報道発表資料

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2008年07月18日
  • 再生循環

循環型社会の形成に向けた「循環型社会地域支援事業」の採択について -平成20年度循環型社会形成実証事業の公募結果-(お知らせ)

循環型社会の形成に向けた循環型社会地域支援事業(平成20年度循環型社会形成実証事業)については、全国から30件の応募があり、審査の結果8件の事業を採択しました。

1.事業の経緯及び目的

 大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の低減が図られた「循環型社会」を形成するため、平成12年6月に循環型社会形成推進基本法が公布され、平成20年3月には、同法に基づく新たな第2次循環型社会形成推進基本計画が閣議決定されました。同計画は、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものであり、循環型社会のイメージや具体的な目標を定めるとともに、その達成に向けて、国民、NGO・NPO、事業者、地方公共団体、国等の各主体が相互に連携を図りつつ、積極的な取組を推進していくことを求めています。
 このため環境省では、NGO・NPOや事業者が地方公共団体と連携して行うリデュース、リユース、リサイクルやグリーン購入などの循環型社会の形成に向けた取組で、他の地域のモデルとなるような創意工夫に優れた事業を公募し、実証事業として実施することにより、循環型社会の形成に向けた地域からの取組を促進することとし、本事業を開始しました。
 平成20年度は、2月8日(金)から3月19日(水)にかけて事業を募集し、全国から30件の応募があり、外部学識経験者による審査の結果、8件の事業を採択しました。

2.審査の概要

応募件数:30件
採択件数:8件
公募期間:平成19年2月8日(金)~3月19日(水)

3.採択事業の概要

今年度の概要については以下のとおり。 

事業名事業主体事業概要
地球に優しい「3R」の世界―その実践と啓蒙活動―壊さないで!考えれば使える!事業 風待ち研究会
(宮城県気仙沼市)
気仙沼市内にある地域的特性の強い、昭和初期に建築された古民家を調査・修理のうえ保存し、地域活動の拠点として利活用する。解体現場から収集した物品等を活用して建物内に展示し、市内の高校生と共に「3R」についての撮影会を開催するなど、3Rの啓蒙活動を行う。また、廃ボトルを活用したキャンドルケースを製作し、気仙沼湾周辺で点灯することで地域の町並みや景観の保存に資する。
横浜市における720ml・900mlガラスびんの統一リユースシステム構築モデル事業 社団法人環境生活文化機構
(東京都港区)
首都圏近郊の横浜市内において、720ml・900mlのガラスびんのリユースシステム(充填・流通・販売・回収・洗浄・再使用)を導入し、特定地域内での回収・資源循環システムを構築し、循環型社会形成及び廃棄物削減、エネルギー節約を図る。また回収効率の変化を調査するとともに、消費者からのアンケート調査や関係者へのヒアリング調査の結果等を分析・評価することにより、他地域におけるリユース容器普及を目指す。 
「なごやリユースステーション」実証事業 名古屋大学大学院環境学研究科竹内研究室
(愛知県名古屋市)
名古屋市内にある既存のリサイクル拠点に、「なごやリユースステーション」を併設し、身近な日用品でリユース可能なものを回収し、地域住民に提供する。また、リユースステーション利用者へのアンケート調査の実施やホームページ等を用いた広報活動を通して、リユースの促進、市内のごみの減量化を図る。
食品循環資源のループ形成によるビジネスモデル構築に関するプロジェクト事業 おかえりやさいプロジェクト
(愛知県名古屋市)
名古屋市内のスーパー、小学校等で排出される食品循環資源を堆肥化し、その堆肥を利用して野菜を生産する。栽培された野菜を「おかえりやさい」として認定し、販売・プロモーション活動を実施し、名古屋市の市場及び給食へ戻す。大都市圏における食品資源循環ループとビジネスモデルの構築を図る。また、ツアー見学を行うなど、モデル事業を環境学習プログラムの場として地域住民に提供する。
薪を利用促進による里山管理インセンティブの創出と灰・煤の再利用のためのネットワーク構築事業 能登半島おらっちゃの里山里海
(石川県珠洲市)
現状では荒廃している里山を整備し、管理を促進する。里山管理によって生じる間伐材を、一般家庭において薪ストーブの燃料として利用する。さらに、薪の燃料利用によって排出される灰・煤を水産物加工、農業等に利用する。里山資源を地域内で循環・再利用するためのシステム作りを行い、未利用資源の利用促進を図ることを目的とする。
市民・企業・NPOの協働によるIT技術と計量器付きごみ収集車を活用した「家庭ごみ」減量に向けた活動システムの実証的開発事業 特定非営利活動法人
こども環境活動支援協会
(兵庫県西宮市)
モデル地域において、住民が排出する家庭ごみ(生ごみやその他のプラスチック等の雑ごみ)を、計量器つきごみ収集車で収集、その量を計測し、インターネット等を活用して、排出ごみに関する情報を各家庭に提供する。また、事業を通じて、住民に家庭ごみに関する意識や行動の変化になどについてアンケート調査を行う。ごみを排出する側の住民と収集する側の収集業者等の各主体が、参画・協働で家庭ごみの減量に取り組めるシステムを構築することで、個人のごみ減量への意識を高め、ごみの排出量の削減を達成する先行事例を創出する。
資源の地産地消で地域コミュニティを再生しますプロジェクト事業 特定非営利活動法人
岡山環境カウンセラー協会
(岡山県倉敷市)
一般廃棄物の最終処分場が満杯に近づいており、ごみの減量化が求められている岡山県津山市において、学校とNPO・地域が協力してごみや雑草(ヨシ)を集積し、それらからペレットを製造し、学校・事業所の暖房や施設園芸(温室)の燃料として利用する。さらに焼却灰を、市民参加によって製作する生ごみ堆肥と混合し、良質な肥料に転用し、農園等で活用する。地域活力の維持のための有機農業の推進と地域に賦存するバイオマスの活用によるエネルギーの地産地消を推進するコミュニティ事業を構築する。
地産地消剪定くず等リサイクル有効活用事業 社団法人みやま市シルバー人材センター
(福岡県みやま市)
シルバー事業活動の中で、発生した剪定屑等を焼却せず粉砕、すり潰すことにより基材として多様に活用し、地域に還元する。剪定屑等を土壌改良材化し、自治体が推進している循環型農業に貢献する。また、基材として、ダンボールコンポスト堆肥作りに活用し、学校の給食残飯を用いた堆肥作りを通して人材センターの高齢者と児童との交流を図るなど、環境意識の高揚・市の活性化・街づくり・人の和の循環を目指す。

4.今後の予定

 今回採択した事業については、年度末時点での事業の状況を評価した上で、その活動状況を循環型社会白書等を通じて広く一般に周知していく予定です。

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課循環型社会推進室
直通  03-5521-8336
代表  03-3581-3351
室長 川上  毅(6898)
補佐 岩山 政史(6899)
担当 松本、上野(6819)