報道発表資料

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2000年02月28日

第2回日中韓三カ国環境大臣会合(北京)の結果について

1.概要

  清水嘉与子環境庁長官、解振華(かい・しんか)中国国家環境保護総局長、金明子(
キム・ミョン・ジャ)韓国環境部長官は、北京で平成12年2月26日及び27日に第2
回の三カ国環境大臣会合を行い、具体的な3カ国環境協力プロジェクトを進めることを含
めた共同コミュニケ(別添)に署名した。また、3カ国大臣は、会合に先立ち、朱鎔基総
理を表敬訪問した。

2.主な成果

(1)三大臣のイニシアティブとして、「環境共同体意識の向上」、「淡水(湖沼)汚染
防止」、「陸上起因の海洋汚染防止」、「環境産業分野」において、今後、3カ国共同環
境協力プロジェクト(TEMMプロジェクト)を形成・推進していくことを決定した。あ
わせて、その具体化に向けての検討を実務者レベルで進めていくことに合意した。
   また、中国の最重要課題である中国西部の生態系修復等に関連して、3国共同で協
力していくということにつき意見の一致をみた。

(2)気候変動問題で3大臣は、前回コミュニケに示された、各国の国内対策の強化が具
体的に進展したことを評価し、気候変動枠組み条約の全ての締約国が国内対策と国際協力
をいっそう強化すべきであること、また、3カ国がCOP6の成功のために努力し、京都
議定書の可能な限り早期に発効させる意向で一致。

(3)日中韓環境大臣会合が、地域の環境協力及び持続可能な開発を促進するための重要
なフォーラムであり、ESCAP環境大臣会議、リオ+10をはじめとした今後開催され
る重要な環境関連会議へ3大臣が積極的に貢献すべきとの意見で一致した。
   これに関連し、清水大臣より、4月に我が国で開催されるG8環境大臣会合へ本会
合の成果を伝えること、3国共同でインターネット等で情報発信することを提案した。

(4)リオ+10(地球サミット以降10年間のアジェンダ21の実施状況をレビューす
る国連の会合)のあり方について、率直な意見交換を行った。清水大臣より、リオ+10
は、首脳レベルでの開催、及び、国連本部以外での開催を検討することが重要と述べたこ
とに対し、韓国側はアジア開催が有意義であると考えていること、中国側は積極的な参加
の準備をしていることが明らかになった。

3.その他

 ・次回は日本が開催することとし、時期については今後調整することを決定した。

 ・朱総理への表敬訪問の際、朱総理は砂塵や酸性雨等が国境を越える問題であるとの認
識を示しつつ、3国の協力と交流が重要であること、この意味で、本会合は大変重要であ
ると激励した。

(参考)
 ○今回の訪中日程
   2月26日(土) 
    ・北京入り
    ・3大臣で朱鎔基総理を表敬訪問
    ・日中韓三カ国環境大臣会合 第1セッション
    ・解振華中国国家環境保護総局長主催晩餐会
   2月27日(日)
    ・日中韓三カ国環境大臣会合 第2セッション
    ・コミュニケ署名式
    ・合同記者会見
     (ここで三カ国大臣会合は終了)
    ・谷野大使主催昼食会
     (同時に招かれた、王志宝(おう・しほう)国家林業局長とトキ保護協力につ
いて懇談)
    ・帰国

 ○経緯
  ・本会合は、日本の積極的な調整もあって、韓国が主催して第1回日中韓環境大臣会
合を、昨年1月13日に開催したことに始まる。
  ・第1回会合では、地域、ひいては、地球規模の環境問題の解決に、日中韓が主導的
役割を果たすこと、日中韓3カ国環境大臣会合を継続発展させること、6つの優先環境協
力分野を定めるなど、3カ国間での環境協力の推進、強化をうたったコミュニケに署名し
た。

 (参考) 6つの優先環境協力分野
   {1}環境共同体意識の向上
   {2}情報交換の活発化
   {3}環境研究協力
   {4}環境産業・環境技術の協力
   {5}大気汚染防止・海洋環境保全の対策の探求
   {6}地球環境問題への対応


添付資料

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境協力室
室  長:田口 博之(6742)
室長補佐:大村  卓 (6744)