日本全国から新しい地域創生を実現するイノベーターが集結!
第5回グッドライフアワード
カンファレンス & 表彰式
環境大臣賞を受賞した10取組の代表者によるプレゼンテーションのほか、エコソーシャルな地域創生を実践する多彩なイノベーターが集結しました。
2017年12月9日(土)、『第5回グッドライフアワード』のカンファレンス&表彰式が『青山TEPIAホール』(東京都港区)にて開催されました。 会場には、環境大臣賞を受賞した10取組の代表者や実行委員会特別賞を受賞した取組の代表者、今までのグッドライフアワード環境大臣賞受賞者たちが集結。"環境と社会によい"グッドライフの実現に強い関心をもつ多数のご来場者とともに、イベント会場は熱気に包まれました。
開会式
イベントはカンファレンスと表彰式の二部構成。
第一部は、「Good Life Conference ~地域創生ソーシャルデザインTalks~」というタイトルのもと、グッドライフな地域創生を実践するイノベーター、そして今回の環境大臣賞受賞10取組の代表者によるプレゼンテーションが展開されました。第二部では、第5回グッドライフアワードの表彰式が執り行われ、笹川博義環境大臣政務官をプレゼンターに迎え、環境大臣賞および実行委員会特別賞の受賞取組が表彰されました。
全体を通じての司会進行は、今回からグッドライフアワードのプロデューサーを務めるビジネスプロデューサー/BBT大学 准教授の谷中修吾さん。谷中氏による開会の言葉に続いて、グッドライフアワード実行委員でもある環境省の中井徳太郎総合環境政策統括官が、「みんなの力で社会が変わる」という理念を掲げ、エコでソーシャルな活動を応援するという本アワードの主旨などを説明。「ここに集まったみなさんが繋がって、さらに大きな輪を広げていくことを環境省としても応援したい」と、回を重ねてきた本アワードへの思いを述べました。
谷中修吾さん
中井徳太郎総合環境政策統括官
カンファレンス:
Good Life Conference ~地域創生ソーシャルデザインTalks~
グッドライフアワードでは、毎年、表彰式の当日に、環境大臣賞受賞者のみならず全国各地でユニークな活動に取り組む方々をゲストに迎えたシンポジウムを行ってきました。今回は「グッドライフな地域社会をつくる」というテーマに基づいて、『Good Life Conference ~地域創生ソーシャルデザインTalks~』というタイトルでカンファレンスを開催しました。
ゲストイノベーターとして最初のプレゼンテーションを行ったのは、『南魚沼グルメマラソン』など全国各地のランニング大会(レース)プロデューサーとして活躍する「シンガー&ランニングドクター」の福田六花(りっか)さんです。
医者でありながらシンガーでもある福田さんが、自ら走るようになったきっかけや、地域を元気にするためにプロデュースしてきたレースの実例、2010年から行われている『南魚沼グルメマラソン』は、地域の特産品のアピールを盛り込んだイベントとして、地域活性化に役立っている様子などを紹介しました。近年は毎年5000人が参加。マラソン大会を走った後は南魚沼の特産である「コシヒカリ」が食べ放題など、グッドライフを体現するユニークなマラソン大会です。
福田六花さん
続いて、第3回グッドライフアワードで環境大臣賞グッドライフ特別賞を受賞した『SEA TO SUMMIT連絡協議会』事務局長の竹山史朗(株式会社モンベル常務取締役広報本部長)さんのプレゼンテーション。
『SEA TO SUMMIT』は、アウトドアグッズの人気メーカーである『モンベル』が事務局となって、全国各地で開催されている環境スポーツイベントです。海や湖に設定されたコースをカヤックなどのパドルスポーツで進み、自転車で山に向かう里の道を走り、最後は登山で山頂を目指す。文字通り海から山頂へ続くコースに、人の力だけでチャレンジします。タイムレースではなく、イベント運営は地元の自治体などと連携。2009年に鳥取県で初めて開催されて、2017年には12カ所で開催されるまでに広がっています。
