報道発表資料

この記事を印刷
1998年04月06日

G8環境大臣会合の結果について

4月3日(金)から5日(日)まで、英国ケント州のリーズ城において、G8環境大臣会合が開催され、我が国から大木環境庁長官が出席した。
1.概要
 今回の会合においては、「気候変動」、「環境と雇用」、「海洋(生物多様性の保全)」、「多国間環境協定の執行」を議題として議論が行われ、その成果はコミュニケとしてとりまとめられた。
 本会合の結果は、議長国である英国のプレスコット副首相兼環境大臣から同国のブレア首相に報告され、5月のバーミンガム・サミットにおける議論に反映される予定である。

2.今回会合の主たる成果
 今回会合の成果は、コミュニケとしてとりまとめられたが、その主たる点は次のとおりである。

(1)気候変動
a.京都議定書の採択は、温室効果ガスの排出削減努力を進める上で歴史的な転機であることを確認。今後一年間に議定書に署名する意志を確認し、必要な作業を開始することを決意。
b.G8は気候変動対策をリードする責任を認識し、国内的には温室効果ガスの相当の削減のための取組を直ちに開始する。
c.国際的には、排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズム等の柔軟なメカニズムは国内措置を補完するものであり、これらのメカニズムは、コミットメントを費用効果的に実現するに当たり、不可欠な役割を果たすことが出来る。これらを真に環境に便益のあるものとするための原則、方法、規則、指針を明確にすることは優先課題である。これらの規則は、実施可能で(enforceable)、説明できる(accountable)、検証可能な(verifiable)、開かれた(open)、かつ、透明な(transparent)なものでなければならない。
d.議定書の遵守確保措置(compliance regime)及び非遵守状態にある国に対する拘束力のある措置(binding consequence)に関する手続き及びメカニズムの検討作業をCOP4までに開始することが必要。
e.「法的拘束力を有する目標を課せられていない締約国が法的拘束力のある目標を自発的に採択することについてCOP4で議論を行うべき」との提案に留意する。

(2)環境と雇用
 環境政策は公衆衛生と生活の質に意味ある改善をもたらすだけでなく、経済横断的に雇用を創出する機会をもたらすものであることに合意。このメッセージをバーミンガムのG8サミットの首脳に伝える。

(3)海洋(生物多様性の保全)
a.海洋の生物多様性は、世界全体の生物多様性の縮図のようなものであり、協調した国際的取組がなければ脅威に曝される。
b.今年は、海洋年(Year of the Oceans)であり、市民への啓発活動を一層活発にしていく必要がある。
c.地域的な(regional)行動計画への取組が重要。とりわけ閉鎖性・半閉鎖性水域への対応が重要である。
d.ブラチスラバにおける生物多様性条約締約国会議(本年5月)においては、ジャカルタ・マンデートに則り、行動計画を採択すべきである。

(4)多国間環境協定の執行
 多国間環境協定違反の状況が深刻であることを認識し、
a.既存の多国間環境協定(MEAs)、特に、ワシントン条約、モントリオール議定書及びバーゼル条約への参加及び効果的な履行を全面的に支持する。
b.UNEPに対し、MEAs間の協力を改善するための提案をするよう求める。
c.越境環境違反の摘発と処罰に関し、情報の共有及び協力を行う。
d.次回会合でこれらの進捗状況についてレビューする。

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部企画課
企画課長 :柳下正治(6731)
 課長補佐 :岸部和美(6721)
 担    当 :佐藤邦子(6755)