報道発表資料
環境省は、平成23年6月から東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査を実施しており、
これまでに、アスベストが飛散した事例として、茨城県水戸市(平成23年6月21日報道発表)及び栃木県真岡市
(平成23年11月18日報道発表)の建築物のアスベスト除去工事における集じん・排気装置の不具合によると思われるアスベストの飛散事例を公表しています。
平成23年12月22日に開催した「第5回東日本大震災アスベスト対策合同会議」において、
宮城県石巻市のアスベスト除去工事現場で石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度が10[本/リットル]を超過している旨の報告をしたところですが、
アスベストの同定を行ったところ、アスベストの飛散が確認されましたので、お知らせします。
なお、敷地境界のアスベスト濃度等は通常の一般大気濃度とほぼ変わらなかったことから、周辺環境への影響はなかったと考えられます。
記
- 1.建築物の所在地
- 宮城県石巻市
- 2.試料採取年月日
- 平成23年12月16日(金)
- 3.試料採取地点
- アスベスト除去工事現場
- ア
- 敷地境界(風下)2箇所
- イ
- 施工箇所から石綿が直接外部に飛散しないように設けられた部屋の入り口の外側(以下、「前室」という。)1箇所
- ウ
- 集じん・排気装置の外部への排気口付近(以下、「排気口」という。)1箇所
- 4.試料採取、分析方法
- 東日本大震災におけるアスベスト大気濃度調査(実務マニュアル)~第3次モニタリング(10月中旬~11月中旬)~による。
- 5.調査結果
測定箇所 | 位相差顕微鏡法 又は位相差/偏光顕微鏡法 |
電子顕微鏡法 | アスベスト 繊維数濃度 [本/リットル] |
総繊維数濃度 [本/リットル] |
繊維の割合 | ||
敷地境界(1) | 0.34 | - | - |
敷地境界(2) | 1.9 | ※位相差/偏光顕微鏡法によりアモサイトを0.73[本/リットル]確認 | 0.73 |
排気口 | 28 | アスベスト(アモサイト) 90[%] その他 10[%] |
25 |
前室 | 5.1 | アスベスト(アモサイト) 68[%] その他 32[%] |
3.5 |
※総繊維数濃度とは、長さ5μm以上、幅(直径)3μm未満で、かつ、長さと幅の比(アスペクト比)が3:1以上の繊維状物質を計数したもの。
- 本アスベスト除去現場では、排気口でアスベスト繊維が25[本/リットル]検出された。 ただし、敷地境界のアスベスト濃度等は通常の一般大気濃度とほぼ変わらなかったことから、周辺環境への影響はなかったと考えている。
- 本件については、石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度が10[本/リットル]を超過していることが判明した段階で、 直ちに環境省から所管自治体に連絡し、所管自治体から事業者に対し注意喚起されている。
- 今回アスベストが漏洩した原因については、施工前に注意喚起と併せて現場の確認を行い、 養生の不備を指摘し改善させているため、集じん・排気装置の不具合によるものと推定している。
- 6.今後の対応
- 今回「排気口」からアスベストの飛散が確認されたことから、集じん・排気装置の更なる保守点検の徹底等が必要である。
- これまでも、本件と同様の事例の発生の機会等を捉えて、石綿除去等作業における集じん・排気装置の維持管理の徹底等について、関係団体に要請するとともに、 都道府県労働局及び関係自治体に通知してきたところであるが、今回の事例を踏まえ、引き続き啓発に努めることとしている。
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局大気環境課
直通 :03-5521-8293
代表 :03-3581-3351
課長 :山本 光昭(6530)
課長補佐 :栗林 英明(6533)
担当 :磯崎 勇太(6534)