(別添)

主要国環境大臣会合

1999年9月2日〜5日、於エルミナ、ガーナ

議長取りまとめ(環境庁仮訳)


 1999年9月2日〜5日にガーナのエルミナで開催された主要国環境大臣会合の出席者は、ガーナ国政府及びガーナ国民に対し、この会合を主催されたことに心からの感謝の意を表する。

 出席者はまた、温かい歓待、とりわけこの会合に必要であった打ち解けた雰囲気の中で会議を持つことを可能にしたココナッツ・グローブ・ビーチ・リゾート・ホテルと会議センターの落ち着いた環境を用意して下さったことに対し感謝する。 

 さらに、クレタス・A・アヴォカ下院議員、環境・科学・技術大臣及び同大臣のスタッフが、本会合の準備を滞りなく進められたことに感謝する。

 出席者は、本会合で議論した問題について、次のとおりコメントする。

  1. 次の千年紀に移行するに当たって、淡水、砂漠化、気候変動、貧困と環境といった問題への取組を目的とする現在の世界中の努力を促進すべきである。
  2. 適切な財源、とりわけ開発途上国にとっては、アジェンダ21と種々の環境条約や環境協定が規定する責務が果たせるように、適切な財源を利用可能にすることが重要である。

 本会合で討議した個別の問題について、次のとおりコメントする。

淡 水

  1. 淡水管理の統合的アプローチは、淡水資源管理における国家的及び地域的戦略の基礎として推進されるべきである。
  2. あらゆる主体、とりわけ女性や市民社会が、統合的な淡水資源管理のための活動において、積極的なパートナーであるべきである。
  3. ベスト・プラクティスは、国々や地域社会が淡水資源の持続可能な管理の経験を分かち合えるように、適切に文書化されるべきである。
  4. 統合的な淡水資源管理のための資源や活動の重複を確実に避けるために、適切な調整のメカニズムが国家、地域そして国際的なレベルで構築されるべきである。

気候変動

  1. 国連気候変動枠組条約の附属書T国は、同条約に基づく責務や約束を履行するよう努めるべきである。
  2. 京都議定書及びそれに関連する柔軟性メカニズムは、同条約の実施の基礎となるべきである。
  3. クリーン開発メカニズムの方法は、開発途上国が同メカニズムから利益を得るような事業の準備を行うことが可能となるよう、早急に開発される必要がある。
  4. クリーン開発メカニズムのクライテリアが設定されたとき、開発途上国がそれに合致する適切な事業の準備を行うことができるよう、開発途上国が必要とする資金的及び技術的な支援が先進国及び他の援助機関から与えられるべきである。
  5. 気候変動枠組条約の実施を国家的な開発政策に統合することを確保するための国家戦略が策定されるべきである。
  6. 各国は、気候変動問題が引き続き優先事項となることを確保するために、地方、国家、地域及び世界的なレベルで戦略を策定するべきである。
  7. 気候変動枠組条約の実施については、アジェンダ21、森林原則、他の環境条約や環境協定の実施のための措置と統合されるべきである。

リオ+10の準備

  1. リオ+10の成功は、この会合の焦点を設定する準備プロセスにかかっている。
  2. リオ+10で議論する重要課題を特定するために、各国内及び地域での準備会合がリオ+10に先立ち開催されるべきである。
  3. リオ+10は、ニューヨーク以外で開催されるのが望ましい。アフリカ又はアジアで開催されるべきである。
  4. リオで採択された条約(注)及び砂漠化対処条約の事務局は、条約の実施状況に関する詳細な情報をリオ+10に報告すべきである。

                (注)気候変動枠組条約及び生物多様性条約

貧困と環境

  1. 貧困と環境は相互に関連づけて考察されるべきである。それらの問題に対応するための施策は、多分野にまたがりかつそれらに関連するあらゆる要素を統合することを目指したものであるべきである。
  2. 例えば債務放棄や自然保護債務スワップなどの開発途上国の債務負担を減ずる方策を貧困緩和施策を支援する施策として推進すべきである。
  3. 気候変動枠組条約、砂漠化対処条約及び生物多様性条約の実施に当たっては、期待される目標及び目的の達成が貧困対策に寄与するよう考慮されるべきである。
  4. 貿易が貧困に与える影響及びそれに付随する環境への影響については、世界貿易機関で真剣な考慮が払われるべきである。

砂漠化

  1. 貧困は、砂漠化に関連する持続可能でない農業慣行などの活動を助長する重要な要素である。
  2. 砂漠化対処条約の実施のために、国家的及び地域的な戦略を策定すべきである。
  3. UNEPは、1999年末の砂漠化対処条約第3回締約国会議の前に、砂漠化に関する共通の立場を定めるためのアフリカ諸国による会議を開催すべきである。
  4. すべての国々は、砂漠化対処条約を批准するよう努めるべきである。
  5. 認識することは、砂漠化対処条約を実施するための施策の中の重要な要素であるべきであり、女性や市民社会はこの取組の中で積極的なパートナーであるべきである。

世界の生態系の千年紀評価

  1. この概念は、様々な活動が国家や地球全体の生態系に与える影響を意志決定者が評価するのを助ける手段として支持されるべきである。
  2. その評価は、結果の一層の客観性を確保する独立性を維持すべきである。しかしながら、政府との適切な連携は取られるべきである。
  3. 作業の重複は、協力機関との適切な理解の醸成を通じ、最小化されるべきである。
  4. その評価には、観測結果についての考えられる原因について検討が加えられるべきである。
  5. 評価報告書の潜在的利用者がアクセスできるデータベースがあるとよいだろう。このデータベースは有料となる可能性がある。