報道発表資料
- 保健対策
中央環境審議会「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の附属書改正に係る化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく追加措置について(第二次答申)」について
この審議結果を踏まえ、中央環境審議会長から環境大臣に対し、第二次答申がなされました。
1.経緯
令和元年7月4日に、環境大臣が中央環境審議会長に対して、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の附属書改正に係る化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく追加措置について(諮問)」を諮問しました。これを受けて、同年8月19日に中央環境審議会長から環境大臣に対し、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の附属書改正により条約の対象に追加された2物質群(ジコホル・ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質)について、法第2条第2項に規定する第一種特定化学物質に指定することが適当であるとの第一次答申がなされました。
また、同年9月20日(金)に開催された第197回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会において、当該2物質群の第一種特定化学物質への指定と併せて、以下の追加措置を講じることが適当であるとの結論が出されました。
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PFOAとその塩及びPFOA関連物質について別表のとおり輸入禁止製品を定める
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PFOA関連物質のうち、医薬品の製造を目的としたペルフルオロオクタンブロミド(PFOB)の製造のためのペルフルオロオクタンヨージド(PFOI)の使用を認める
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PFOAとその塩及びPFOA関連物質が使用されている消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤の取扱事業者に対し、取扱いに係る技術上の基準への適合義務を課す
この審議結果を踏まえ、本日、中央環境審議会長から環境大臣に対し、第二次答申がなされました。(別添のとおり)
なお、経済産業省においては、同年9月20日に開催された化学物質審議会令和元年度第3回安全対策会で、厚生労働省においては、同日に開催された令和元年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会で審議され、本答申と同様に、当該2物質群の第一種特定化学物質の指定と併せて上記の追加措置を講じることが適当であるとの結論が出されています。
2.今後の予定
上述の追加措置については、当該2物質群の第一種特定化学物質への指定と併せて、以下に示したスケジュールによりパブリックコメント等を実施した上で、政令の改正・施行を行います。なお、パブリックコメント等において当該2物質群の製造、使用等に係る新たな実態・事例が判明した場合、上述の措置の追加を行うことも検討する必要があります。
【参考】 今後の予定 (不確定要素を含むため、前後する可能性がある。)
令和元年12月頃 政令の改正に関するパブリックコメント、TBT通報※
令和2年2月頃 政令の公布
令和2年4月頃 ジコホル、PFOAとその塩及びPFOA関連物質の第一種特定化学物質の指定並び に追加措置②及び③の施行
令和2年10月頃 追加措置①の施行
※世界貿易機関(WTO)の貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)に基づき、WTO事務局に本件を通報しWTO加盟国から意見を受付。
<関連Webページ>
・中央環境審議会「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の附属書改正に係る化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく追加措置について(第一次答申)」について
(https://www.env.go.jp/press/107074.html)
・令和元年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 令和元年度化学物質審議会第1回安全対策部会・第189回審査部会 第196回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会合同開催について
(https://www.env.go.jp/press/107001.html)
・令和元年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 令和元年度化学物質審議会第3回安全対策部会・第190回審査部会 第197回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会合同開催について
(別表)
PFOAとその塩及びPFOA関連物質が使用されている場合に
輸入を禁止することが適当とされた製品
第一種特定化学物質 |
製品 |
ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩 |
・ フロアワックス ・ 撥水撥油加工をした生地 ・ 撥水撥油加工をした衣服 ・ 撥水撥油加工をしたカーペット ・ 接着剤及びシーリング用の充填料 ・ コーティング剤 ・ 塗料、ニス ・ トナー ・ 洗浄剤 ・ 業務用写真フィルム ・ 耐水・耐油処理をした加工紙 ・ 半導体の製造に使用する反射防止剤 ・ 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤 |
炭素原子に結合するペンタデカフルオロアルキル基(アルキル基の炭素数が7のものに限る。)を含む化合物 ただし、以下の化合物を除く。 ・ オクタデカフルオロアルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、クロロ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。)、ブロモ(ヘプタデカフルオロ)アルカン(アルカンの炭素数が8のものに限る。) ・ ペルフルオロアルキル基(アルキル基は直鎖であり、炭素数が17を超えるものに限る。)を有する化合物 ・ ペルフルオロアルカンカルボン酸(アルカンカルボン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。) ・ ペルフルオロアルキルホスホン酸(アルキルホスホン酸の炭素数が8以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。) ・ ペルフルオロアルカンスルホン酸(アルカンスルホン酸の炭素数が9以上のものに限る。これらの塩、エステル、酸ハロゲン化物、無水物を含む。) ・ ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とその塩、又はペルフルオロオクタンスルホニルフルオリド(PFOSF) |
・ フロアワックス ・ 繊維製品用保護剤及び 防汚剤 ・ 撥水撥油剤 ・ 撥水撥油加工をした繊 維製品 ・ 消泡剤 ・ コーティング剤 ・ 光ファイバー又はその表面コーティング剤 ・ 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤 |
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製品についての表現の仕方は今後変更がありうる。
添付資料
連絡先
環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室
- 代表03-3581-3351
- 直通03-5521-8253
- 室長柳田 貴広(内線 6309)
- 室長補佐櫻井 希実(内線 6324)
- 担当寺石 杏映(内線 6367)