報道発表資料

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2015年11月05日
  • 地球環境

第14回ASEAN+3環境大臣会合の結果について

10月29日(木)、第14回ASEAN+3環境大臣会合が、ベトナム・ハノイにて開催され、我が国からは、鬼木誠環境大臣政務官他が出席しました。
ASEAN+3環境大臣会合では、日中韓3カ国からASEANに対する協力につき報告が行われたほか、日中韓3カ国とASEANの間の環境協力の推進について議論が行われました。

1.開催日 : 平成27年10月29日(木)

2.開催場所: ベトナム・ハノイ(シェラトン・ハノイホテル)

3.会議の概要

(1)会合には、ASEAN諸国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)、日本、中国、韓国、ASEAN事務局が出席し、議長はグエン・ミン・クアン・ベトナム天然資源環境大臣が務めた。我が国からは、鬼木誠環境大臣政務官他が出席した。

(2)クアン議長の開会挨拶に続き、日本、中国、韓国よりそれぞれ挨拶を行った。

(3) 我が国からは、ASEANで取り組まれている環境的に持続可能な都市(ESC:Environmentally Sustainable City)づくりへの支援内容等に言及しつつ、本年9月に国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実現等に向けて、本会合がASEAN+3諸国における環境協力の強化とそれらを含む東アジア地域の環境保全につながることへの期待を述べた。

(4)ASEANと日中韓3カ国の枠組みにおける協力として、ラオスから「持続可能な消費と生産におけるリーダーシップ・プログラム」及び「ASEAN統合水資源管理国別戦略ガイドライン」について報告があり、これらのプロジェクトの概要と成果が共有された。

(5)日本、中国、韓国の3カ国とASEANとの協力に関するレビューを行った。

・我が国からは、ASEANとの協力において実施を支援し、本年6月に終了した第2期「ESCに関するモデル都市プログラム」の成果や、第3期目の構想について説明を行った。また、各国政府、国際機関等のハイレベルが集い、環境モデル都市に関する知見や優れた施策・取組の共有等を行う「ESCハイレベルセミナー」について、第6回セミナーが本年2月にマレーシアで開催されたことを報告した。

・加えて、都市の低炭素化に資する協力施策として、二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)を通じての取組及び今後の展望をはじめとする取組について紹介した。

・また、ASEAN生物多様性センターより、同じく我が国が支援している生物多様性の持続可能な利用に係る生物分類学面での能力育成及びASEAN自然環境遺産公園の発展に資する各プログラムの進捗状況について報告が行われた。

・中国からは、中-ASEAN環境保護協力戦略及び環境協力行動計画(2014-2015)の下での、生態系の保全や環境に優しい技術や産業に関する活動等の実施状況や、2016年以降の新たな環境保護協力戦略の策定等について報告を行った。

・韓国からは、熱帯地域における森林回復プロジェクト、生物多様性の調査等に関する能力構築プログラム及び持続可能な開発のための教育に関するパートナシップ・アカデミーについて報告を行った。

(6)ASEAN各国からは、我が国によるESCに関するモデル都市プログラムへの支援等をはじめとし、日中韓3カ国のASEANに対する協力に感謝の意が示されるとともに、今後も3カ国との協力発展を期待する旨の発言があった。

(7)今後の更なる協力分野について、我が国から、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に取り組むための協力に関する提案を行った。具体的には、ESCハイレベルセミナーを、同アジェンダに含まれる「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」を視野に入れて発展させることにより、各国・各都市の経験や成功事例を共有するとともに、各国政府や国際機関等によるホストの下、アジアの各都市が参加可能な支援策・プログラムを紹介し、対策や行動の実現の支援につなげるための新たなプラットフォームとして我が国が提供することとした。

 本提案については、各国の支持を受けるとともに、今後の取組に期待する旨表明された。

(8)ASEAN事務局から、ASEAN環境大臣会合が今後2年に1回の開催になることを受け、ASEAN+3環境大臣会合も同様に2年毎に開催することが提案され、承認された。次回のASEAN+3環境大臣会合は、2017年にブルネイにおいて開催することを確認し、今般の会合は閉会した。

連絡先
環境省地球環境局国際連携課国際協力室
室長 :木野 修宏 (内:6765)
室長補佐:平岡 明子 (内:6761)
担当 :土戸  周 (内:7724)