環境測定分析統一精度管理調査に関する平成29年度調査結果の取りまとめについて

１．平成29年度調査結果の概要

　平成29年度は、次の項目について調査を実施しました。

（１）基本精度管理調査の調査項目

　・模擬排水試料　　COD、BOD、ふっ素、ほう素、TOC

　・模擬排ガス試料　窒素酸化物（NOx）、硫黄酸化物（SOx）

（２）高等精度管理調査の調査項目

・模擬水質試料　　揮発性有機化合物（1,1-ジクロロエチレン、ジクロロメタン、 トランス-1,2-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン）

　参加機関は公的機関が133、民間機関が375の計508機関でした。

　CODでは添加する銀塩が硫酸塩の場合に硝酸塩の場合よりもやや高くなる傾向が確認されました。BODでは希釈液の活性度確認の重要性が明確になりました。ふっ素では蒸留前処理操作を実施しないために過半数が低値を示し、日常、適切な分析が実施されていない可能性が懸念されました。ほう素では測定方法によって平均値の違いがみられ、測定方法の選択が測定結果に及ぼす影響に留意する必要があることが示唆されました。SOxでは試料到着後に速やかに分析を行う事の必要性が示唆されました。揮発性有機化合物では、沸点が低く揮発性が高い成分の測定の際には、標準液の調製を適切な条件下で素早く行う事の必要性が示唆されました。

　なお、環境測定分析検討会においてとりまとめられた「概要」について、その詳細を環境測定分析統一精度管理調査ウェブサイトのトップページの『お知らせ』に掲載しています。（https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html）

２．平成29年度環境測定分析統一精度管理調査結果説明会の開催について

　平成29年度に実施した調査結果の説明会を東京、大阪及び福岡の３都市において開催します。開催予定や参加応募方法等は下記のとおりです。なお、応募者多数の場合は、平成29年度環境測定分析統一精度管理調査に参加した機関を優先いたしますので、あらかじめご了承ください。

＜開催予定＞

（１）東京会場

　日時　平成30年２月28日（水）13：00～17：00

　場所　一般財団法人主婦会館プラザエフ　7F カトレア

〒102-0085 東京都千代田区六番町15

Tel 03-3265-8111

　URL http://plaza-f.or.jp/index2/access/

（２）大阪会場

　日時　平成30年３月12日（月）13：00～17：00

　場所　CIVI研修センター新大阪東　E605会議室

〒532-0011 大阪市東淀川区東中島１-19-４

Tel 06-6160-5888

　URL: http://www.civi-c.co.jp/access.html#shin

（３）福岡会場

　日時　平成30年３月７日（水）13：00～17：00

　場所　福岡県自治会館　201＆202会議室

〒812-0044 福岡県福岡市博多区千代４-１-27

Tel 092-651-4284

　URL http://www.f-chousonkai.gr.jp/about/index.html

※各都市の本説明会のプログラム等の詳細は、環境測定分析統一精度管理調査ウェブサイトに掲載しております。　(https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html）

＜参加者募集期間＞

　平成30年２月６日（火）から２月19日（月）（当日必着）まで

＜参加申込み等に関する問い合わせ先＞

　一般財団法人　日本環境衛生センター　環境事業第2部（担当：佐々木、鹿島）

　〒210-0828　川崎市川崎区四谷上町10-６

　TEL 044-287-0766 　 FAX 044-288-5232　　

　E-mail 環境測定分析統一精度管理調査ウェブサイトのトップページの『お問い合わせ』より（https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html）

　※申込みは、参加申込書をウェブサイトからダウンロードして、E-mail、郵送又はファックスでお願いします。

参考（環境測定分析統一精度管理調査の背景）

　我が国においては、大気汚染防止法、水質汚濁防止法等の法令に基づいて、環境基準の設定や汚染状況の監視、工場・事業場に対する排出規制、公害防止・環境保全に係る国・地方の各種計画等の策定等、様々な施策が実施されています。

　環境測定分析は、これらの法令の施行や制度・施策の実施のための基礎であり、地方自治体や民間の環境測定分析機関において測定分析に携わっている技術者が、これを支えています。

　環境測定分析の方法は、法令等によって公定法として規定されています。しかし、試料の採取・保管・前処理から、測定分析機器・薬品等の管理・調整・操作に至るまで、公定法に規定されていない細部を含めて、測定分析に携わる技術者の技能・経験・考え方が、データの精度に大きな影響を及ぼします。

　環境測定分析の精度が確保されなければ、上記の法令や制度・施策の実効性が損なわれ、環境行政への社会の信頼を揺るがす事態となります。また、誤った測定分析データにより適切な排出規制が行われず、適切な対策が講じられなかった場合には、それによって失われた環境の修復に多大な費用・労力と長い年月を要し、大きな社会的・経済的損失を招くこととなります。こうした背景から、環境省では、「環境測定分析統一精度管理に関する調査」を毎年度継続して実施し、環境測定分析機関による測定分析の精度の向上及び信頼性の確保を図っています。

　本調査は、最近では500前後の環境測定分析機関が参加する我が国でも最大規模の調査です。また、長期的な計画に基づいて、幅広い試料や項目を対象とするとともに、試料ごとに統計的な分析・評価を行い、その評価結果などについても明らかにしています。

　また、調査結果については毎年度「調査結果説明会」等を開催し、分析上の留意点や分析結果に関して分析機関に技術的な問題点等をフィードバックしています。

　併せて環境測定分析統一精度管理調査専用ウェブサイトにおいて、環境測定分析の精度向上に資する情報などを提供しています。

（https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/index.html）