報道発表資料
環境省では、排出事業者が処理業者に対して、産業廃棄物の処理を委託する際に提供する廃棄物情報のあり方を示す「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」を平成18年に策定しています。
昨年、利根川水系における取水障害の事案の発生を受け、廃棄物情報の伝達について、さらなる具体化及び明確化を図るため、廃棄物データシート(WDS)の記載内容を見直すなど、「廃棄物情報の提供に関するガイドライン(第2版)」として改訂を行いましたのでお知らせします。
1.改訂の背景
廃棄物を適正に処理するため、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)に定める産業廃棄物の委託基準では、産業廃棄物の排出事業者は、適正処理のために必要な廃棄物情報を処理業者に提供することとされており、環境省では、必要な廃棄物情報を具体的に説明するため、「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」を策定・公表しているところです。
しかし、平成24年5月に利根川水系の複数の浄水場で水道水質基準を上回るホルムアルデヒドが検出された事案では、排出事業者が処理を委託した廃液に、ホルムアルデヒドの前駆物質であるヘキサメチレンテトラミンが高濃度に含まれていることが処理業者に伝達されず、適切な処理が行われなかったことが原因であると強く推定されました。このため、こうした事案の再発防止と、排出事業者から処理業者への情報伝達についてのさらなる具体化・明確化を図るため、当該ガイドラインについて、必要な内容の見直しを行いました。
2.改訂内容の概要
(1)情報提供が必要な項目の追加
廃棄物情報が必要な項目を整理し、次の項目を追加するとともに、廃棄物データシート(WDS)の様式を見直したこと。
[1]PRTR対象物質、[2]水道水源における消毒副生成物前駆物質、[3]関連法規(危険物等)
(2)双方向コミュニケーションの重要性を強調
廃棄物の情報は、排出事業者から処理業者への一方通行ではなく、情報のやり取りを通してより正確な情報となり、当該廃棄物の適正処理が可能となることを認識し、排出事業者及び廃棄物処理業者がともに本ガイドラインの活用により、コミュニケーションを活発に行うことが重要であるとしたこと。
(3)対象廃棄物の整理
外観から含有廃棄物や有害特性が判りにくい汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリの4品目を主な適用対象と明記し、廃棄物の性状が明確で、環境保全上の支障のおそれのない廃棄物に関しては、WDS以外の情報の提供でも可能としたこと。
(4)情報提供の時期
WDSは、基本的には契約時に提供し、契約書に添付するものであるが、新規の廃棄物処理に際して受入れの可否判断や処理に必要な費用の見積りのために排出事業者から処理業者へWDSを提供、あるいは処理業者と共同作成により情報を共有し、双方が確認、署名した上で契約書に添付することが望ましいとしたこと。
なお、「廃棄物情報の提供に関するガイドライン(第2版)」の本文は、環境省ホームページ
(https://www.env.go.jp/recycle/misc/wds/index.html)において公表しています。
(参考)廃棄物処理法施行規則第8条の4の2(委託契約に含まれるべき事項)
- 一~五
- (略)
- 六
- 委託者の有する委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な次に掲げる事項に関する情報
- イ
- 当該産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項
- ロ
- 通常の保管状況の下での腐敗、揮発等当該産業廃棄物の性状の変化に関する事項
- ハ
- 他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
- ニ~ホ
- (略)
- ヘ
- その他当該産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
- 七~九
- (略)
添付資料
- 連絡先
- 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
代表:03-3581-3351
直通:03-5501-3156
課長:塚本 直也(内線 6871)
補佐:袖野 玲子(内線 6873)
担当:梶川 浩二(内線 6873)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成18年4月28日
- 「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」の策定について