報道発表資料
残留性有機汚染物質を国際的に規制するストックホルム条約で対象とする化学物質について科学的・専門的な検討を行う「残留性有機汚染物質検討委員会」の第7回会合が、10月10日から14日までジュネーブにおいて開催されました。本会合では、継続して審議されている1種類の化学物質(ヘキサブロモシクロドデカン)について、条約の対象物質とするよう締約国会議に勧告することが決定されました。また、新たに提案された3種類の化学物質(塩素化ナフタレン、ヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロフェノール)について、同条約の規制対象とする要件を満たすかどうかが議論され、検討のプロセスをさらに進める等の結論となりました。
今回の会合では、以下が決定されました。
(1)条約対象物質:ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)
(提案国:ノルウェー)、【主な用途】難燃剤
リスクの管理に関する評価案を審議し、同評価案が採択されるとともに、条約の対象物質とするよう締約国会議に勧告することが決定されました。
今後、代替物質、コスト及びその効果等の追加情報を収集し、次回第8回会合(POPRC8)において、それらの追加情報を検討し、締約国会議に対する附属書A、B等の特定と個別適用除外候補について検討されることになりました。
(2)条約対象物質としての検討
[1]塩素化ナフタレン(CN)
(提案国:欧州連合)、【主な用途】エンジンオイル添加剤、防腐剤等
提案文書がスクリーニング基準を満たすかどうかが議論され、塩素数2以上を対象とすることとして、リスクプロファイル案を作成する段階に進むことが決定されました。
[2]ヘキサクロロブタジエン(HCBD)
(提案国:欧州連合)、【主な用途】日本での用途は不明
提案文書がスクリーニング基準を満たすとされ、リスクプロファイル案を作成する段階に進むことが決定されました。
[3]ペンタクロロフェノール(PCP)とその塩及びエステル類
(提案国:欧州連合)、【主な用途】農薬、殺菌剤
提案文書がスクリーニング基準を満たすかどうか議論され、当該物質と当該物質の代謝物の関係について、さらに科学的知見を収集することとされ、次回会合で検討することとされました。
[4]短鎖塩素化パラフィン(SCCP)
(提案国:欧州連合)、【主な用途】難燃剤
毒性学的相互作用の評価等の情報収集等を引き続き行うこととされました。
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通:03-5521-8261
代表:03-3581-3351
課長:早水 輝好(内線 6350)
保健専門官:佐藤 輝雄(内線 6361)
環境保健部企画課化学物質審査室
直通:03-5521-8253
室長:瀬川 恵子(内線 6309)
室長補佐:小岩 真之(内線 6324)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成23年10月4日
- 残留性有機汚染物質検討委員会第7回会合(POPRC7)の開催について(お知らせ)
- 平成23年5月2日
- POPs条約第5回締約国会議(COP5)の結果について(お知らせ)
- 平成22年10月19日
- 残留性有機汚染物質検討委員会第6回会合(POPRC6)の結果について(お知らせ)
- 平成21年10月22日
- 残留性有機汚染物質検討委員会第5回会合(POPRC5)の結果について(お知らせ)