報道発表資料

この記事を印刷
2011年09月01日
  • 再生循環

汚水処理施設連携整備事業の実施状況等について(お知らせ)

 汚水処理施設連携整備事業(以下「連携事業」という。)は、公共用水域における水質保全効果がより一層促進されると見込まれる市町村を認定し、市町村が作成する連携整備事業計画に基づき、下水道、農業集落排水施設、浄化槽等各種汚水処理施設整備を5か年間にわたり重点的に実施する事業制度です。
 農林水産省、国土交通省及び環境省(以下「三省」という。)では、平成9年度から連携事業を実施し、これまでに50市町村を認定しており(別紙1)、実施市町村でそれぞれの汚水処理施設の特色をいかして連携することにより、効果的かつ効率的な汚水処理施設の整備を図っているところです。
 三省では、連携事業の情報公開を進めるために、これらの市町村における汚水処理施設の整備状況、放流水質の状況等を公表していますが、本年度は平成22年度をもって連携事業を完了した2市町(平成18年度認定)のデータを取りまとめ公表することとしました。

1.汚水処理施設の整備状況について

(1)平成22年度に連携事業を完了した市町の状況

 平成18年度認定の2市町(別紙1参照)は、平成22年度末をもって連携事業を完了しましたが、これら市町における、認定時点の汚水処理人口普及率、認定時点における汚水処理人口普及率の目標値、完了時点の汚水処理人口普及率を取りまとめました(別紙2)。
 連携事業の認定から平成22年度末までに、2市町ともに下水道の供用開始地区が順次拡大され、福岡県苅田町において農業集落排水施設が新規に供用開始されました。また、各市町において浄化槽の整備が進められ、順次供用が開始されました。
 平成22年度末の汚水処理人口普及率は、連携事業着手前である平成17年度末と比較して上昇しており、福岡県苅田町で78.5%(+19.9ポイント)、大分県宇佐市で54.7%(+7.3ポイント)となりました。
 全国の汚水処理人口普及率は、平成17年度末には80.9%であったものが、平成22年度末では86.9%になり、5年間で6.0ポイント上昇しましたが、平成18年度認定市町についてみると、この5か年の間に12.1ポイント上昇しました。
 (平成22年度末の全国の汚水処理人口普及率は、東日本大震災の影響で、岩手県、宮城県、福島県の3県において、調査不能な市町村があるため、3県を除いた数値となっております。)
 連携事業の実施により、汚水処理施設整備の促進が図られたといえます。

[平成18年度認定市町における効果事例]

※)
平成22年度に連携事業を完了した2市町の汚水処理人口普及率の推移である。

2.汚水処理施設からの放流水質の状況について

(1)平成22年度に連携事業を完了した市町の状況

 平成22年度に連携事業を完了した市町の各汚水処理施設における平成22年度末時点の年平均放流水質を調査し、水素イオン濃度(pH)、生物化学的酸素要求量(BOD)、浮遊物質量(SS)等各値を取りまとめました(別紙3)。
 下水道の年平均の放流水質は、3箇所の終末処理場で調査した結果であり、農業集落排水施設の年平均の放流水質は、6箇所の汚水処理施設で調査した結果です。また、浄化槽の放流水質は、補助事業による総設置基数2,242基中728基で調査した結果です。

 pHBOD (mg/l)SS (mg/l)
下水道6.9~7.22.4~3.91.5~2.1
農業集落排水施設6.6~7.11.4~6.71.6~3.8
浄化槽3.0~8.3※11.0~150※2
※1
pHの低値については処理水量が少なかったためと考えられる。
※2
BODの高値については、流入水の負荷が過剰だったためと考えられ、現在、指導中である。

3.公共用水域の水質保全に向けた地域の取組

(1)平成22年度に連携事業を完了した市町

 平成22年度に連携事業を完了した市町では、施設整備の他に以下のような公共用水域の水質保全に向けた取組がなされています。

都道府県名市町名公共用水域の水質保全に向けた地域の主要な取組
福岡県苅田町河川の水質検査を町内11河川の20地点で年4回、海域の水質を苅田港内外10地点で年1回行っている。測定結果及び環境基準等をホームページ・広報誌に掲載し水質保全への意識を高めるとともに、生活排水のマナーを守るよう協力を呼びかけている。また、月に2回EM活性液の無料配布を行っている。
大分県宇佐市9月10日の「下水道の日」を中心とした前後1週間にPR活動を市内スーパー等にて実施している。また、年間を通じて市報により水質保全の重要性を市民に対し啓発し、下水道未接続世帯に対しては、個別に訪問して接続のお願いを行っている。

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課浄化槽推進室
直通 03-5501-3155
代表 03-3581-3351
室長 藤塚 哲朗(内線6861)
室長補佐 東 利博(内線6863)
担当 天野 聡(内線6865)
担当 山地 悠毅(内線6865)

関連情報

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。