報道発表資料

この記事を印刷
2018年06月01日
  • 自然環境

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律等の施行について

平成30年6月1日(金)に、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律」及び関連する政省令が施行されました。今回の改正により、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための施策が一層強化されます。

1 改正法の概要

(1)「特定第二種国内希少野生動植物種」制度の創設

 ・二次的自然に分布する種も積極的に保全するため、販売・頒布の目的での捕獲等のみが禁止される「特定第二種国内希少野生動植物種」制度が創設されました。

(2)「認定希少種保全動植物園等」制度の創設

 ・希少種の保護増殖という点で、適切な施設及び能力を有する動植物園等を認定する制度が創設されました。

 ・認定により、譲渡し等の規制が緩和されること等を通じて、希少種の生息域外保全の促進が図られます。また、多くの来園者が訪れる動植物園等が本制度を活用し種の保存に取り組むことで、動植物園等による公的機能の明確化や希少種に関する環境教育・普及啓発の促進等も期待されます。

(3)国際希少野生動植物種の登録手続の改善

 ・国際希少野生動植物種の生きている個体の登録について、新たに登録の有効期限を設定し更新制とすることで登録票の不正な流用を防止します。

 ・必要かつ可能な種について個体識別措置を導入し、登録票と登録個体の対応関係を強化します。

(4)象牙製品を取り扱う事業者の登録制度の創設

 象牙製品等を取り扱う事業を特別国際事業とし、届出制から登録制に移行することで管理を強化します。具体的には以下のような管理強化が図られます。

 ・象牙取扱事業者が所有する全形牙の登録の義務化

 ・象牙のカットピース等(1kg以上かつ20cm以上)の管理票作成を義務化

 ・象牙製品等の陳列・広告時に、事業者登録番号や事業者の氏名又は名称、登録の有効期間の満了日等の表示を義務化

 ・象牙取扱事業者登録簿の公表

 ・象牙取扱事業者が法律上の義務に違反した場合の罰則等の強化

(最長5年の懲役刑の新設、罰金を最大1億円(法人の場合)に引き上げるほか、登録取消しを含む行政処分の新設)

 

 

2 象牙等を含む希少野生動植物種の取引に関する対応について

 ○希少野生動植物の取引監視及び取締りを強化するため、象牙等の取引監視を中心に行う、いわゆる「象牙取引監視G(ジー)メン」を4名増員します。

 ○国内に存在する象牙の更なる管理の強化を図るため、個人の所有に係るものを含む国内在庫量の把握を目的とした象牙在庫把握キャンペーンを平成29年8月より実施してきており、今月よりその一層の周知を図り、改正法施行後一年程度継続します。

 ○キャンペーンの終了後、象牙を含む国際希少野生動植物種の登録審査方法をより厳格化する予定です。現在、規制適用日以前に取得したことを確認するための証明方法について、公的書類以外による証明方法の見直しを含めた登録審査の厳格化についての検討を行っています。

 

(参考) 象牙在庫把握キャンペーンの概要

 全形を保持した象牙の個人所有者に対し、チラシ及び広報紙により在庫把握を進めていることを周知し、あわせて種の保存法第20条に基づく登録を呼びかけています。

※本キャンペーンは既に終了しています。
 象牙等の取引については、環境省ウェブサイト 象牙(全形牙)・象牙製品の取引制度について
 (https://www.env.go.jp/nature/kisho/kisei/species/trade/system-ivory/)を御参照ください。
 

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
直通 03-5521-8283
代表 03-3581-3351
課長    堀上 勝  (内線6460)
課長補佐  佐藤 大樹 (内線7475)
室長補佐  松尾 浩司 (内線6464)
係長    木村 麻里子(内線6462)