報道発表資料
12月17日(金)に中国・北京市にて、窒素・りんの水質総量削減に係る日中共同研究ワークショップを開催しました。
今回のワークショップでは、2年間にわたり実施してきた共同研究の成果について取りまとめを行いました。
概要は下記のとおりです。
1.経緯
環境省では、急激な経済発展の過程で大量の汚濁負荷が発生し、閉鎖性海域の富栄養化が深刻化している中国をはじめとする東アジア諸国の富栄養化問題の改善に貢献し、我が国の環境立国としての世界での役割を果たすことを目的として、東アジア諸国における水質総量規制制度支援事業を実施しています。
本事業では、平成20年12月の日中環境汚染対策に関する局長級対話(第5回)における合意に基づき、平成21年度から「窒素・りんの水質総量削減に係る日中共同研究」(以下、「日中共同研究」という。)を実施し、我が国の知見・経験をもとに、中国の国情に合った窒素及びりんの水質総量削減の実施方法案の作成へ向けて協力を行ってきました。
この度、12月17日(金)に第6回日中共同研究ワークショップ(最終回)を開催し、2か年にわたる日中共同研究の成果について取りまとめを行いました。
なお、このワークショップは非公開で行いました。
2.開催日
平成22年12月17日(金)13:30~17:30
3.開催場所
国家会議中心
中華人民共和国北京市朝陽区天辰東路7号
4.参加者
- 日本側出席者:
- 室石 環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室長 他
- 中国側出席者:
- 張 環境保護部汚染物排放総量控制司水汚染物総量控制処副処長 他
- (詳細については添付ファイル参照)
5.ワークショップ概要
今回のワークショップでは、以下のテーマでプレゼンテーション及びディスカッション等が行われました。 (詳細については添付ファイル参照)
(1)成果発表 -モデル地域(中国山東省威海市)総量削減計画について-
中国側より、本共同研究において検討した威海市総量削減計画の内容について説明が行われました。威海市総量削減計画では、水源地である米山水庫の水環境の指標の中で<3>級基準を満たしていない全窒素の基準達成を目標とし、中国の環境保護第12次5カ年計画の対象項目であるCODおよびアンモニア性窒素等の汚濁負荷削減を実施することが発表されました。削減対策として、生活系については下水道整備の促進、メタン発酵処理の促進、畜産系については、大規模畜産場に適切なふん尿処理技術の導入促進、畜舎飼育へ転換し順次集約化する等の方針が示されました。
(2)成果発表 -負荷量算定、水質総量削減計画の策定手順、削減方策について-
日本側より、中国側要望に基づく水質総量削減に関する情報の提供や最近の協力内容の説明を行いました。
中国側より、総量削減計画の作成において日本の水質総量削減制度から、対象水域の水質状況等を考慮し、汚濁負荷削減必要量を算出することを学んだこと、また、中国の制度には従来なかった流入負荷量や流達率という考え方を取り入れたこと等が説明されました。
(3)日中共同研究の成果の総括
日本側より、強い信頼関係のもとに日中共同研究を進めることができ、中国の環境保護第12次5カ年計画に貢献できたことが非常に大きな成果であることを述べました。また、日中共同研究のもとに取りまとめた成果について、今後、中国国内で活用していただきたいと期待を表明しました。
中国側より、中日両国の専門家、環境部局の綿密な連携により、協力体制が構築され、水質総量削減計画策定の一連の手続きを実施することができたことが大きな成果であったことが述べられました。また、中国の第12次5カ年計画の進捗状況等が説明されました。
ワークショップ風景
集合写真
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室
直通:03-5521-8317
代表:03-3581-3351
室長:室石 泰弘(内線6660)
室長補佐:橋本 浩一(内線6661)
係長:山田 拓也(内線6666)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成22年12月13日
- 窒素・りんの水質総量削減に係る日中共同研究ワークショップの開催について(お知らせ)