報道発表資料
その結果を暫定値として取りまとめたところ、全国において、ハクチョウ類約6万8千羽、ガン類約18万9千羽、カモ類約169万3千羽が観察されました。前年に比べハクチョウ類は約3%減少、カモ類は5%増加しましたが、ほぼ前年並みの観察数となりました。ガン類は昨年に比べ約11%減少しましたが、過去10年間で観察数は1.5倍に増えており、長期的には増加傾向にあると考えられます。ガン類の観察数の約95%はマガンが占めており、さらにその約95%にあたる約17万1千羽(ガン類全体の約90%)が宮城県で観察されています。ガンカモ類の総数では、前年に比べて約3%の増加となりました。
図2 過去15年間のカモ類の種別冬期観察数の推移1. 調査概要
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目的 |
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我が国におけるガンカモ類の冬期の生息状況を把握すること |
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調査期間 |
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平成28年1月10日(日)(予備日:1月3日~17日) |
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調査地 |
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ガンカモ類の生息地になっている全国約9千地点の湖沼等 (ハクチョウ類及びガン類については、原則として全ての生息地を対象とし、カモ類の生息地については、可能な限り多くの生息地を対象としました。) |
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調査方法 |
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全国的に定めた調査日に、各都道府県において各調査地点に調査員を配置し、双眼鏡等を使用した目視により、ガンカモ類の個体数を種ごとにカウント |
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集計 |
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各都道府県の調査結果を環境省において全国集計 |
2.結果概要
平成27年度の調査は、全国の約9千地点で総勢約4千人、延べ約1万4千人の協力を得て行われました。調査が行われた地点のうち、約6千地点でガンカモ類が観察され、そのうちコハクチョウなどのハクチョウ類は約6百地点、マガンなどのガン類は約百地点、マガモなどのカモ類は約6千地点で観察されました。全国における観察数は、ハクチョウ類約6万8千羽、ガン類約18万9千羽、カモ類約169万3千羽でした(表1)。
(1)ハクチョウ類について
ハクチョウ類の観察数約6万8千羽を前年度と比較すると、約3%(約2千羽)減少しました。都道府県別に見ると、新潟県が約1万9千羽、山形県と宮城県が約1万3千羽と観察数が多く、全国の観察数の約66%を占めています。山形県は平成21年度から6年ぶりの1万羽を超える観察数となりました。
(2)ガン類について
ガン類の観察数約18万9千羽を前年度と比較すると、約11%(約2万3千羽)減少しました。過去15年間の調査結果の推移を見ると、年によって変動はあるものの、全体としては増加傾向が見られます(図1)。これはガン類の中で約95%の個体数を占めるマガンの越冬観察個体数の増加傾向が反映されたものです。マガンは宮城県で全国の約95%にあたる約17万1千羽が観察されています。
(3)カモ類について
カモ類の観察数約169万3千羽を前年度と比較すると、約5%(約8万8千羽)の増加となりました。カモ類の観察数は平成20年度から減少傾向にあり、平成24年度は150万羽を下回る観察数となりましたが、ここ数年はやや回復傾向にあると考えられます(図1)。カモ類で観察数の多い上位6種の観察数の動向を見ると、マガモは昨年に続き増加がみられ、過去15年間で最小となった平成24年度に比べると約41%の増加となりました。そのほかはコガモが昨年度に比べ約16%増加したが、カルガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、スズガモは昨年度並みとなりました(図2)。
今回の集計結果は暫定値であり、現在行っているデータ精査の結果を踏まえて6月頃を目途に確定値を取りまとめる予定です。本結果を利用される場合には、その点をご留意願います。
3.資料
平成27年度ガンカモ類の生息調査(平成28年1月調査実施)(暫定値)は以下のページから参照できます。
生物多様性センター ガンカモ類の生息調査の成果物の提供ページ
http://www.biodic.go.jp/gankamo/seikabutu/index.html
表1 過去15年間のガンカモ類の冬期観察数の推移(全国集計値) *H27は暫定値
図1 過去15年間のガンカモ類の冬期観察数の推移
表2 過去15年間のカモ類の種別冬期観察数の推移 *H27は暫定値
図2 過去15年間のカモ類の種別冬期観察数の推移
- 連絡先
- 環境省自然環境局生物多様性センター
電話:0555-72-6033(直通)
センター長:中山 隆治
保全科長 :雪本 晋資
関連情報
関連Webページ
過去の報道発表資料
- 平成27年4月23日
- 第46回ガンカモ類の生息調査結果の暫定値について(お知らせ)
- 平成26年4月15日
- 第45回ガンカモ類の生息調査結果の暫定値について(お知らせ)