報道発表資料

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1997年10月09日

平成8年度大気汚染状況について

我が国においては、大気汚染防止法に基づき、都道府県及び大気汚染防止法上の政令市により、全国2,137の測定局(平成8年度末現在、一般環境大気測定局(一般局):1,732局、自動車排出ガス測定局(自排局):405局)において大気汚染の常時監視が行われている。
 環境庁がとりまとめたこれらの測定局における平成8年度の測定結果によると、大気環境基準設定物質のうち、二酸化硫黄及び一酸化炭素による汚染については近年良好な状態が続いているものの、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び光化学オキシダントによる汚染については大都市地域を中心に依然として厳しい状況にある。
 環境庁としては、環境基準の早期達成に向けて今後とも、固定発生源、自動車単体対策及び交通公害対策を総合的かつ一層強力に推進していくこととしている。

1.二酸化窒素(NO2)
 環境基準達成測定局数の割合は、一般局で96.4%、自排局で64.6%であり、平成7年度(一般局:97.5%、自排局:70.5%)に比べてやや減少しており、東京、横浜、大阪等の大都市地域を中心に環境基準の達成状況は依然として低い水準となっている。また、高濃度が測定された測定局は都心部に集中している。

2.浮遊粒子状物質(SPM)
 環境基準達成測定局数の割合は、一般局で69.8%、自排局で41.9%であり、平成7年度(一般局:63.5%、自排局:35.2%)に比べてやや上昇したものの、大都市地域を中心に環境基準の達成状況は依然として低い水準となっており、特に関東地域における達成状況が芳しくな い。また、関東地域においては、埼玉県等都心周辺部で高濃度が測定された測定局が多い。

3.光化学オキシダント(Ox)
 ほとんどの測定局で環境基準が達成されておらず、達成状況は依然として極めて低い水準となっている。また、関東地域及び関西地域における高濃度の出現日数は大都市の外縁部において多くなっており、光化学大気汚染の「広域的な」汚染傾向が認められている。

4.二酸化硫黄(SO2)
 近年、ほとんどの測定局で環境基準を達成しており、良好な状況が続いている。

5.一酸化炭素(CO)
 近年、すべての測定局で環境基準を達成しており、良好な状況が続いている。
<参考>環境基準とその評価方法

1.環境基準
項  目 環 境 上 の 条 件
二酸化窒素 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内
又はそれ以下であること。
浮遊粒子状物質 1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、
1時間値が0.20mg/m3以下であること。
光化学オキシダント 1時間値が0.06ppm以下であること。
二酸化硫黄 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、
1時間値が0.1ppm以下であること。
一酸化炭素 1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、
1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。

注)ベンゼン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンについては、平成9年2月4日、大気の汚染に係る環境基準が設定され、平成9年度より地方自治体における測定が開始されたところであるため、本表からは除いてある。

2.評価方法
(1) 短期的評価(二酸化窒素を除く。)
 測定を行った日についての1時間値の1日平均値若しくは8時間平均値又は各1時間値を環境基準と比較して評価を行う。
(2) 長期的評価
  ア 二酸化窒素
 1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち、低い方から数えて98%目に当たる値(1日平均値の年間98%値)を環境基準と比較して評価を行う。
  イ 浮遊粒子状物質、二酸化硫黄及び一酸化炭素 1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち、高い方から数えて2%の範囲にある測定値を除外した後の最高値(1日平均値の年間2%除外値)を環境基準と比較して評価を行う。
 ただし、環境基準を超える日が2日以上連続した場合には非達成と評価する。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局大気規制課
課長   飯島 孝  (6530)
 担当   小野 洋  (6548)

環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課長   三宅 哲志 (6550)
 担当   印南 朋浩 (6551)