報道発表資料

この記事を印刷
2015年02月16日
  • 保健対策

第1回アジア地域化学物質対策能力向上促進講習(インドネシア)の結果について(お知らせ)

 環境省では、平成23年度からアジア地域における各国の化学物質対策能力の向上を促進するため、政府関係者向けの講習を行っています。
 今般、平成27年2月12日(木)にインドネシア・ジャカルタでインドネシア共和国環境林業省等の化学物質対策担当者を対象として我が国の化学物質対策に関する経験等の共有を目的とした「第1回アジア地域化学物質対策能力向上促進講習(インドネシア)」を開催しました。
 講習では、日本側から、我が国の化学物質対策関連制度、化学物質審査規制法に基づくリスク評価等の概要、JICAの取組等について紹介しました。インドネシア側からは、「危険及び有害な物質(B3)の登録、表示等に関する制度」や関連する規制制度による取組、包括的な化学物質に関する法律の整備動向等、同国における化学物質対策の現状・課題や今後の展望について説明がなされました。
 本講習において、両国の化学物質管理政策について活発な意見交換及び情報交換がなされ、インドネシアにおける化学物質対策能力の向上に向け、今後とも二国間で引き続き連携していくことを確認しました。

1.開催の経緯

 近年成長著しいアジア地域においては、環境への影響を未然に防止するための化学物質対策を実施する必要性が高まってきていますが、対策を実施する上での技術や制度は必ずしも十分に整備されておりません。こうした中、環境省ではアジア地域における化学物質対策能力の向上を促進し、化学物質の適正管理の実現を図ることを目的に、平成23年度からアジア地域における各国の化学物質対策の実務者を対象とした化学物質対策手法等に関する講習を実施してまいりました。

 インドネシアでは、「危険及び有害な物質(B3)の登録、表示等に関する制度(2001年政令第74号)」による化学物質対策が進められており、当該制度の見直しや包括的な化学物質に関する法律の整備に関して動向が注目されています。

 平成24年にはインドネシア及び日本の両国の環境大臣が「日本国環境省とインドネシア共和国環境省の間の環境協力に関する協力覚書」を署名しており、この中で「化学物質管理」が協力分野の一つとして位置づけられています。

 そこで、日本の化学物質審査規制法を始めとする化学物質対策の経験を共有し、インドネシアにおける化学物質の適正管理を推進するとともに、両国の化学物質管理における協力関係を構築することを目的として、この協力覚書に基づき本講習をインドネシアで開催することとしました。

2.結果

(1)開催日時・場所

日時:平成27年2月12日(木) 10:00~16:00

場所:インドネシア・ジャカルタ ホテルビデカラ

(2)参加者

 インドネシア側からは、インドネシア共和国環境林業省、工業省をはじめ関係省庁、関係機関の担当者等が参加しました。

 我が国からは、環境省環境保健部化学物質審査室、国際協力機構(JICA)インドネシア事務所の専門家及び担当者等が参加しました。

(3)開催結果

講習では、以下のプレゼンテーションが行われました。

  • ・日本環境省から、日本の化学物質対策について、上市前の化学物質を審査・規制・管理する「入口規制」や工場・事業場からの排出を管理する「出口規制」に関する法制度の枠組みの概要を紹介しました。また、化学物質審査規制法に基づくリスク評価等の概要について発表しました。

  • ・JICAインドネシア事務所から、日本の政府開発援助(ODA)の仕組み、JICAの支援プログラムやプロジェクトについての紹介がありました。

  • ・インドネシア環境林業省から、化学物質管理政策の概要、国際条約への対応や今後の化学物質対策の展望等についての紹介がありました。また、インドネシア工業省から、化学物質に関連した規制制度、包括的な化学物質に関する法律の整備動向等の概要が説明されました。

 上記のプレゼンテーションを踏まえ、両国の化学物質管理政策について活発な意見交換及び情報交換が行われました。インドネシア側から、本講習で得られた知見を踏まえてさらに化学物質の有害性評価やリスク評価等の分野について引き続き日本からの継続的な協力を希望する旨が表明されました。これを受け、日本の環境省から、インドネシアにおける化学物質対策能力向上に向けた情報と経験の共有等の協力を引き続き実施していく旨表明し、今後二国間で引き続き連携していくことを確認しました。

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境保健企画管理課化学物質
直通  :03-5521-8253
代表  :03-3581-3351
室長  :福島 健彦 (内線6309)
室長補佐:高橋 亮介 (内線6324)
担当  :彦坂 早紀 (内線6329)