報道発表資料
環境省は、1月19日(土)に長野県塩尻市において、生物多様性の保全に関心のある市民、企業、NPO/NGO及び自治体の方々を対象に、「生物多様性地域連携促進セミナー」を開催しました。
UNDB-Jキャラクター「タヨちゃん、サトくん」と長野県キャラクター「めぐるん」による「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」、(公財)山階鳥類研究所名誉所長山岸哲氏による特別講演、農山村支援センター事務局長竹田純一氏による講演のほか、地域での活動事例の発表やワークショップ・パネルディスカッションを行いました。
今後、兵庫県(2月9日)においても「生物多様性地域連携促進セミナー」の開催を予定しています。
概要
- 1.日時
- 平成25年1月19日(土)10:30~16:00
- 2.会場
- 塩尻総合文化センター 講堂 (長野県塩尻市大門七番町3番3号)
- 3.主催等
-
- 主催:
- 環境省
- 共催:
- 長野県、国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、
生物多様性自治体ネットワーク
- 4.出席者数
- 約140名
開催結果
1.開会挨拶
![]() 環境省 松本自然環境事務所 所長 森 一弘 |
![]() 長野県 環境部 自然保護課 課長 市村 敏文 氏 |
2.生物多様性キャラクター応援団共同宣言式
UNDB-Jキャラクター「タヨちゃん、サトくん」と長野県キャラクター「めぐるん」が、今後協力して生物多様性に関する普及啓発に取り組むため「生物多様性キャラクター応援団共同宣言」を行いました。
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UNDB-Jキャラクター「サトくん」(中央右) UNDB-Jキャラクター「タヨちゃん」(中央左) 長野県キャラクター「めぐるん」(中央) |
3.特別講演 「トキはなぜ禿げたか -生物多様性と地域連携-」
![]() 山岸 哲 氏 (公益財団法人山階鳥類研究所名誉所長/ 兵庫県立コウノトリの郷公園園長) |
![]() 場内の様子 |
佐渡島におけるトキの保全では、地域住民の活動が重要な役割を果たしたことを民俗学的、人文学的資料を基に解説し、生物多様性の保全活動における地域住民の重要性についてお話を頂きました。また、トキが生息する生きもののつながりの中には人間も含まれているという生物多様性の概念について解説して頂きました。
4.多様な主体の連携による生物多様性保全活動の意義
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農山村支援センター事務局長/里地ネットワーク事務局長/ 内閣官房地域活性化伝道師/東京農業大学学術研究員 竹田 純一 氏 |
里地里山は、自然の恵み・生態系サービスを活かした暮らしが営まれてきた環境であり、数十年前までの日本人の生活基盤となっていた環境であること、そして、その里地里山を利活用する生活スタイルが消失しつつある時代環境の中で、里地里山の多様な生態系の保全のためには、異なる立場の人々が異なる視点で活動することが重要とのお話がありました。そして、多様な主体が連携するためには、分かりやすい目標と具体的な行動計画が必要なことなどの具体的なアドバイスをいただいたほか、全国の活動事例について紹介していただきました。
5.生物多様性地域連携促進法のあらましと生物多様性をめぐる最近の話題
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「生物多様性国家戦略2012-2020」の策定やUNDB-Jの活動状況などについて紹介したほか、生物多様性地域連携促進法の目的や制度のあらましについて説明しました。 |
環境省 生物多様性施策推進室 室長補佐 常冨 豊 |
6.地域での活動事例の発表
(1)希少なチョウの舞う里山『いいやま』
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教育委員会が中心となって地域で実施されている地域連携活動の事例の紹介をいただき、地域連携することによるメリットや今後の活動計画について、実際に地域連携に取り組まれている自治体の立場からご説明をいただきました。 |
月岡 伸太郎 氏(飯山市教育委員会学習支援課 係長 |
(2)浅間山麓における地域連携による生物多様性の保全活動
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NPOが中心となり、上信越高原国立公園において、風景地保護協定を環境省と結び、動植物の保護、景観保全、人材育成などの環境保全活動を実施されている実例を紹介され、自然環境の保全と観光振興の両立など、今後の課題についてご説明をいただきました。 |
橋詰 元良 氏(NPO法人浅間山麓国際自然学校 代表理事) |
(3)信州・信濃町癒しの森事業と生物多様性との関わり
