報道発表資料

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2021年04月19日

環境保護に関する南極条約議定書に基づきニュージーランド国政府及びトルコ国政府から送付された包括的環境影響評価書案の公表及び意見の募集について

 1997年に我が国が締結した環境保護に関する南極条約議定書では、同議定書締約国が南極地域において環境影響が一定程度以上となるおそれがある活動を行おうとする場合に、包括的な環境影響評価書の案を作成し、他の締約国に送付すること、また、送付を受けた締約国は、これを公表し、自国民からの意見を収集することが定められています。

 今般、ニュージーランド国政府及びトルコ国政府から、基地の建設及び運用に関する包括的環境影響評価書案がそれぞれ送付されましたので、これらを公表するとともに、当該評価書案に対する意見を募集します。

1.環境保護に関する南極条約議定書に基づく包括的環境影響評価書案について

 環境保護に関する南極条約議定書(以下、「議定書」という。)は、南極の環境並びにこれに依存し及び関連する生態系を包括的に保護するため、1991年に採択され、1998年に発効しました。

 議定書では、南極条約地域(南緯60度以南の地域)における全ての活動について、南極の環境又はこれに依存し若しくは関連する生態系に及ぼす影響に関する事前の評価を行うことが規定されており、活動の影響が軽微なまたは一時的な影響を上回るおそれがあると判断された場合には、包括的環境影響評価書を作成することとされています。

 包括的環境影響評価書案を作成した場合、当該締約国は、議定書附属書Ⅰ第3条3に基づき、これを公表し、意見を求めるため全ての締約国に送付することとされています。送付を受けた締約国は、これを自国民に対して公表する義務を負う一方、評価書案を作成した締約国に対して意見を送付することができます。

 その後、各締約国からの意見、南極条約協議国会議環境保護委員会の助言及び南極条約協議国会議(令和3年度は6月に開催予定。)において提出された意見を反映させた最終的な包括的環境影響評価書を作成した後、当該評価書に従い、実際の活動が実施されることとなります。

2.ニュージーランド国政府及びトルコ国政府から送付された包括的環境影響評価書案の概要について

今般、ニュージーランド国政府及びトルコ国政府から送付された包括的環境影響評価書案の概要はそれぞれ以下の通りです。

ニュージーランド国政府から送付された包括的環境影響評価書案

① 表題

 スコット基地再開発に関する包括的環境影響評価書案

② 作成者

 ニュージーランド南極研究所(Antarctica New Zealand)

③ 当該活動の目的

 既存のスコット基地について、施設や周辺設備が耐用年数に達し安全や環境へのリスクが増大していることから再開発を行うもの。

④ 環境影響評価の対象となる活動

 スコット基地の再開発及び風力発電設備の交換

⑤ 環境影響評価の概要

 本活動が南極環境に与える影響は、軽微又は一時的な影響を上回る可能性が高い。一方で、本活動により、安全性、環境保護、科学支援能力の向上などというプラスの影響が、マイナスの影響よりも大きいことから、本活動を推進するべきと結論。

トルコ国政府から送付された包括的環境影響評価書案

① 表題

 トルコ南極観測基地(TARS)の建設と運用に関する包括的環境影響評価書案

② 作成者

 トルコ共和国環境都市計画省、トルコ共和国産業技術省、トルコ科学技術研究機構マルマラ研究センター極地研究所、イスタンブール工科大学

③ 当該活動の目的

 南極地域における研究・科学観測のための基地建設

④ 環境影響評価の対象となる活動

 トルコ南極観測基地(TARS)の建設及び運用

⑤ 環境影響評価の概要

 トルコ南極観測基地(TARS)の建設・運営は南極の環境に影響を与えるものであるが、本活動の保護対策を実施することで起こり得る影響を最小限に抑えることができる。TARSの設立はメリットがデメリットを上回るものから本活動は進めるべきと結論。

3.意見募集要項

意見募集対象

  • スコット基地再開発に関する包括的環境影響評価書案(英語)
  • トルコ南極観測基地(TARS)の建設と運用に関する包括的環境影響評価書案(英語)

意見募集期間

 令和3年4月19日(月)~令和3年5月7日(金)

 ※郵送の場合は同日必着

意見提出方法

 (意見提出用紙)の様式により、以下に掲げるいずれかの方法で提出してください。

  • 郵送
  • ファックス
  • 電子メール

    (意見提出用紙)

    [宛先]環境省自然環境局自然環境計画課

        国際森林・乾燥地・極地生態系保全対策係 宛て

    [氏名](企業・団体の場合は、企業・団体名、部署名及び担当者名)

    [郵便番号・住所]

    [電話番号]

    [ファックス番号]

    [意見]

     意見内容及び理由

     ※ 活動の実施に当たり、環境保全の観点から、留意すべき事項等を具体的に記述してください。

     ※ 使用言語は日本語又は英語のいずれかとしてください。

※ 電話での意見提出はお受けしかねますので、あらかじめ御了承ください。

※ 御提出いただきました御意見については、名前、住所、電話番号、FAX番号及び電子メールアドレスを除き、全て公開される可能性があることを、あらかじめ御承知おきください。ただし、御意見中に、個人に関する情報であって特定の個人が識別し得る記述がある場合及び法人等の財産権等を害するおそれがあると判断される場合には、公表の際に該当箇所を伏させていただくこともあります。

※ 締切日までに到着しなかったもの及び下記に該当する内容については無効とします。

 ・ 個人や特定の団体を誹謗中傷するような内容

 ・ 個人や特定の団体の財産及びプライバシーを侵害する内容

 ・ 個人や特定の団体の著作権を侵害する内容

 ・ 法律に反する意見、公序良俗に反する行為及び犯罪的な行為に結びつく内容

 ・ 営業活動等営利を目的とした内容 等

※ なお、御意見に対する個別の回答はいたしかねますので御了承ください。

意見提出先

 環境省自然環境局自然環境計画課国際森林・乾燥地・極地生態系保全対策係 あて

  • 郵送の場合 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
  • ファックスの場合 03-35913228
  • 電子メールの場合 antarctic@env.go.jp

添付資料

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8274
  • 課長植田 明浩(内線 6430)
  • 専門官市塚 友香(内線 6432)
  • 係長萱島 拓郎(内線 6433)

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