報道発表資料

この記事を印刷
2000年12月01日

大久野島の大赤筒(9本)の無害化処理について

環境庁は、広島県竹原市忠海町大久野島の横穴壕から回収・保管している旧日本軍の大赤筒(9本)について、12月4日(月)より現在の保管場所(北九州市)において無害化処理を行う。

1 大赤筒(9本)の回収・保管の経緯

(1) 平成11年3月23日、大久野島(環境庁所管地)の横穴壕入口の老朽化による再閉鎖工事のため一部土砂を取り除いたところ、内部に大赤筒らしきものを発見。
(2) 翌日、山陽四国地区国立公園・野生生物事務所(現在の「山陽四国地区自然保護事務所」)が現地調査を行い、壕内から9本の大赤筒を回収し、島内の関係者以外立入禁止の場所に厳重に保管。
(3) 平成12年3月21日、大赤筒(9本)の鑑定調査が行われ、「化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約」(以下、「条約」という。)に基づく「老朽化した化学兵器」に該当することを確認。
(4) 大久野島は、瀬戸内海国立公園の利用拠点の一つとなっており、年間約11万人が利用。大赤筒(9本)については、より厳格な管理体制の下に保管を行う必要があるため、北九州市内の廃棄物処理専門業者に委託し、平成12年8月31日に同業者構内へ運搬するとともに、条約に基づく無害化処理実施までの間、保管。

2 大赤筒(9本)の無害化処理の実施について

(1) 大赤筒(9本)の無害化処理については、[1]数が少なく比較的処理が容易であること、[2]大久野島が当庁の所管地であること等の理由から、環境庁が関係省庁、自治体の協力を得て実施。
(2) 大赤筒の無害化処理に当たっては、各方面との調整を行ってきたが、関係地方公共団体等からも理解が得られ、処理施設の据付、試運転等の準備作業も完了。
(3) こうした状況を踏まえ、環境庁としては、12月4日(月)から大赤筒の無害化処理に着手。

3 大赤筒(9本)の無害化処理について

(1) 大赤筒(9本)の処理については、条約に則り完全な無害化をすることとし、現在の保管場所において、これまでにも処理実績のある方法(薬品による安定化処理の後、焼却による分解無害化処理を行う方法)を用いて、廃棄物処理専門業者に委託して実施。
(2) 無害化処理スケジュールとしては、12月4日(月)から開始し、無害化処理に概ね1ヶ月を要し、処理施設の解体・撤去を含め、平成13年1月中には終了する予定。

添付資料

連絡先
環境庁自然保護局国立公園課
課  長 :田部 和博(内6440)
 補  佐 :吉田 一博(内6441)
 専門官 :萩原 義明(内6438)
 電話代表   :03-3581-3351
 ダイヤルイン :03-5521-8277