報道発表資料
4月7日(金)から9日(日)まで、滋賀県大津市において、G8環境大臣会合が開催された。
今回の会合では、「気候変動」、「21世紀の持続可能な開発とリオ+10」、「環境と健康」等の国際社会が直面する主要な環境問題について議論が行われ、その成果がコミュニケとして取りまとめられた。
本会合の成果は、議長を務めた清水嘉与子大臣から、本年7月の九州・沖縄サミットの議長である森 喜朗内閣総理大臣に報告される予定である。
今回の会合では、「気候変動」、「21世紀の持続可能な開発とリオ+10」、「環境と健康」等の国際社会が直面する主要な環境問題について議論が行われ、その成果がコミュニケとして取りまとめられた。
本会合の成果は、議長を務めた清水嘉与子大臣から、本年7月の九州・沖縄サミットの議長である森 喜朗内閣総理大臣に報告される予定である。
1.概 要
(1)日 時 平成12年4月7日(金)~9日(日)
(2)場 所 滋賀県大津市
(3)出席者
日本(議長国) | 清水嘉与子 国務大臣環境庁長官 |
カナダ | デイビッド・アンダーソン 環境大臣 |
フランス | ドミニク・ヴォワネ 国土開発・環境大臣 |
ドイツ | ユルゲン・トリッティン 連邦環境・自然保護・原子力安全大臣 |
イタリア | エド・ロンキ 環境大臣 |
ロシア | ヴィクトル・ダニロフ-ダニリアン 環境保護国家委員会議長 |
英 国 | ジョン・プレスコット 副首相兼環境・運輸・地域大臣 |
米 国 | W.マイケル・マッケイブ 環境保護庁副長官(代理出席) |
欧州委員会 | マルゴット・ヴァルストロム 環境担当委員 |
なお、国連環境計画からテプファー事務局長が一部セッションに出席
2.会合の概要
G8各国の環境担当大臣及び欧州委員会環境担当委員は、新たな千年紀を目前に控えて開催された会合として、依然として悪化している環境や枯渇しつつある自然資源の状況に鑑み、これまでの経済発展パターンを改め、21世紀において持続可能な開発を達成するため、現在直面する環境問題を議論した。
議論の主要なテーマは、気候変動、21世紀における持続可能な開発とリオ+10及び環境と健康であった。開催地滋賀県で熱心な取組が行われている淡水問題、これまでの会合で取り上げられた海洋、バイオセイフティ議定書、貿易と環境、輸出信用機関における環境配慮、多国間環境協定と組織犯罪についても取り扱われた。
議論の結果は、コミュニケとして取りまとめられた。
別紙:コミュニケ及び同仮訳
3.コミュニケの概要
(1)気候変動
A. | 京都議定書の早期発効のためのCOP6の成功、温暖化対策のための地球規模の行動の更なる促進 | |
・ | COP6の成果によってできるだけ早く京都議定書の批准・発効を促進すること。ほとんどの国々にとって、これは遅くとも2002年までにということを意味する。 | |
・ | COP6の成功のために、閣僚レベルの会合を最大限活用すること | |
・ | キャパシティ・ビルディングや技術移転を進めるために先進国と途上国のパートナーシップを強化すること | |
B. | G8各国による地球温暖化国内対策の強化 | |
・ | G8各国は温室効果ガスの排出を削減する国内的措置を開始しており、今後何年かの内に明らかな前進を示すこと。京都メカニズムが国内的措置を補完するものとなることを確認。 | |
・ | 市場の機会と利点を活用するとともに市場に適切なシグナルを送ることは、温暖化対策を効果的に進める上で重要。あらゆる部門が、気候変動対策に関連するビジネスチャンスを十分に活用することを奨励すること | |
・ | 各国の優良事例の経験交流を行ったG8環境未来フォーラムの提言を歓迎し、更に他の国々の経験から学ぶために情報交換を継続すること |
(2)21世紀における持続可能な開発とリオ+10
A. | 21世紀における持続可能な開発 | |
・ | 経済開発と環境への圧力の増大の関係を断ち切り、自然資源を賢明に利用しながら、20世紀の持続不可能な発展パターンと訣別すること。開発が持続可能な形で行われるようにすることが必要であること | |
・ | 資源効率の向上と、ライフサイクル・アプローチによる廃棄物最小化、リユース、リサイクル、廃棄物の適正処理の推進。 | |
・ | 淡水は貴重な資源であり、流域における環境保全上健全な水資源管理を推進。国際的な淡水資源アセスメントを推進し、開発途上国を支援。ハーグ閣僚宣言を歓迎。 | |
・ | 森林に関する政府間パネル及び政府間フォーラムの行動提案を直ちに実施に移すよう各国に強く促す。 | |
・ | エネルギー効率の向上と環境保全上健全なエネルギー・ミックスを推進。再生可能エネルギーの競争力を改善する措置を推進。途上国の持続可能なエネルギー供給を拡大。 | |
・ | 消費者の環境意識の向上、政府のグリーン調達を推進。あらゆる部門に対し、自らの活動を環境保全型に変革するための取組を奨励。経済的措置、規制及び自主的取組を含むポリシー・ミックスによって対策の全体効果を高める。 | |
・ | あらゆる利害関係者の全面的な参加。地域レベルの努力を歓迎。国際的な経験交流を奨励。 | |
B. | 環境分野における国際的な枠組みの強化 | |
・ | 国連における環境管理グループの早期設置を期待。環境関連国際条約の連携改善のための取組を進める。 | |
・ | 環境協定・環境機関の枠組みを通じ、グローバリゼーションが持続可能な開発を支えることを保証する努力を強化。多国籍企業が持続可能な開発を率先して推進するよう求める。 | |
C. | リオ+10 | |
・ | リオ+10は、持続可能な開発を加速するための具体的戦略を策定し、より強力なパートナーシップを確立すべき。 | |
・ | リオ+10は地球サミットと同様の首脳レベルの会議とすることに考慮が払われるべきである。途上国で開催しようという提案に関心を持って留意する。 |
(3)環境と健康
・ | 予防的アプローチを反映。子供、妊婦、高齢者などの環境弱者の保護を重視。 | |
・ | 有害化学物質によるリスクはG8諸国の最大の関心事項の一つ。ダイオキシンの総合対策の実施、共同プロジェクトによる環境ホルモンの科学的知見の整備、PRTRに関する情報交換 | |
・ | 地球規模の汚染に対応するため、ロッテルダム条約の早期発効とPOPs条約の2000年までの合意を目指す。 |
(4)これまでのG8環境大臣会合のフォローアップ
・ | 海洋に関するCSDの決定の実施に取り組む。ロンドン条約の1996年議定書の早期発効に向け努力。地域海行動計画の活性化。 | |
・ | バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書の早期発効のために努力。 | |
・ | 次期貿易ラウンドに環境問題の検討を含めるとともに、貿易大臣と協力して貿易と環境に関する議論を前進させる。開発途上国の対応能力の強化。 | |
・ | 輸出信用機関の活動における環境配慮の推進について、本年2月の輸出信用・信用保証に関するOECD作業部会での行動声明及び作業計画を歓迎。 | |
・ | 多国間環境協定違反と戦う必要性を認識。関係国際機関及び開発途上国との協力により、対策を促進。 |
添付資料
- 連絡先
- 環境庁企画調整局地球環境部G8環境大臣会合準備室
室 長 :木村祐二(6284)
補 佐 :尾川 毅(6721)