報道発表資料
平成12年5月に制定された「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(以下、「グリーン購入法」という。)」は、国等の公的機関が率先して環境負荷低減に資する製品・サービス(以下、「環境物品等」という。)を調達することで、持続的発展が可能な社会を構築することを目的としています。
また、第二次循環型社会形成推進基本計画(平成20年3月25日閣議決定)においては、平成27年度までにすべての地方公共団体が組織的にグリーン購入へ取り組むことを目標としています。
今回、更なる地方公共団体等へのグリーン購入推進策の参考とするため、全国の地方公共団体を対象にグリーン購入の取組状況等について調査を実施し、その集計結果を次のとおり取りまとめましたので、公表いたします。
1.調査の目的
本調査は、地方公共団体におけるグリーン購入の取組状況を調査し、今後のグリーン購入の推進策の基礎資料とすることを目的として平成13年から継続して実施しているものです。
2.調査の概要
- (1)調査対象:
- 全国1,793地方公共団体(平成23年9月1日時点)
(47都道府県、19政令指定都市、790区市、937町村) - (2)調査時期:
- 平成23年9月~12月
- (3)調査方法:
- 各調査対象組織に調査票を送付し、紙の調査票の場合は郵送で返送、インターネットより入手した電子調査票の場合は電子メールにより返送することで回答を回収した(一部、FAXでの回答も含む)。
3.調査結果
(1)回答状況
発送数 | 回収数 | 回収率(%) | |
---|---|---|---|
都道府県・政令市 | 66 | 66 | 100.0 |
区市 | 790 | 655 | 82.9 |
町村 | 937 | 614 | 65.5 |
合計 | 1,793 | 1,335 | 74.5 |
本調査では全体の回答率が74.5%となり、前年の調査と比較すると5.1%減る結果となった。また震災等の影響により回答が困難と申し出のあった4団体については、集計から除き今回の分析には含めていない。
(2)主な調査結果
- 各品目においてどれか一つでもグリーン購入に組織的に取り組んでいると回答した地方公共団体の割合は全体の78.6%となり、前年度と比べ4.8ポイント増加した。グリーン購入の組織的取組率が90%以上の県は、神奈川、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、山口の7県となっている。(本設問については、調査表が未回収の区市・町村に対して、電話等による聞き取りを実施し、集計結果に反映させた〈回収率90.5%〉)
- グリーン購入の組織的取組に関する設問において「担当者のレベルで取り組んでいる」もしくは「あまり取組まれていない」と回答した287の区市・町村について、第2次循環型社会形成推進基本計画に「平成27 年までにすべての地方公共団体が組織的にグリーン購入へ取り組むこと」が目標に設定されていることを認識しているか聞いたところ、区市では44.3%、町村では50.0%が「目標について知らなかった」と回答した。また「目標は知っているが、取組をする予定はない」と回答した割合は、区市が35.4%、町村が27.9%であった。
- グリーン購入の組織的取組として、その実施方法について尋ねたところ(複数回答あり)、都道府県・政令市では、「グリーン購入基本方針・調達方針を策定して取り組んでいる」が最も割合が高く98.5%、次いで「グリーン購入に取り組むことを各部署へ通達している」が80.3%であった。その他の回答の中には「予算方針で記載している」「エコアクション21の取組の中で定めている」「各部署単位で取り組んでいる」「市の環境保全率先実行計画でグリーン購入に努めることを掲げている」などもあった
- 各品目においてどれか一つでもその調達実績を把握している地方公共団体は全体の64.7%であり、前年度と比較すると3.1ポイント増加した。また調達実績を把握している827団体のうち、調達実績を「公表している」と回答した割合は全体の22.7%と、前年度より2ポイント増加している。
グリーン購入進展のために「自らが取り組むべき仕組み」として、「全ての職員へ研修・啓発を実施することが必要だ」と回答したのが全体の64.8%だった。一方で「全ての職員向け研修・啓発」について「既に取り組んでいる」と回答した割合は、10.2%と低くなっており、自らが取り組むべきとしながらも、多くの地方公共団体が実際には実施出来ていないことがわかった。
4.環境省による取組支援
環境省では、国の各機関や地方公共団体等を対象に、グリーン購入法基本方針説明会を開催すると共に、グリーン購入セミナーや調達者研修会を実施することにより、グリーン購入における、より実践的な取組方法について紹介をしています。
また、グリーン購入のポイントについて、イラストを多く用いてわかりやすく解説した「地方公共団体のためのグリーン購入取組ガイドライン」を策定し、配布しています。
今後は、職員数の少ない地方公共団体ほどグリーン購入に組織的に取り組んでいる割合が低い傾向を踏まえ、小規模な地方公共団体で実際に取り組まれている事例を収集し、紹介する機会を設けるなどの支援策を構築し、取組率増加を図っていきます。
5.添付資料
平成23年度地方公共団体のグリーン購入に関するアンケート調査結果(概要版).pdf
6.参考
地方公共団体のためのグリーン購入ガイドライン(平成24年3月改訂)
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/guideline/index.html
グリーン購入法.net
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/index.htmll
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境経済課
代表 :03-3581-3351
直通 :03-5521-8229
課長 :正田 寛 (内:6260)
課長補佐:峯村 高志 (内:6251)
担当 :横田 梢 (内:6259)