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地元の自然資源を活用し、官民共同で実施されている癒やしの森事業について、活動の経緯や具体的な内容に加えて、ガイド事業の導入など経済的にも持続的な活動にするための課題などについてご説明をいただきました。 |
小池 克英 氏(信濃町産業観光課 主事) |
(4)生き物に関心を示さない農家のために
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田んぼの生物多様性を守る主体は農家であり、生物多様性保全に関して農家の役割が大きいことを強調されました。そして農家が自身の田んぼや地域の文化を大切にする気持ちが強くなれば、心にゆとりがうまれ、田んぼの生きものに興味が湧き、生物多様性を守ることにつながることをご説明をいただきました。 |
小川 文昭 氏(ひとむしたんぼの会) |
7.ワークショップ・パネルディスカッション
■ワークショップ
事例発表ごとの4つのグループに分かれて、多様な主体の連携による生物多様性保全活動を進めるために、「それぞれの立場で何ができるか」、「既存の取り組みをさらに展開するためにどうすれば良いか」というテーマで、発表者・参加者を交えて意見交換を行いました。
■パネルディスカッション
ファシリテーター:竹田 純一 氏
パネリスト:山岸 哲 氏、月岡 伸太郎 氏、橋詰 元良 氏、小池 克英 氏、小川 文昭 氏
ワークショップで集約された意見の報告と更なる展開について議論を行いました。パネリストからは、ワークショップでの意見として、連携活動のさらなる展開には自治体間や自治体内での横断的な情報共有、職員の現地活動への参加、ICT技術の活用、消費者による生産物の買い支えなどが重要との報告がありました。
山岸氏からは、この種の地域活動に参加したいと考える研究者は多く、是非、皆さんから声をかけて頂きたい、また、トキの保護活動の経験から定期的に計画を見直して進むべき方向を修正していくことが重要とのコメントがありました。また、竹田氏からは、本日の事例発表が各地での活動に大変参考になると述べた上で、活動内容が修正しやすい活動計画としておくと良いとのコメントがありました。
![]() ワークショップでの意見交換 |
![]() パネルディスカッションの様子 |
■参加した活動団体によるブース出展
![]() ブース出展の様子 |
![]() 意見交換の様子 |
セミナーの会場では、NPO/NGOや民間企業、農業団体、行政など10の活動団体が、それぞれの取組を紹介するパネルを展示しました。各パネルの前では取組の課題等についての意見交換が行われました。
【参考】
- ○
- 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(生物多様性地域連携促進法)
生物多様性は地域の自然的・社会的条件に応じて保全されることが重要であることから、地域における多様な主体が連携して生物多様性の保全活動を行うことを促進し、豊かな生物多様性を保全することを目的として、平成22年12月10日に制定され、平成23年10月1日に施行されました。
(ウェブサイト)
https://www.env.go.jp/nature/biodic/act_promo/index.html - ○
- 国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)
愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を推進するため2011年9月に設立されました。
(ウェブサイト)http://undb.jp/ - ○
- 生物多様性キャラクター応援団
国民一人ひとりに生物多様性に対する認知や理解を広げ、国民運動として生物多様性に関する取り組みを促進するため、2012年9月、UNDB-Jの広報組織として「生物多様性キャラクター応援団」を旗揚げしました。広く様々なキャラクターからの入団申請を募集中です。生物多様性全国ミーティングや生物多様性地域セミナー等における「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」の実施、様々なイベントやウェブサイト、生物多様性マガジン「Iki・Tomo(イキトモ)」での情報発信など、積極的な広報活動を行います。
(ウェブサイト)http://undb.jp/public/index.html
- 連絡先
- 環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性施策推進室
代表 :03-3581-3351
直通 :03-5521-9108
室長 :牛場 雅己(内:6660)
室長補佐:山内 洋志(内:6662)
担当 :笹渕 紘平(内:6663)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成24年12月21日
- 生物多様性地域連携促進セミナー in 北海道の開催結果について(お知らせ)
- 平成24年11月15日
- 生物多様性地域連携促進セミナー in 北海道の開催について(お知らせ)