報道発表資料

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2020年03月17日
  • 再生循環

台風19号による除去土壌等の仮置場等の被災状況の点検結果等について

 令和元年東日本台風(台風19号)に伴う大雨により、除去土壌等を保管する仮置場から大型土のう袋の一部が河川に流出したことを受けて、環境省は全ての仮置場について総点検を実施しました(令和元年12月~令和2年2月)。総点検の結果及び今後の対応は、以下のとおりです。

○仮置場の総点検の方法
 令和元年11月末時点で除去土壌等を保管中の全ての仮置場765箇所(うち福島県外44箇所)を対象として、地図情報に基づき河川近傍や浸水想定区域等に立地する仮置場322箇所を抽出した上で、現地調査、専門家の意見等を踏まえ、流出可能性を分析しました。

○総点検の結果と今後の対応
 分析の結果、流出防止等対策が必要な仮置場が12箇所(全て福島県内)あることを確認しました。これらの仮置場について、環境省と自治体が連携・調整して対策内容の詳細を決定し、本年5月末までに対策を実施します。
 また、全ての仮置場について、日常の点検・管理や、豪雨等の災害の発生が予想される場合の事前措置の実施等を徹底します。

1.仮置場の総点検の結果

 (1)流出等リスクに関する調査

  ①一次調査(水害等のリスクのある仮置場の抽出(机上調査))

   令和元年東日本台風時に管理中だった996箇所(国管理236箇所、市町村管理760箇所)のうち、令和元 

  年11月末時点で除去土壌等を搬出済みの231箇所を除いた765箇所(うち福島県外44箇所)について、地図

  情報に基づき河川近傍や浸水想定区域等に立地する仮置場322箇所(うち福島県外13箇所)を抽出しまし

  た。

  ②二次調査(流出防止等対策が必要な仮置場の抽出(現地調査等))

   一次調査で抽出した仮置場について、以下の要因による流出可能性を分析するための現地調査を行いまし

  た。

 「浸水・流水」:令和元年東日本台風相当の降雨があった場合に、保管施設周辺で一定以上の浸水や流水が発

         生し、保管物が流出するおそれがある

 「河岸浸食」:令和元年東日本台風相当の降雨があった場合に、河岸浸食が発生し、保管物が河川に転落し、

        流出する可能性がある

 「斜面崩壊」:斜面崩壊の土砂により、保管物が損傷する、又は河川等に流出する可能性がある

 「土石流」:土石流により、保管物が損傷する、又は河川等に流出する可能性がある

  現地調査において確認した仮置場ごとに想定される災害事象、既往の対策内容等の情報をもとに、専門家の

 意見を踏まえ、流出可能性について分析した結果、流出防止等対策が必要な仮置場が12箇所(全て福島県

 内)あることが確認されました。

 ※詳細については参考資料参照。

(2)仮置場の管理実態に関する調査

  市町村管理の仮置場の点検及び管理の体制について、福島県が関係市町村21市町村(令和元年11月末時点

 で除去土壌等を保管していた市町村)にアンケート調査を行ったところ、その全ての市町村で、定期的な仮置

 場の点検に加えて、令和元年東日本台風時に事前の点検が行われていたことが確認されました。

  なお、令和元年東日本台風による被災当時、大型土のう袋の流出が発生した4箇所の仮置場のうち3箇所に

 おいて、積み込み作業中であったこと等の事情により保管物が上部遮水シートで完全に被覆された状態になっ

 ておらず、このことが、今般の流出の原因の一つであったと考えられます。

2.今後の対応

(1) 流出防止等対策の実施

 ①早期搬出等の実施

  流出防止等対策が必要な仮置場については、関係市町村、福島県及び環境省福島地方環境事務所において調

 整した上で、令和2年5月末までに、下記対策のいずれかを速やかに実施します。

  1)中間貯蔵施設、焼却施設又は流出可能性が低い仮置場等への搬出

  2)同じ仮置場内の流出可能性が低い場所への移設

  3)柵の設置等による大型土のう袋の流出防止対策、土のう等の設置による流入水及び流入土砂の減勢対策

 ②仮置場の管理に関する指針の見直し

  仮置場の管理に関する指針について、①の対策を実施する上で参考となる事例を掲載するなどの見直しを行

 い、市町村に対して周知を行います。

(2)点検・管理の徹底

  以下の内容について、市町村等に対して改めて周知・徹底を行います。

 ①日常の点検・管理の徹底

  1)定期的に保管施設及び周辺地盤の目視点検を行い、外観上の異常が確認された場合は速やかに補修する

   こと。

  (外観上の異常の例)

   ・斜面や法面の崩れ

   ・地表水排水溝の閉塞、通水障害

   ・上部遮水シートのめくれ、損傷、劣化

   ・フェンスの損傷 等

  2)除去土壌等の積み込み時は、一度に全ての上部遮水シートを剥がすことなく、作業進捗に合わせて必要

   最小限の上部遮水シートを撤去すること。

  3)保管記録の作成・管理等について、関係者の連携・協力のもと適正に実施すること。

 ②災害時の事前措置等の対応

  除去土壌等の仮置場又は現場保管場所について、気象予報から豪雨等の自然災害の発生が予想される場合

 に、以下の必要な事前措置を確実に実施すること。

  1)関係行政機関、協力業者等の役割分担と相互の連絡体制を改めて確認するとともに、自然災害の発生が

   予想される場合は、前もって保管場所を点検し、必要に応じて応急補修等の事前の防護措置を行うこと。

  2)積み込み作業中であること等により上部遮水シートで覆われていない大型土のう袋について、複数の袋

   の吊りひもにロープを通し連結した上で杭や現場にある重機等に固定するよう、搬出事業者に指示するこ

   と。

 ③環境省から市町村へのアウトリーチ

  市町村管理の仮置場に関し、各市町村の実情も踏まえ、以下の事項について、必要に応じて環境省と関係自

 治体が協力して実施する体制を構築します。

  1)全ての保管記録の定期的な確認

  2)保管施設及び周辺地盤の目視点検の定期的な実施

  3)自然災害が予想される場合の保管施設の点検・補修等の事前措置

添付資料

連絡先

環境省環境再生・資源循環局環境再生施設整備担当参事官室中間貯蔵施設チーム

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-9249
  • チーム次長笠井 雅広(内線 7506)
  • 参事官補佐髙橋 亮介(内線 7602)
  • 参事官補佐髙木 圭介(内線 7538)
  • 担当小佐野昂生(内線 7528)

環境省福島地方環境事務所 環境再生課・市町村支援室

  • 代表024-573-7330
  • 直通024-563-1307
  • 室長和田 充和
  • 担当折口 直也

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