報道発表資料
「国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律」(以下、「環境配慮契約法」という。)は平成19年に施行され、温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約(以下、「環境配慮契約」という。)を推進し、国等が排出する温室効果ガス等の削減を図り、持続的発展が可能な社会の構築に資することを目的としています。
環境配慮契約法は、地方公共団体及び地方独立行政法人(以下、「地方公共団体等」という。)においても、環境配慮契約に取り組むことを努力義務としており、地方公共団体等における環境配慮契約も推進しています。
今回、更なる地方公共団体等への環境配慮契約推進策の参考とするため、全国の地方公共団体を対象に、環境配慮契約への取組状況等について調査を実施し、その集計結果を次のとおり取りまとめましたので、公表いたします。
1.調査の目的
本調査は、地方公共団体における環境配慮契約の取組状況を調査し、今後の環境配慮契約の推進策に関する検討の基礎資料とすることを目的として、平成20年度から継続して実施しているものです。
2.調査の概要
- (1)調査対象:
- 全国1,793地方公共団体(平成23年9月1日時点)
(47都道府県、19政令指定都市、790区市、937町村) - (2)調査時期:
- 平成23年9月~12月
- (3)調査方法:
- 各調査対象組織に調査票を送付し、紙の調査票の場合は郵送で返送、インターネットより入手した電子調査票の場合は電子メールにより返送することで回答を回収した(一部、FAXでの回答も含む)。
3.調査結果
(1)回答状況
発送数 | 回収数 | 回収率(%) | |
---|---|---|---|
都道府県・政令市 | 66 | 66 | 100.0 |
区市 | 790 | 637 | 80.6 |
町村 | 937 | 578 | 61.7 |
合計 | 1,793 | 1,281 | 71.4 |
アンケート全体の回答率は71.4%であり、昨年度調査と比較して5.3%減となった。これは震災等の影響により回答できなかったことが要因の一つとして考えられる。本調査では、上記の理由で回答が困難と申し出のあった4市町村については集計対象から外し、取りまとめた。
(2)主な調査結果
- 「環境配慮契約法を理解している」と回答した地方公共団体の割合は、全体で28.4%であった。都道府県・政令市では86.4%が「理解している」と回答している。一方、区市及び町村の理解度は、それぞれ35.0%、14.5%に留まっており、区市・町村における理解度は低い状況にあり、地方公共団体の規模により環境配慮契約法の理解度に差がみられた。
- 「契約方針を既に策定している」と回答した地方公共団体の割合は、全体で7.0%であった。地方公共団体の規模別でみると、都道府県・政令市の約7割が、策定に対して意欲を示しているのに対し、区市、町村では現時点で、環境配慮契約に取り組む予定ないとの回答が約7割に及んでいる。
- 電気の供給を受ける契約において、環境配慮契約に取り組んでいる地方公共団体の割合は全体で4.2%であった。都道府県、政令市において裾切り方式を実施している団体は、3割を超えているが、区市、町村においては、「随意契約を実施している」という回答が約7割となった。
- 自動車の購入及び賃貸借に係る契約において、総合評価落札方式による環境配慮契約に取り組んでいる地方公共団体の割合は、全体で2.3%であった。また、「グリーン購入法の調達方針で判断の基準を定め、最低価格落札方式を採用」と答えた団体の割合は全体の27.6%となった。
- 環境配慮契約に取り組む上での課題としては、「人的余裕がない、担当者の負担増」、「環境配慮契約に関する情報がない」、「組織としての環境配慮契約に対する意識が低い」、「環境配慮契約を推進した場合の効果がわかりにくい」などが挙げられた。
4.環境省による取組支援
経済・社会全体を環境配慮型のものに変えていくために、国だけでなく、各地方公共団体における、より一層積極的な環境配慮契約の推進が期待されており、平成24年2月に「地方公共団体のための環境配慮契約導入マニュアル」を改定したところです。環境省としては、今後とも、地方公共団体での環境配慮契約の取組を促進するため、マニュアル等も活用しながら、全国説明会の機会等を通じて、環境配慮契約の内容を周知し、さらなる普及を図ります。
5.添付資料
平成23年度地方公共団体の環境配慮契約取組状況集計結果(概要版).PDF
6.参考
グリーン契約(環境配慮契約)について
https://www.env.go.jp/policy/ga/index.html
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境経済課
代表 :03-3581-3351
直通 :03-5521-8229
課長 :正田 寛 (内線6260)
課長補佐:峯村 高志 (内線6251)
担当 :田中 美穂 (内線6259)