換えパパイヤについて、農林水産省と環境省は、我が国の生物多様性への影響は低いとの見解を示しました。
(3)
 平成23年12月末までに、当時商業栽培されていた、当該遺伝子組換えパパイヤと特定された約8,000本強は、沖縄県の指導の下、全て伐採されました。
(4)
 平成24年2月から9月にかけて、農林水産省と環境省は、我が国の自然環境下における当該遺伝子組換えパパイヤの生育の実態を把握する観点から、沖縄県内の36箇所で、道ばたや空き地におけるパパイヤの生育実態を調査しました。その結果、道ばた等に生育していたパパイヤ69個体のうち、3%にあたる2個体が当該遺伝子組換えパパイヤでした。
*1
台湾当局からの情報では、台農5号は遺伝子組換え体ではない通常の品種として、交雑育種により昭和62年に開発されました。我が国に輸入された未承認の遺伝子組換え体である品種については、本来の台農5号と区別するため、「」を付け、「台農5号」と記載しています。
*2
台湾で研究中の遺伝子組換えパパイヤの導入遺伝子と同様の塩基配列を持つが、研究中のものは台農2 号を組み換えているのに対し、当該遺伝子組換えパパイヤは台農5号を組み換えたものと考えられます。パパイヤリングスポットウイルス1系統への耐性を持っています。

2.調査方法

 平成25年3月から7月にかけて、沖縄県の13 のほ場(*3)を中心とした半径600m圏内の、日当たりの良い場所(道ばた、空き地、荒地、草原、林縁など)を対象として、パパイヤの生育個体数を把握し、採取した葉を用いて遺伝子検査を実施しました。

*3
平成24年に選定した36のほ場のうち、その周辺400 m圏内で、庭先も含めて当該遺伝子組換えパパイヤが人為によらずに生育していた 11のほ場と、市町村から要望のあった2ほ場

3.調査結果

道ばた等に48個体のパパイヤが生育していました。このうち、遺伝子検査用の葉を採取できたのは40個体(注)でした。
検査した40個体は全て非遺伝子組換え体でした。
(注)
8個体は、葉がない、崖の縁に生育している等の理由から葉を採取できませんでした。

4.今後の対応

 農林水産省と環境省は、平成26年も、道ばたや空き地における当該遺伝子組換えパパイヤの生育実態を調査します。

参考

平成23年2月22日付けプレスリリース「未承認の遺伝子組換えパパイヤの種子の混入に関する検査の実施について」
https://www.env.go.jp/press/13514.html
平成23年4月21日付けプレスリリース「未承認の遺伝子組換えパパイヤの種子の混入に関する検査結果について」
https://www.env.go.jp/press/13703.html
平成25年3月26日付けプレスリリース「未承認遺伝子組換えパパイヤの生育実態調査」の結果について
https://www.env.go.jp/press/16488.html

<別紙資料>
・平成25年 未承認遺伝子組換えパパイヤの生育実態調査の結果

5.お問い合わせ先

消費・安全局農産安全管理課 担当者:吉尾、勝田
代表:03-3502-8111(内線4510) ダイヤルイン:03-6744-2102
FAX:03-3580-8592
環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室 担当者:東岡、岡部
代表:03-3581-3351(内線6683) FAX:03-3581-7090

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
直通   :03-5521-8344
代表   :03-3581-3351
室長   :関根 達郎(内:6680)
室長補佐:東岡 礼治(内:6681)
担当   :岡部 佳容(内:6683)

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