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2013年01月18日
  • 総合政策

松阪市白猪山ウインドシステム発電事業に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 「松阪市白猪山ウインドシステム発電事業」(三重県松阪市)に係る環境影響評価準備書について、本日付けで経済産業大臣に対し、環境影響評価項目の再検討、重要な植物種に対する回避又は低減措置の検討、環境保全措置及び事後調査等を求める環境大臣意見を提出した。

1.背景

 平成24年10月1日より、環境影響評価法(平成9年法律第81号。以下「法」という。)の対象事業として風力発電所の設置又は変更の工事の事業が追加された。
 これを受けて、同年11月1日付けで「松阪市白猪山ウインドシステム発電事業」(三重県松阪市。中部風力発電株式会社。)に係る環境影響評価準備書について、電気事業法(昭和39年法律第170号)に基づき、経済産業大臣から環境大臣に対して、環境の保全の見地からの意見の照会があったため、これを提出するものである。
 今後、事業者には、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。

2.環境大臣意見の概要

(1)法及び関係法令等に従った環境影響評価書の作成について

  • 環境影響評価書の作成に当たっては、法及び発電所主務省令※等関係法令に従い、必要な事項を遺漏なく記載すること。
  • 特に、本準備書においては、対象事業の目的及び内容について詳細が記載されておらず、基本的な諸元が不足していることから、それらを評価書作成までに確定し、再度、予測及び評価を見直し、環境保全措置の検討に当たって環境影響の回避・低減に努めること。
発電所主務省令:「発電所の設置又は変更の工事の事業に係る環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令」(平成10年通商産業省令第54号)

(2)事業計画変更に係る適切な環境影響評価の実施について

  • 景観への配慮等のために事業計画を変更し、風力発電設備を17基から11基に減らすとともに、一部の風力発電設備の配置も変更されているため、騒音・低周波音、動物、植物、生態系及び景観について、変更後の事業計画に基づいて適切な環境影響評価を実施すること。

3.環境影響評価の項目の選定の再検討について

  • 本事業に係る事業特性及び地域特性を適切に整理した上で、環境影響評価項目の選定について再検討すること。
  • 特に、供用時の「騒音・低周波音」については、環境影響評価項目として選定し、適切な環境影響評価を実施すること。

4.環境影響評価の予測・評価結果の再検討について

  • 評価書の作成においては、評価に係る根拠や経緯を明確にし、科学的かつ客観的な予測及び評価とするよう見直すこと。

5.動物及び植物について

  • 対象事業実施区域内で確認されているエビネやクサヤツデ等の重要な植物種が風力発電設備や取付道路、土捨て場等の設置による直接的な土地の改変により、相当数の個体の消失が予測されていることから、取付道路や土捨て場等の附帯施設の位置の変更、土捨て場の面積を減少させることを検討するとともに、代償措置としての移植を実施する場合においては、専門家等への意見聴取を実施し、適切な移植計画を検討し、事後調査等を実施すること。
  • 対象事業実施区域及びその周辺には、クマタカの採餌環境として好適な落葉広葉樹林等が広く存在していることなどから、専門家等への意見聴取を実施し、対象事業実施区域及びその周辺の落葉広葉樹林等について、クマタカの採餌環境としての重要性を評価し、必要に応じて追加調査及び環境保全措置を検討すること。
  • 動物及び植物に対する環境影響を可能な限り回避・低減する観点から、風力発電設備等の配置や渡りの時期の稼働制限等を含めて環境保全措置を再検討するとともに、鳥類等の衝突に関する予測については、不確実性が大きいことから、事後調査を実施すること。

6.事後調査結果の公表について

  • 事後調査を実施した場合には、その結果について公表すること。事後調査の結果に応じて、追加的な環境保全措置を実施した場合は、その結果も含めて公表すること。

【参考】

・事業の名称松阪市白猪山ウインドシステム発電事業
・事業者中部風力発電株式会社
・計画位置三重県松阪市
・出力22,000kW(2,000kW級風力発電機を11基設置)
・運転開始予定平成29年6月予定
 
○環境影響評価法への経過措置に係る手続
・平成24年6月6日経済産業省が「風力発電事業に係る環境影響評価実施要綱」を公表
・平成24年9月13日経済産業省への準備書の届出
・平成24年11月1日環境大臣への意見照会
・平成25年1月18日環境大臣意見の提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8237
室長   :田中 紀彦 (内6231)
室長補佐:横井三知貴(内6233)
審査官  :田中 ばく (内6232)

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