報道発表資料

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2020年09月29日
  • 地球環境

平成31年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査の結果(速報値)について

 環境省では、家庭部門の詳細なCO2排出実態等を把握し、地球温暖化対策の企画・立案に資する基礎資料を得ることを目的に、平成29年度から統計法に基づく一般統計調査として、「家庭部門のCO2排出実態統計調査」を実施しています。
 今般、3回目となる平成31年度(令和元年度)の調査結果(速報値)を取りまとめました。
 この調査は、各世帯の世帯構成、住宅の建て方、電気・ガス等のエネルギー消費量や家電製品別の使用状況等、延べ496項目にわたって詳細に調査しています。
 調査結果の1つである世帯あたりの年間CO2排出量は、2.80 t-CO2で、前年度比3.4%減(平成29年度比12.5%減)でした。この調査では、照明、給湯器、冷蔵庫等の機器の使用状況についても調査していますが、それらとCO2排出量との詳細な要因分析は確報値において行う予定です。
 この調査結果について、地方公共団体、大学をはじめ様々な主体に活用いただくことを期待しています。併せて、環境省では、この調査を継続するとともに、対策強化の検討など、調査結果の更なる活用を進めていきます。

 ※今回公表する速報値では、電気のCO2排出係数が前年度(平成30年度)値となっています。詳細は「7.確報値について」を御参照ください。

1. 調査の趣旨について

 我が国では、地球温暖化対策計画(平成28年5月13日閣議決定)において、2030年度の温室効果ガス排出量について、2013年度比26.0%減(2005年度比25.4%減)することが目標として掲げられており、家庭部門では、約4割削減することが目安とされています。また、国連気候変動枠組条約に基づき、温室効果ガスの排出・吸収量目録の提出とともに、その精緻化が求められているところです。

 このような背景を踏まえ、本調査は、家庭部門の詳細なCO2排出実態等を把握し、地球温暖化対策の企画・立案に資する基礎資料を得ることを目的としています。

 なお、本調査は、統計法(平成19年法律第53号)に基づく一般統計調査として実施しました。平成26年10月から平成27年9月には試験調査を実施し、平成29年度から本格調査として行っています。

 ※過去の試験調査結果:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/kateitokei.html

2. 調査の概要について

(1) 調査の名称:家庭部門のCO2排出実態統計調査
(2) 調査方法:住民基本台帳からの無作為抽出と、インターネット調査モニターからの選定(有意抽出)の2つの方法によって調査対象世帯を選定
(3) 調査対象:全国10地方の店舗等併用住宅以外の住宅に住む主世帯
(4) 調査対象期間:平成31年4月~令和2年3月
(5) 調査世帯数:13,000世帯
(6) 集計世帯数: 9,660世帯(有効回答率74.3%)
(7) 調査・推計事項:次に掲げる事項等を調査
           CO2排出量については調査により得られた結果等を利用して推計
① 月別のCO2排出量を推計するためのエネルギー使用量等について(電気、ガス、灯油、ガソリン、軽油)
② 太陽光発電について(月別の発電量、売電量、太陽電池の総容量)
③ 世帯について(世帯員、平日昼間の在宅者、世帯年収)
④ 住宅について(建て方、建築時期、所有関係、延床面積、居室数、二重サッシ・複層ガラスの窓の有無)
⑤ 家電製品等について(テレビ・冷蔵庫・エアコン等の使用状況、家電製品に関する省エネ行動、使用場所毎の照明種類、照明に関する省エネ行動)
⑥ 給湯について(給湯器の種類、冬と夏の入浴状況、入浴やお湯の使用に関わる省エネ行動)
⑦ コンロ・調理について(コンロの種類、用意する食事の数、調理に関する省エネ行動)
⑧ 車両について(自動車等の使用状況、燃料の種類、排気量、実燃費、使用頻度、年間走行距離、自動車に関する省エネ行動)
⑨ 暖房機器について(保有状況、使用状況)

3. 調査の特長について

 従来の調査・統計においては、家庭におけるCO2排出量やエネルギー消費量とその説明要因(居住人数や住宅の建て方、保有する機器等)が別々に把握されていました。

 本調査により、家庭からのCO2排出量やエネルギー消費量の把握に加え、世帯のCO2排出量やエネルギー消費量とその説明要因や冷房・暖房の設定温度、省エネ行動の実施状況等を一体的に把握することで、家庭におけるCO2の排出実態を精緻に把握することが可能になります。

4. 結果の例

 世帯当たりの年間CO2排出量は2.80 t-CO2であり、電気の使用によるCO2排出量がエネルギー種別で最大の67.1%を占めています。

図1 世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量・構成比(全国)

(注)調査の対象期間は平成31年4月~令和23月の1年間である。

5. 平成31年度(令和元年度)調査結果(速報値)の経年比較例(参考)

 平成31年度(令和元年度)調査(速報値)を経年で比較すると、世帯当たり年間CO2排出量は前年度比から3.4%減(平成29年度比12.5%減)でした。

図2 世帯当たり年間エネルギー種別CO2排出量の推移

6. 今後の活用について

 本調査については、継続して調査を実施することでデータを蓄積し、以下のような活用を検討しています。

  ・「COOL CHOICE」をはじめとする家庭部門の地球温暖化対策の企画・立案

  ・日本の温室効果ガス排出量の算定方法及び増減要因分析の精緻化

 また、統計法第33条第1項の規定に基づき、地方公共団体、大学等に対して、調査対象の秘密の保護を図った上で、調査票情報の提供が可能です。

7. 確報値について

 今回公表する結果(速報値)では、電気のCO2排出係数が前年度(平成30年度)値となっています。

 事業者ごとの電気のCO2排出係数の公表後に、再計算を行い、確報値を公表する予定です(年度内を予定)。

 確報値公表の際には、政府統計の総合窓口(e-Stat)に統計表を掲載する予定です。

 また、確報値は、オーダーメード集計を利用可能とする予定です。

※ オーダーメード集計:学術研究の発展に資すると認められる場合等において、既存の統計調査で得られた調査票データを活用して、調査実施機関等が申出者からの委託を受けて、そのオーダーに基づいた新たな統計を集計・作成し、提供するもの

添付資料

連絡先

環境省地球環境局総務課脱炭素社会移行推進室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8244
  • 室長坂口芳輝(内線 6740)
  • 主査後藤晃宏(内線 6768)
  • 担当権田優(内線 6741)

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