報道発表資料

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2009年08月04日
  • 再生循環

循環型社会の形成に向けた「循環型社会地域支援事業」の採択について -平成21年度 循環型社会形成実証事業の公募結果-(お知らせ)

 循環型社会の形成に向けた循環型社会地域支援事業(平成21年度循環型社会形成実証事業)については、全国から54件の応募があり、審査の結果7件の事業を採択しました。

1.事業の経緯及び目的

 大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の低減が図られた「循環型社会」を形成するため、平成12年6月に循環型社会形成推進基本法が公布され、平成20年3月には、同法に基づく新たな第2次循環型社会形成推進基本計画が閣議決定されました。同計画は、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものであり、循環型社会のイメージや具体的な目標を定めるとともに、その達成に向けて、国民、NGO・NPO、事業者、地方公共団体、国等の各主体が相互に連携を図りつつ、積極的な取組を推進していくことを求めています。
 このため環境省では、NGO・NPOや事業者が地方公共団体と連携して行うリデュース、リユース、リサイクルやグリーン購入などの循環型社会の形成に向けた取組で、他の地域のモデルとなるような創意工夫に優れた事業を公募し、実証事業として実施することにより、循環型社会の形成に向けた地域からの取組を促進することとし、本事業を開始しました。
 平成21年度は、2月10日(火)から3月19日(木)にかけて事業を募集し、全国から54件の応募があり、外部学識経験者による審査の結果、7件の事業を採択しました。

2.審査の概要

応募件数:
54件
採択件数:
7件
公募期間:
平成21年2月10日(火)~3月19日(木)

3.採択事業の概要

今年度の概要については以下のとおり。

事業名 事業主体 事業概要
廃棄自転車のリユース、リサイクルとレンタル自転車での観光振興 NPO法人
霧多布湿原トラスト
(北海道浜中町)
廃棄される自転車をリユースして循環利用システムを構成する。
  • 町内で賛同者を募りレンタル自転車の乗り捨てが可能な仕組み作り
  • 旅行者の移動が便利になり、滞在者が増加することで観光振興に寄与
  • 廃棄自転車のリユースを促進、更に廃棄の際は分別、リサイクルの実施
リモネンを溶解剤とする漂着発泡スチロールの回収 東北公益文科大学市田研究室
(山形県酒田市)
塩分が付着することにより、処理に課題がある漂着発泡スチロールのリモネンによる溶解処理等を行う。
  • 塩分が付着した発泡スチロールとリモネンとの反応影響実験
  • 発泡スチロール熔解の際の問題点の検討・改善
  • 果樹農家排出の柑橘果樹からのリモネン抽出実験
  • 溶解した発泡スチロールの再利用方策の検討
プロスポーツによるエコシティ仙台創造プロジェクト みやぎ・環境とくらしネットワーク
(宮城県仙台市)
仙台をホームとするプロスポーツチームの試合等でのごみ発生抑制等3Rの実践を目指す。
  • チーム運営会社、自治体、観客との役割分担しつつ、3R学習イベント、エコステーションボランティア育成、情報提供等の人材育成、環境に配慮するスポーツ興業の実践
  • リデュース推進、リサイクルシステム確立、公共交通利用による温暖化対策
  • 映像、グッズ等を活用した普及啓発を実施
「首都圏における生ごみ全量堆肥化による地域内・循環型社会の形成:市民、行政、企画の連携 NPO法人
町田発・ゼロ・ウェイストの会
(東京都町田市)
町田市内全世帯の生ごみを全量堆肥化することを目指し、休耕田等を利用した堆肥化施設や実験農場の実証、集合住宅への参加働きかけ等を行う。
  • 同様の取組を行うグループの拡大・強化
  • 集合住宅への展開のための説明会、アンケート調査実施
  • 「生ゴミ堆肥化組織」設置
  • ワークショップの開催
竹鶏物語~3Rプロジェクト~ 四日市大学エネルギー環境教育研究会
(三重県四日市市)
大学と行政(四日市市)と民間企業や事業者と市民を食品残さのリサイクルで地域の中でつなぐ。
  • 竹粉・ぬか・魚あら・野菜くず等の廃棄物に分会酵素を添加した飼料の活用
  • 畜舎の床材に竹粉・木質チップに分解酵素を加えたリサイクル材料の使用による養豚・養鶏技術の高度化等
大学、職人、商店街と地域が育む古着再利用事業「かさでらR」プロジェクト かんでらmonzen亭
(愛知県名古屋市)
古着や古布を再利用し、地元の大学の服飾デザイン系の学生や地場産業の職人との連携により、デザインや技の力で付加価値の高いカバンや帽子に蘇らせ、地元商店街で販売することによって、持続可能な循環システムを構築するとともに、他の不用品や再利用システムへと展開していく。
  • 古着からバックや帽子を作る地域住民を対象とした教室を地元職人の技術協力を仰ぎながら大学のカリキュラムとして開催
  • 作品は「かさでらR」ブランドとして商店街内のファッション系店舗やフリーマーケットで販売
  • エコブランドイメージを高めるため愛知万博の後継事業として継続しているEXPOエコマネーの交換商品として提供
沖縄の特性を生かした生ごみループ形成事業-食品循環養豚と堆肥化によるトータルな生ごみ循環システムの構築 沖縄リサイクル運動市民の会
(沖縄県那覇市)
事業系生ごみの完全なリサイクルループを形成することを目的とし、生ごみの飼料化、その飼料で育てた豚の試験販売等を実施する。
  • 事業系生ごみ組成調査
  • 生ごみの飼料化
  • 生ごみ飼料で肥育した豚の試験販売
  • 農家、スーパー、くいまーる事業協同組合、行政担当による検討会

4.今後の予定

 今回採択した事業については、年度末時点での事業の状況を評価した上で、その活動状況を循環型社会白書等を通じて広く一般に周知していく予定です。

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課循環型社会推進室
直通  03-5521-8336
代表  03-3581-3351
室長代行 新田  晃(6814)
補佐 岩山 政史(6820)
担当 相澤、松浦(6819)