報道発表資料
環境省は、平成23年6月から東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査を実施しており、これまでに、アスベストが飛散した事例として、平成23年6月21日に茨城県水戸市の建築物におけるアスベスト除去工事における集じん・排気装置の不具合によると思われるアスベストの飛散事例を公表しています。
この度、同様の事例が確認されましたので、お知らせします。
なお、建屋近辺では通常の一般大気濃度よりやや高めのアスベスト繊維数濃度が確認されましたが、敷地境界まで距離があることから、周辺環境への影響はなかったと考えられます。
記
1.建築物の所在地
栃木県真岡市
2.試料採取年月日
平成23年10月11日(火)
3.試料採取地点
- ア
- 建屋境界(※)(風下)2箇所
- ※
- 作業が実施される施設の直近で、従業員の通行等がある場所
- イ
- 石綿が直接外部に飛散しないように設けられた室の入り口の外側(以下、「前室」という。)1箇所
- ウ
- 集じん・排気装置の外部への排気口付近(以下、「排気口」という。)1箇所
4.試料採取、分析方法
東日本大震災におけるアスベスト大気濃度調査(実務マニュアル)~第3次モニタリング(10月中旬~11月中旬)~による。
5.調査結果
測定箇所 | 位相差/ 偏光顕微鏡法 | 電子顕微鏡法 | アスベスト 繊維数濃度 [本/ℓ] |
---|---|---|---|
総繊維数濃度 [本/ℓ] | 繊維の割合 | ||
建屋境界[1] | 1.5 |
|
1.2 |
建屋境界[2] | 3.1 |
|
2.3 |
前室 | 4.3 |
|
2.7 |
排気口 | 17 |
|
14 |
- ※
- 総繊維数濃度とは、長さ5µm以上、幅(直径)3µm未満で、かつ、長さと幅の比(アスペクト比)が3:1以上の繊維状物質を計数したもの。
本アスベスト除去現場では、排気口でアスベスト繊維が14[本/ℓ]検出された。また、建屋境界で1.2[本/ℓ]、2.3[本/ℓ]のアスベスト繊維を検出しており、これらは一般大気濃度に比べやや高めの濃度である。ただし、本調査は建屋付近で測定を行っており、敷地境界までは距離があることから、周辺環境への影響はなかったと考えている。
本件については、石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度が10[本/ℓ]を超過していることが判明した段階で、直ちに環境省から所管自治体に連絡し、所管自治体から事業者に対し注意喚起されている。
今回アスベストが漏洩した原因については、注意喚起に併せて現場の確認を行った際には養生などに問題となる点がなかったことも踏まえ、集じん・排気装置のフィルターの設置などの不具合によるものと推定している。
6.今後の対応
今回「排気口」からアスベストの飛散が確認されたことから、集じん・排気装置の更なる保守点検の徹底等が必要である。
これまでに、平成23年6月30日付けで厚生労働省と環境省との連名で、石綿除去等作業における集じん・排気装置の維持管理の徹底等について、関係団体に要請するとともに、都道府県労働局及び関係自治体に通知(別紙参照)したところであるが、今回の事例を踏まえ、引き続き啓発に努めることとしている。
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局大気環境課
直通:03-5521-8293
代表:03-3581-3351
課長 :山本 光昭(6530)
課長補佐:栗林 英明(6533)
担当 :磯崎 勇太(6534)