報道発表資料

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2012年11月16日
  • 自然環境

新宿御苑大温室の開館について(お知らせ)

 新宿御苑において、平成19年度から建替工事整備に伴い閉館していた温室の工事が、この度終了したことから、下記のとおり開館することになりましたのでお知らせします。

1.開館日

平成24年11月20日(火)

2.開館時間

午前9時半~午後3時半(閉館午後4時)

3.入館料

無料(ただし新宿御苑への入園料が必要です(一般200円、小・中学生50円))

4.施設内容

[1]概要

 絶滅危惧植物の保護増殖、ワシントン条約で保護されている洋ラン等の栽培を行う特別室を設置し生物多様性の保全を強化するとともに、建物の省エネ化を図っている。

構成:
主温室、特別室、トイレ、機械室等
規模:
面積約2,750m2 高さ約15m (旧温室は約3,380m2)
植栽種数:
約500種類(品種含む。内、高木約100種、低木・地被約400種)
その他鉢栽培の洋ラン等を適宜展示

[2]温室設計のポイント

一つの大型温室とすることで広がりのある空間を確保し、高低差のある通路による立体感のある鑑賞
温室内の高い位置から園内が見えることで庭園との連続性を演出
順路の定まった通路を骨格として、自由な出入りが可能な動線
夏期には外気を効率的に取り入れ、植物の生育と利用環境に配慮
極端な高温を嫌う植物のため、地中に設けたクールチューブからの冷気を夏期の温度抑制に利用
暖房時の省エネのため、温室のガラスに複層ガラスを使用することで高断熱性を確保

[3]各室

ア.
主温室(約1,660m2
観賞温室で、高低差約3mの園路や池を配置し、植物の性質毎に以下のような展示コーナーを設置。

a.人と熱帯の植物(花木、果実のなる植物等)
b.熱帯池沼の植物(オオオニバス、熱帯スイレン等)
c.熱帯低地の植物(熱帯雨林、熱帯季節林、沖縄、小笠原の植物)
d.乾燥地の植物(ソテツ、サボテン等)
e.熱帯山地の植物(ランと熱帯山地の植物)

イ.
特別室(約180m2
 亜熱帯性の絶滅危惧植物、歴史的遺産である洋ランのための隔離栽培温室(特別室)を2室整備。入園者は、室外からガラス越しで見学。

5.温室整備スケジュール

平成19年度:実施設計、温室閉館、温室内外植物の移植
平成20年度:既存温室取りこわし(一部移植先として存置)、埋蔵文化財調査
平成21~24年度:埋蔵文化財調査、新温室整備、温室開館

6.予算

約35億円 (既存温室取りこわし、埋蔵文化財調査、工事監理費等含む)

7.新宿御苑の温室の歴史と取り組み

 園内の温室は、明治時代から皇室の温室としてランの栽培を行っており、交配による独自の新品種の作出にも力を入れるなど、日本の温室の歴史として貴重な成果を上げている。現在、温室ではそれらの歴史的に価値の高い品種を継承するとともに、ワシントン条約により入手が困難となっているランの原種を多数保有栽培している。さらに、国内希少野生動植物種であるハナシノブの系統保存をはじめ、多数の絶滅危惧種の生息域外保全を行っている。このような活動が(社)日本植物園協会から認められ、植物多様性保全拠点園として認定されている。また、植物園自然保護国際機構(BGCI)が定める「植物園の保全活動に対する国際アジェンダ」にも登録するなど、国内外の植物園と連携しながら生物多様性保全に取り組んでいる。

(参考)平成18年4月27日環境省報道発表
 「新宿御苑の「植物園の保全活動に対する国際アジェンダ」への登録について」
https://www.env.go.jp/press/7126.html

8.新宿御苑ホームページアドレス

https://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/index.html

連絡先
環境省自然環境局新宿御苑管理事務所
直通   03-3350-0151
所長   三村 起一
次長   白井 和夫
環境省自然環境局総務課
代表  03-3581-3351
課長   上河原 献二 (内:6410)
補佐   鈴木 義光  ( 内:6412)
専門官 海老原 孝幸 (内:6414)