報道発表資料

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2009年08月03日
  • 保健対策

中央環境審議会「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の附属書改正に係る化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく追加措置について(二次答申)」等について(お知らせ)

 平成21年7月23日に開催された第90 回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会において、ペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)(別名PFOS)等9種類(12物質)を化学物質審査規制法に基づく第一種特定化学物質に指定する際に、PFOS又はその塩については特定の半導体関連の用途等に限って使用を認める等の措置を講じることが適当との結論が得られました。この審議結果を踏まえ、中央環境審議会長より環境大臣あてに二次答申がなされました。
 また、今年5月に成立した化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正化審法」という。)により、現行化審法において政令で指定されている表示義務の対象製品に対し、取扱上の技術基準を公表する等の新たな措置を講じることが適当との結論が得られました。この審議結果を踏まえ、中央環境審議会長より環境大臣あてに答申がなされました。

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会、化学物質審議会安全対策部会との合同開催。

1.審議の経緯

 平成21年6月23日に環境大臣が中央環境審議会に対して諮問した「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の附属書改正に係る化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく追加措置について」は、平成21年6月26日に合同開催された「平成21年度第3回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会、化学物質審議会第86回審査部会、第89回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会」において、ストックホルム条約の附属書改正に伴い追加された9 種類の物質(12 物質、下表参照)について、化学物質審査規制法第2条第2項に基づく第一種特定化学物質への指定に係る審議を頂き、一次答申がとりまとめられました。
 これら12物質を第一種特定化学物質に指定するにあたって、化審法上の所要の措置をとる必要があり、7月23日に開催された「平成21年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会【第二部】、平成21年度化学物質審議会第1回安全対策部会、第90回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会」において、ストックホルム条約対応のための化審法に基づく措置について審議を頂き、2次答申がとりまとめられました。(別添1参照)
 また、今年5月に公布された改正化審法において、第二種特定化学物質については、これまで当該物質については環境汚染を防止するための技術上の指針の公表を行うこととしていたところ、政令で定められている当該物質の使用製品についても技術上の指針を公表することが新たに定められました。また、従来第二種特定化学物質の取扱事業者が、当該物質による環境汚染防止のための措置等についての表示義務の対象となっていたところ、今後は当該物質使用製品の取扱事業者も表示義務の対象とすることが定められました。これを受け、技術上の指針を公表し、表示の義務をかける第二種特定化学物質使用製品の指定についても審議を頂き、答申がとりまとめられました。(別添2参照)

(注)
12物質は以下のとおり。(ストックホルム条約の附属書に追加された9種類の物質は、下記の[1]と[2]、[9]と[10]、[11]と[12]を1種類とした場合の数)
[1]
ペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)(別名PFOS)又はその塩
[2]
ペルフルオロ(オクタン-1-スルホニル)=フルオリド(別名PFOSF)
[3]
ペンタクロロベンゼン
[4]
-1,-2,-3,-4,-5,-6-ヘキサクロロシクロヘキサン(別名α-ヘキサクロロシクロヘキサン)
[5]
-1,-2,-3,-4,-5,-6-ヘキサクロロシクロヘキサン(別名β-ヘキサクロロシクロヘキサン)
[6]
-1,-2,-3,-4,-5,-6-ヘキサクロロシクロヘキサン(別名γ-ヘキサクロロシクロヘキサン又はリンデン)
[7]
デカクロロペンタシクロ[5.3.0.02,6.03,9.04,8]デカン-5-オン(別名クロルデコン)
[8]
ヘキサブロモビフェニル
[9]
テトラブロモ(フェノキシベンゼン)(別名テトラブロモジフェニルエーテル)
[10]
ペンタブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ペンタブロモジフェニルエーテル)
[11]
ヘキサブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ヘキサブロモジフェニルエーテル)
[12]
ヘプタブロモ(フェノキシベンゼン)(別名ヘプタブロモジフェニルエーテル)

2.答申の概要

第一種特定化学物質を使用することができる用途(改正化審法第14条)

第一種特定化学物質 用途
PFOS又はその塩 半導体用のレジストの製造
エッチング剤(圧電フィルタ用又は高周波に用いる化合物半導体用のものに限る。)の製造
業務用写真フィルムの製造
用途についての表現の仕方は今後、変更がありうる。

第一種特定化学物質が使用されている場合に技術上の指針等に従わなければならない製品(改正化審法第17条)

第一種特定化学物質 製品
PFOS又はその塩 半導体用のレジスト
エッチング剤(圧電フィルタ用又は高周波に用いる化合物半導体用のものに限る。)
業務用写真フィルム
泡消火薬剤、消火器用消火薬剤(業務用のものに限る。)及び業務用消火器
製品についての表現の仕方は今後、変更がありうる。

第一種特定化学物質が使用されている場合に輸入することができない製品(改正化審法第13条)

第一種特定化学物質 製品
PFOS又はその塩 航空機用の作動油
紡糸用の処理剤
金属用又は半導体(高周波に用いる化合物半導体を除く。)用のエッチング剤
工業用のメッキ処理剤
半導体用の製造に使用する反射防止剤
工業用の研磨剤
泡消火薬剤、消火器用消火薬剤(業務用のものに限る。)及び業務用消火器
防虫剤(ありの防除用のものに限る。)
印画紙
テトラブロモジフェニルエーテル 塗料
接着剤
ペンタブロモジフェニルエーテル 塗料
接着剤
製品についての表現の仕方は今後、変更がありうる。

第二種特定化学物質が使用されている場合に技術上の指針の公表等を行う製品(改正化審法第27条))

第二種特定化学物質 製品
トリクロロエチレン
1.
接着剤(動植物系のものを除く。)
2.
塗料(水系塗料を除く。)
3.
金属加工油
4.
洗浄剤
テトラクロロエチレン
1.
加硫剤
2.
接着剤(動植物系のものを除く。)
3.
塗料(水系塗料を除く。)
4.
洗浄剤
5.
繊維製品用仕上加工剤
トリブチルスズ化合物
1.
防腐剤及びかび防止剤
2.
塗料(貝類、藻類その他の水中の生物の付着防止用のものに限る。)

3.今後の予定

 環境省、厚生労働省及び経済産業省は、今後、審議の結果を踏まえた関係政令案についてパブリックコメントを実施した上で、必要な手続きを経て、来年4月を目途に、12物質について第一種特定化学物質に追加指定するとともに、これらの必要な措置を講じる予定です。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8253
室長 和田篤也 (内線6309)
補佐 小岩真之 (内線6324)
担当 末次貴志子(内線6329)

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