報道発表資料

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1998年01月19日

低公害車等排出ガス技術指針策定調査検討会の設置について

環境庁では、21世紀の低公害車に対応した排出ガス性能の新たな指針を策定し、環境負荷の一層の低減を図るとともに、自動車全般の低公害性(クリーン度)の評価の基準を設定し、評価の結果を一般にわかりやすく表示することを目的に、学識経験者からなる「低公害車等排出ガス技術指針策定調査検討会」を設置し、1月21日に第1回検討会を開催する。
 同検討会では、平成12年(2000年)以降のガソリン自動車の排出ガス規制等を内容とする中央環境審議会からの「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」の第二次答申(平成9年11月21日)を踏まえ(1)ハイブリッド自動車、天然ガス自動車(CNG自動車)等に係る「低公害車排出ガス技術指針」の見直し(2)ガソリン自動車、ディーゼル自動車をはじめとする自動車全般の低公害性(クリーン度)の評価手法及び評価結果の表示手法の検討などを行い、10年度初めを目途に中間的な検討結果等のとりまとめを行うこととしている。

1.背景及び目的

大都市地域を中心に依然として深刻な大気汚染の一層の改善や、近年増加が著しい運輸部門からの温室効果ガスの排出抑制を図るためには、環境負荷の少ない自動車の本格的な普及が必要不可欠である。このため、国・地方自治体においては、低公害車(電気自動車、天然ガス自動車(CNG自動車)、メタノール自動車、ハイブリッド自動車)や一般の自動車のうち環境負荷が少ないものについて各種普及施策を推進するとともに、自動車メーカー等において技術開発が精力的に進められているところである。

このうち低公害車については、「低公害車排出ガス技術指針」(平成7年6月環境庁大気保全局長通知)を策定し、技術開発の促進を図っているところであるが、(1)その後の技術開発に大幅な進捗が見られ、環境負荷の一層の低減が可能となりつつあること、(2)「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」の中央環境審議会第二次答申(平成9年11月21日)に基づき、平成12年(2000年)以降、ガソリン自動車の排出ガス規制が大幅に強化(乗用車等で約7割の削減)されることから、同指針を早急に見直し、2000年以降のあるべき低公害車の排出ガス性能についての指針を策定する必要がある。

また、ガソリン自動車、ディーゼル自動車をはじめとする自動車全般についても、より環境負荷の少ないものを極力導入することが「国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取組の率先実行計画」(平成7年6月閣議決定)で求められ、また一部先進的な自治体においても同様の取組が進められている中、中央環境審議会第二次答申では、自動車全般の低公害性(クリーン度)の評価手法及び評価結果の表示手法について早急な検討が求められている(参考2)。

このため、環境庁では、今般、学識経験者からなる「低公害車等排出ガス技術指針策定調査検討会」を設置し、1月21日に第1回検討会を開催することとした。

2.検討内容

大気汚染の一層の改善を目的に、温室効果ガスの排出低減の観点にも留意しつつ、以下について検討を行う。

  • (1)低公害車排出ガス技術指針の見直しに係る検討
  • (2)自動車の低公害性(クリーン度)の評価手法及び評価結果の表示手法に係る検討

    検討状況については中央環境審議会に適宜報告し、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方についての同審議会の審議に資するものとする。

    なお、本検討と並行して、運輸省においても低公害車等の審査方法、諸元値等の表示方法等について検討を行うこととしている。

3.当面のスケジュール(予定)

1月21日以降、標記検討会を数回開催し、10年度初めを目途に中間的な検討結果及び今後の方針を取りまとめることとする。

その後においては、本年中に予定されている中央環境審議会第三次答申(ディーゼル自動車の次期排出ガス規制等)などを踏まえつつ、引き続き検討を進めることとする。

4.低公害車等排出ガス技術指針策定調査検討会委員名簿

(五十音順、敬称略、○は座長)

氏名所属
  畔津 昭彦 東京大学大学院工学系研究科助教授
  新井 雅隆 群馬大学工学部教授
  岩井 信夫 (財)日本自動車研究所第一研究部長
  小高 松男 交通安全公害研究所交通公害部計測研究室長
  岸田 總太郎 (社)日本ガス協会天然ガス自動車プロジェクト部長
  塩路 昌弘 京都大学大学院エネルギー工学研究科教授
○大聖 泰弘 早稲田大学理工学部教授
  玉野 昭夫 (社)日本自動車工業会排出ガス部会代替燃料分科会長
  月川 憲次 東京都環境保全局大気保全部自動車公害対策室長
  中西 一夫 大阪府環境保健部環境局交通公害課長

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局自動車環境対策第二課
課長   :三宅 哲志(6550)
 課長補佐 :野津 真生(6552)