報道発表資料

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2016年05月10日
  • 水・土壌

平成27年度被災地における海洋環境モニタリング調査結果の公表について

 環境省は、東日本大震災を受け、平成23年度から毎年度、被災地における海洋環境モニタリング調査を実施しています。本調査は、東日本大震災に伴い流出した化学物質及び廃棄物並びに福島第一原子力発電所から漏出した放射性物質に起因して海洋環境中で汚染が生じる可能性のある項目について、その現状及び経年変化を把握することを目的としています。

 今般、東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査検討会での検討結果を踏まえ、平成27年度の調査結果について、以下のとおり取りまとめました。

1.継続モニタリング調査結果について(別紙1の1.1、別紙2の4.1参照)

 被災地の海洋環境中における化学物質及び放射性物質の経年変化の把握を目的として、宮城県及び福島県の4測線(各々3測点)において水質及び底質調査を実施しました。

(調査期間:平成27年11月12日から11月21日)

① 化学物質調査

 環境基準が設定されている項目(生活環境項目、健康項目、ポリ塩化ビフェニル及びダイオキシン類)については、いずれの測点においても、水質調査及び底質調査ともに、環境基準と比較して問題となる値はありませんでした。

 また多環芳香族炭化水素、臭素系難燃剤及び有機フッ素化合物については、いずれの測点においても海水中及び底質中ともに平成23年度から平成26年度までの調査結果(以下「過年度の調査結果」という。)と同程度又はそれより低い値でした。底質については、一部の測点において、経時的に濃度が減少する傾向が見られました。

② 放射性物質調査

 水質調査においては、セシウム134については、検出限界値未満~0.0032 Bq/Lの範囲、セシウム137については、0.0022~0.013 Bq/Lの範囲でした。底質調査における検出値は、セシウム134では0.51~34 Bq/kg(dry)の範囲、セシウム137では2.7~150 Bq/kg(dry)の範囲でした。また、底質調査におけるストロンチウム90の検出値は検出限界値未満~0.15 Bq/kg(dry)の範囲でした。

 セシウム134及び137については、水質調査及び底質調査ともに、平成23年度の調査開始以降、経時的に濃度が減少する傾向が見られました。また、ストロンチウム90は、平成23年度以降、いずれの測点においても不検出又は検出限界値程度の低い値でした。

2.追跡調査結果について(別紙1の1.2、別紙2の4.2参照)

 底質中における放射性物質及び多環芳香族炭化水素の鉛直分布状況を把握することを目的として、平成23年度第3次調査以降、高濃度の多環芳香族炭化水素が検出された海域のうち、岩手県及び宮城県の5測点において底質調査を実施しました。

(調査期間:平成27年11月7日から11月10日)

① 放射性物質

 セシウム134については、検出限界値未満~89 Bq/kg(dry)の範囲、セシウム137については、0.51~380 Bq/kg(dry)の範囲でした。

② 底質中の多環芳香族炭化水素の鉛直分布

 一部の測点を除き、下層から表層に向けて濃度が減少する傾向が見られました。

3.まとめ

 継続モニタリング調査では、環境基準が設定されている項目については、いずれの測点においても海水及び底質ともに、問題となる値はありませんでした。その他の化学物質等については、過年度の調査結果の範囲内又は同程度でした。

 また、放射性物質調査では、セシウム134及び137ともに経時的に濃度が減少する傾向が見られました。ストロンチウム90については、平成23年度調査以降、不検出又は検出限界値程度の低い値が続いています。

 さらに、追跡調査では、底質中の多環芳香族炭化水素の鉛直分布は、一部の測点を除き下層から表層に向けて濃度が減少する傾向が見られました。

 環境省では、今後も継続してモニタリングを実施し、海洋環境の状況を把握していきます。

【添付資料】

・(別紙1)平成27年度東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査結果について

・(別紙2)平成27年度東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査結果について(詳細版)

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室
直  通:03-5521-9025
代  表:03-3581-3351
室  長:平野 智巳(内線6630)
室長補佐:森田 紗世(内線6631)
係  長:美野 智彦(内線6633)
担  当:北田 貴久(内線6636)

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