報道発表資料
・環境省ではこれまでに58件の排出削減・吸収プロジェクトを実施しており、これらの事業からの削減量は年間約30万トンと見込まれます。
・今後も、優れた低炭素技術による世界全体の温室効果ガスの排出削減を実現するため、JCMをより一層推進していきます。
本年4月22日、日・インドネシア間のJCMにおいて登録されている2件のプロジェクトのプロジェクト実施者より、JCM合同委員会に対してクレジットの発行について申請が行われました(申請の段階において、それぞれ第三者機関による検証(verification)を実施済み)。その後、5月12日にJCM合同委員会においてJCMクレジットの発行が決定され、両国政府に対して、それぞれが発行すべきJCMクレジットの量が通知されました。
これを受けて、5月13日、日本政府は2013年のJCMの開始以降初めてJCMクレジットを発行しました。決定されたクレジット発行量は、2件のプロジェクトの合計で40トンであり、そのうち31トンを日本で発行しました。なお、2件のプロジェクトはいずれも環境省JCM設備補助事業の採択案件で、同事業では発行されたクレジット量のうち1/2以上を日本政府に納入することになっており、日本政府として27トンのクレジットを獲得しました(各プロジェクトの概要については、参考資料1をご参照ください)。
環境省では、今回クレジットが発行されたプロジェクトを含めて合計で58件の排出削減・吸収プロジェクトをJCM資金支援事業として実施しています。今後、これらのプロジェクトについて順次、合同委員会に対するJCMプロジェクトとしての登録やクレジット発行に関する申請が行われる予定です(58件のプロジェクトについては、参考資料2をご参照ください)。
クレジットの発行状況
プロジェクト名 |
プロジェクト概要 |
クレジット発行 対象期間 |
クレジット 発行量 (tCO2) |
|
うち日本政府への発行量(tCO2) |
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食品工場の冷凍倉庫における高効率冷却装置の導入 |
高効率冷凍機の導入による食品工場の冷凍倉庫における冷却装置を省エネルギー化。また、自然冷媒を用いることで、省エネと同時にノンフロン化を実現し温室効果ガス排出量を低減。 |
2015年2月2日~ 2015年7月31日 (約6か月間) |
29 |
20 (約69%) |
食品工場の急速冷凍施設における高効率冷却装置の導入 |
高効率冷凍機の導入による食品工場の急速冷凍施設における冷却装置を省エネルギー化。また、自然冷媒を用いることで、省エネと同時にノンフロン化を実現し温室効果ガス排出量を低減。 |
2015年2月2日~ 2015年7月31日 (約6か月間) |
11 |
7 (約64%) |
合計 |
40 |
27 (約68%) |
(参考1:これまでに登録されたJCMプロジェクト一覧)
登録 順番 |
国名 |
プロジェクト名 |
プロジェクト実施者 (日本側) |
プロジェクト実施者 (パートナー国側) |
1 |
インドネシア |
工場空調及びプロセス冷却用のエネルギー削減(フェーズ1) |
荏原冷熱システム(株)、 日本工営(株) |
PT. Primatexco Indonesia |
2 |
インドネシア |
食品工場の冷凍倉庫における高効率冷却装置の導入 |
(株)前川製作所 |
PT. Adib Global Food Supplies、 PT. Mayekawa Indonesia |
3 |
インドネシア |
食品工場の急速冷凍施設における高効率冷却装置の導入 |
(株)前川製作所 |
PT. Adib Global Food Supplies、 PT. Mayekawa Indonesia |
4 |
パラオ |
島嶼国の商用施設への小規模太陽光発電システムの導入 |
パシフィックコンサルタンツ(株)、 (株)InterAct |
Western Caroline Trading Company、 Surangel and Sons Company |
5 |
モンゴル |
ウランバートル市第118学校への高効率熱供給ボイラの新設 |
(株)数理計画 |
Anu-Service Co., Ltd |
6 |
モンゴル |
ボルヌール郡への高効率熱供給ボイラの新設による熱供給システムの集約化 |
(株)数理計画 |
Anu-Service Co., Ltd |
7 |
ベトナム |
デジタルタコグラフを用いたエコドライブ |
日本通運(株) |
Nippon Express (Viet Nam) Co., Ltd |
8 |
ベトナム |
国営病院における省エネ/環境改善によるグリーンホスピタル促進事業 |
三菱電機(株)、三菱商事(株)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株) |
Energy Conservation Center Ho Chi Minh City |
9 |
インドネシア |
省エネ型ターボ冷凍機を利用した工場設備冷却の導入 |
荏原冷熱システム(株)、 日本工営(株) |
PT. Nikawa Textile Industry |
10 |
インドネシア |
工場空調及びプロセス冷却用のエネルギー削減(フェーズ2) |
荏原冷熱システム(株)、 日本工営(株) |
PT. Primatexco Indonesia |
(参考2:JCM概要)
二国間クレジット制度は、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するもの。現在、JCMが正式に開始された国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー及びタイの16か国です。また、フィリピンとJCM構築に向けた協議を行っています。
(参考サイト http://mmechanisms.org/initiatives/index.html)
(参考3: JCM資金支援事業)
環境省が実施しているJCM資金支援事業は、JCM設備補助事業(JICAなど政府系金融機関が支援するプロジェクトと連携した資金支援を含む)、アジア開発銀行(ADB)拠出金(JCM日本基金)及びREDD+補助事業を指します。
このうちJCM設備補助事業は、民間企業がJCMパートナー国に低炭素技術を導入するプロジェクトの初期投資の一部を補助し、その排出削減・吸収量のうち1/2以上をJCMクレジットとして獲得するものです。今般クレジットが発行された2プロジェクトは、JCM設備補助事業として資金支援を受けています。
添付資料
- 参考資料1:プロジェクト概要 [PDF 139 KB]
- 参考資料2:JCM資金支援事業一覧(H25~H27) [PDF 18 KB]
- 参考資料3:環境省におけるJCM取組状況 [PDF 836 KB]
- 連絡先
- 環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
代表:03-3581-3351 直通:03-5521-8354
室長 :小笠原 靖 (内線 7716)
国際企画官 :水野 勇史 (内線 6757)
室長補佐 :伊藤 貴輝 (内線 6728)
係長 :鳥居 直樹 (内線 6796)
主任 :古井 秀治 (内線 7736)
主任 :和田 正道 (内線 6783)