報道発表資料

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1999年09月08日

主要国環境大臣会合(9月2日~5日)の結果について

主要国環境大臣会合が、9月2日(木)から5日(日)までガーナ共和国エルミナで開催された。本会合には10名の大臣を含む20ヶ国及び8機関の代表が参加した。日本からは、岡田康彦環境事務次官が出席した。
 本会合は、CSD等におけるコンセンサスを促進するための自由な意見交換を目的とする非公式な会合であり、今回の会合では、淡水、気候変動、リオ+10の準備、貧困と環境のほか、砂漠化と世界のエコシステムの総合評価の議題について活発な討議が行われ、その結果は議長(ガーナ共和国アヴォカ大臣)によって取りまとめられた。
1.主要国環境大臣会合について

 本会合は、国連持続可能な開発委員会(CSD)の準備及びその年の環境に係る重要課題に関する意見交換を目的として、1993年(平成5年)以降毎年開催されている非公式環境大臣会合で、我が国は1996年(平成8年)のブラジル会合からこれに出席している。

 (参考)これまでの開催経過

1993年4月 カナダ(マゴグ)
1994年2月 インド(アグラ)
1995年2月 イギリス(ブラケットホール)
1996年3月 ブラジル(マンガラチーバ)
1997年3月 ドイツ(ドレスデン)
1998年3月 ハンガリー(ブダペスト)
1999年9月 ガーナ(エルミナ)
2.今回会合の概要
(1)主 催

ガーナ共和国(議長:アヴォカ環境・科学・技術大臣)
(2)日 時 1999年9月2日(木)~5日(日)
(3)場 所 ガーナ共和国エルミナ
3.今回会合のテーマ

 今回会合の議題は、当初から予定されていた淡水、気候変動、リオ+10の準備、貧困と環境のほか、砂漠化と世界のエコシステムの総合評価が追加された。

4.参加者

 20ヶ国(オーストラリア、カナダ、コートジボワール、チェコ、デンマーク、 フィンランド、ドイツ、ガーナ、日本、ケニア、モザンビーク、オランダ、 ナイジェリア、ノルウェー、南アフリカ、スウェーデン、トーゴー、英国、米国、 ジンバブエ)が出席した。このうち、コートジボワール、チェコ、デンマーク、 フィンランド、ガーナ、ケニア、モザンビーク、オランダ、ナイジェリア及び英国の10ヶ国から環境大臣が、日本、ノルウェー及びジンバブエの3ヶ国から副大臣、 次官級が出席した。この他、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、アフリカ経済委員会(ECA)、欧州連合(EU)、国連持続可能な開発局(UN/DESA)、国連環境計画(UNEP)、国連工業開発機関(UNIDO)及び世界資源研究所(WRI)の8機関の代表者が参加した。
 我が国からは、岡田康彦環境事務次官らが出席した。

5.討議結果
(1) 淡水  
 淡水資源管理のための総合的アプローチ、女性や市民を含むすべての主体の参加の必要性が強調された。また、経験交流のためのベスト・プラクティスのとりまとめ、国、地域、国際レベルでの適切な調整メカニズムの構築も必要であるとされた。
(2)

気候変動  
 岡田次官ほかの基調報告に引き続き、討議が行われた。主に強調された点は以下のとおり。

  • 京都議定書と京都メカニズムは条約の更なる実施の基礎となるべきこと
  • 途上国がCDMプロジェクトの準備が行えるよう早急にルール等を定めるべきこと
  • 途上国のCDMプロジェクトの準備のために必要とする資金的・技術的支援を先進国その他の援助機関が提供すべきこと
  • 条約の実施を各国の開発政策に統合するための国家戦略の策定の必要性
  • あらゆるレベルで意識啓発を進めるための戦略作りの必要性
  • 条約の実施に当たって、他の環境条約や森林原則との連携が図られるべきことなお、岡田次官の基調報告は、オランダ、デンマークを始め多くの国から高く評価された。
(3) リオ+10  
 リオ+10を成功させるためには、その準備プロセスが大事であり、各国及び各地域で準備会合を開催すべき、気候変動枠組条約、生物多様性条約、砂漠化対処条約のそれぞれの事務局は、リオ+10に各条約の実施状況に関する詳細な情報を提供すべきとの意見が述べられた。  
 リオ+10の開催地については、リオ+5での経験を踏まえ、ニューヨーク以外で開催すべきという点で会合のコンセンサスが得られ、その場合、アフリカ又はアジアが候補になるという点で一致した。
(4) 貧困と環境
 貧困と環境は相互に関連しており、分野横断的に、また関連する全ての要素を含めて取り組む必要があること、途上国の債務負担を軽減するため、債権放棄、  自然保護債務スワップが促進されるべきとの意見が述べられた。また、環境条約を実施する上で、貧困対策への寄与が考慮されるべきこと、WTOにおいて貧困への貿易の影響と環境への影響が真剣に考慮されるべきことが強調された。
(5)

砂漠化
 貧困が砂漠化の原因となる不適切な農業の広がりの要因となっており、貧困対策が重要、条約の早期批准、行動計画の策定促進が必要との意見が述べられた。また、意識啓発の必要性、女性や住民の参加の必要性も主張された。

(6) 世界のエコシステムの総合評価
 世界資源研究所(WRI)から、現在準備中のプロジェクトの概要が報告され、協力要請が行われた。プロジェクトは、世界のエコシステムの現状を把握するとともに、将来の動向をシナリオ分析するものである。参加者からは、概ね好意的に受けとめられたが、UNEPなどの既存のプロジェクトとの効果的な連携、リオ+10の準備プロセスへ反映させるべき等のコメントがあった。
6.その他

 2000年の主要国環境大臣会合について、ノルウェーが開催の意向を表明し、支持された。  (別添)主要国環境大臣会合(1999年9月2日~5日、於エルミナ、ガーナ)議長取りまとめ(環境庁仮訳)

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部企画課
課 長 :一方井誠治(6731)
 補 佐 :尾川 毅(6721)
 専門官 :佐藤邦子(6721)