報道発表資料

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2011年02月22日
  • 自然環境

未承認の遺伝子組換えパパイヤの種子の混入に関する検査の実施について

 「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)に基づく承認を得ていない遺伝子組換えパパイヤの種子混入の可能性を示す分析結果を受けて、農林水産省が、海外から輸入される種子や種苗会社の保有する種子について早急に検査することとなりましたのでお知らせします。

1 今回の経緯

国立医薬品食品衛生研究所(以下「国衛研」という。)が食品衛生法上で未審査である遺伝子組換えパパイヤの検査法を開発する過程において、沖縄県内の農産物直売所やホームセンターで販売されていた生果実及び苗を試験的に分析したところ、その一部にカルタヘナ法で未承認の遺伝子組換え体が混入している可能性を示す分析結果が得られたとの情報が、昨年12月、厚生労働省から農林水産省へ提供されました。
情報提供を受けた農林水産省は科学的信頼性の高い種子の検査法を確立した(苗の検査法は開発中)上で、その検査法により、国衛研が分析した生果実8検体のうち、1検体(品種不明)から採取した種子について、遺伝子組換え体であることを確認しました。

2 今回確認された遺伝子組換えパパイヤの種子について

パパイヤリングスポットウイルスによる病害への耐性を持たせるために台湾で研究中の遺伝子組換えパパイヤの導入遺伝子と、同様の塩基配列を持つ種子が、沖縄県内で販売されていた生果実1検体から確認されたもの。
カルタヘナ法では、遺伝子組換え生物を環境中で使用(栽培、販売等)する者は、事前に我が国の生物多様性への影響について評価し、主務大臣(農作物の場合、農林水産省及び環境省)の承認を得なければならないとされていますが、現在、国内で承認されている遺伝子組換えパパイヤはありません。
 なお、米国で開発されたパパイヤリングスポットウイルス抵抗性遺伝子組換えパパイヤについては、平成22年3月の生物多様性影響評価検討会における検討の結果、生物多様性への影響を生じるおそれはないとの学識経験者の意見が示されており、他法令の審査終了を待って承認する予定です。(日本版バイオセーフティクリアリングハウス 意見募集実施(第42回)済み案件参照 http://www.bch.biodic.go.jp/bch_3_1_8.html

3 今後の対応

 生物多様性への影響を防止するため、台湾当局からの科学的情報の収集、学識経験者からの意見聴取をはじめ、農林水産省と連携し、必要な措置を講じます。また、遺伝子組換えパパイヤによる我が国の生物多様性への影響については、別紙「農林水産省及び環境省の共同見解」を参照してください。

 なお、農林水産省においては以下の対応を実施することとしています。

今般確立した種子の検査法を用い、海外から輸入される種子について、水際で、モニタリング検査を実施。検査の結果、遺伝子組換え体が見つかった場合には、その事実を公表するとともに、当該種子を処分。
種苗会社が保有する種子について、遺伝子組換えパパイヤの種子が含まれていないか早急に検査。
この検査の結果、遺伝子組換え体が見つかれば、未販売の場合にはその流通を止め、販売済みの場合には、種苗会社から該当する品種の販売先を聴き取り、当該品種を栽培しているほ場のパパイヤを検査。検査した種子の品種が遺伝子組換え体を含むか含まないかについて、公表。

4 備考

 遺伝子組換えパパイヤの食品としての安全性については、別途、「食品安全基本法」及び「食品衛生法」により審査される仕組みがあります。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8344)
室長:牛場 雅己(内:6980)
室長補佐:宇賀神 知則(内:6983)
担当:平野 淳(内:6982)

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