報道発表資料

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2013年05月24日
  • 総合政策

西名古屋火力発電所リフレッシュ計画環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、西名古屋火力発電所リフレッシュ計画環境影響評価準備書について、本日付けで経済産業大臣に対し、本事業による二酸化炭素排出量の更なる低減等を求める環境大臣意見を提出した。
 なお、本件は、火力発電所の環境アセスメントについて、国の審査期間短縮を実現した初の案件であり、関係自治体の協力を得て、環境影響評価準備書段階の審査期間を約90日間短縮する(従前:270日程度、今回:180日程度)ことができる見込みである。これは、昨年11月に公表した「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議中間報告」(環境省・経済産業省)で取り組むこととした火力発電所リプレースの審査プロセスにおける国の審査期間短縮の取組を実施したものである。

1.
 環境省は、西名古屋火力発電所リフレッシュ計画(事業者:中部電力株式会社)環境影響評価準備書について、環境の保全の見地からの意見を求められたことから、本日付けで経済産業大臣に対し、別紙のとおり環境大臣意見を提出した。
2.
 本事業は、中部電力株式会社が所有する、重油等を燃料とする西名古屋火力発電所構内の旧施設を撤去した後、天然ガスを燃料とする最新式の1,600℃級ガスコンバインドサイクル発電施設を設置するものである。
 本発電所の発電総出力は増大するものの、発電電力量あたりの二酸化炭素排出量は現時点の火力発電設備の中では最も低い水準に低減され、適切な運転管理及び設備管理や本発電所並びに設備利用率を高い水準とし、発電効率の悪い他の発電所の設備利用率を低い水準とすることにより、事業者全体で見れば二酸化炭素排出量の削減が見込まれる。

環境大臣意見の概要

(1)
 本事業による二酸化炭素排出削減効果を早期に発揮するため、本事業を着実に進め、できる限り早期の運転開始を目指すこと。
(2)
 事業者は、当該設備が事業者の所有する火力発電所の中で二酸化炭素排出原単位が最も低い水準である間、当該設備の利用率をできる限り高い水準に保ち、事業者が保有する他の発電所との稼働分担を適切に行うなどにより、事業者全体による二酸化炭素排出の一層の削減に努めること。
(3)
 事業者は、今後新たな地球温暖化対策計画が策定され、同計画と整合した電力業界全体の枠組が構築された後にはこれに遅滞なく参加し、当該枠組の下で計画的に二酸化炭素排出削減に取り組む意向であり、当該枠組みの下、確実に二酸化炭素排出削減に取り組むこと。
(4)
 本発電設備は、二酸化炭素分離回収設備の実用化に向けた技術開発を含め、今後の革新的な二酸化炭素排出削減対策についても継続的に検討を進めること。

[参考]

○事業概要
・名称 西名古屋火力発電所リフレッシュ計画
・事業者 中部電力株式会社
・計画位置 愛知県海部郡飛島村東浜3丁目5他(中部電力西名古屋発電所構内)
・燃料 天然ガス(現状:重油、原油、ナフサ・原油混合)
・発電方式 ガスタービン及び汽力(コンバインドサイクル発電方式(多軸式))
・出力 231.6万kW(現状:119万kW)
・CO2排出原単位 0.341kg-CO2/kWh(現状:0.642kg-CO2/kWh)
 
○環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)
【方法書の手続】
・縦覧 平成23年3月11日~平成23年4月11日(住民意見51件)
・愛知県知事意見提出 平成23年8月2日
・経済産業大臣勧告 平成23年9月2日
【準備書の手続】
・縦覧 平成24年12月14日~平成25年1月15日(住民意見175件)
・愛知県知事意見提出 平成25年5月20日
・環境大臣意見提出 平成25年5月24日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
(代表:03-3581-3351)
       (直通:03-5521-8237)
室長   :田中 紀彦 (内6231)
室長補佐:横井三知貴(内6233)
審査官  :柏谷 和久 (内6253)

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