大会の開催が、大会の受け入れ態勢を整える中で、開催する自治体やコミュニティの連携を深め、環境保全への意識を高めるなど、グッドライフな地域社会づくりに影響を与えていることが紹介されました。
竹山史朗さん
3人目のプレゼンレーションを行った栗山奈津子さんは、第2回グッドライフアワードで環境大臣賞最優秀賞を受賞した『株式会社 あきた森の宅配便』の代表取締役です。
『あきた森の宅配便』は、ネットショップを開設。受注に応じて「山の名人」と呼ばれる地元の高齢者たちが採取してきた天然山菜を送ってくれる「天然山菜採り代行サービス」です。故郷の町の力になればとこの取組を始めた栗山さん。環境大臣賞受賞後は、地域の日常の中にある価値を見出しながら、エコソーシャルな活動とネットワークが広がっていることを報告してくださいました。
栗山奈津子さん
次に、株式会社枻出版社『Discover Japan』統括編集長であり、今回からグッドライフアワード実行委員に加わった高橋俊宏さんによるプレゼンテーションが行われました。高橋さんは地域の課題を解決するために都会のクリエイターとの交流やマッチングを推進する「地域ブランディング協会」を立ち上げ、代表理事を務めています。
今、雑誌制作の中で「移住」をテーマに取材を進めていると、都会の若者たちが地方での暮らしにとても強い興味を抱いていることを実感。こうした若者が地方へ移住して仕事をしていくためにも、グッドライフアワードを受賞した『あきた森の宅配便』のような取組はまさに発明であり、こうした取組が次々と生まれていることで「日本は着実によくなっている」実感があることなどを述べました。
高橋俊宏さん
環境大臣賞受賞取組の活動紹介
ゲストイノベーターのプレゼンテーションのあとは、会場に集まったみなさんのコミュニケーションタイムを兼ねてコーヒーブレイクの時間が設けられました。休憩が終わると、いよいよ今回のグッドライフアワード環境大臣賞受賞取組の代表者によるプレゼンテーションです。
部門賞6取組、優秀賞3取組、そして1組の最優秀賞の順に約8分間で取組の内容などを紹介。それぞれのプレゼンテーションに対して、実行委員が講評を述べました。八王子市立弐分方(にぶかた)小学校『つなげよう段ボールコンポストの輪』では、清水弘美校長とともに4年生の黒川遙妃(はるひ)さん、堺音葉(おとは)さんが登壇。自分たちの取組について発表してくれるなど、企業から学校、自治体、個人まで、個性豊かなプレゼンテーションが行われました。
部門賞/企業部門
水辺の生物多様性保全活動「MS & AD ラムサールサポーターズ」
MS & ADインシュアランスグループホールディングス株式会社(全国各地)
部門賞/自治体部門
ミライカレッジ菊池「おばあちゃんの栗山を守るプロジェクト」菊池暮らし体験ツアー
熊本県菊池市(熊本県)
部門賞/学校部門
つなげよう段ボールコンポストの輪
八王子市立弐分方(にぶかた)小学校(東京都)
部門賞/地域コミュニティ部門
広大な緑地整備で高めるまちの魅力と住民のQOL
ECOKA委員会(奈良県)
部門賞/NPO・任意団体部門
エコ商品の開発から地域創生につながる環境社会イノベーションへの取組
緑のリサイクルソーシャルエコプロジェクトチーム(徳島県)
部門賞/個人部門
「東京の野生児」を育む ~森と自然の体験講座
土屋一昭さん(東京都)
優秀賞
シャキシャキ空心菜で水質浄化と復興支援活動
岐阜県恵那農業高等学校(岐阜県)
優秀賞
おばあちゃんのコンシェルジュを目指す、移動スーパーとくし丸
株式会社とくし丸(徳島県・全国各地)
優秀賞
東京で林業に生きる!
株式会社東京チェンソーズ(東京都)
最優秀賞
救缶鳥プロジェクト
株式会社パン・アキモト(栃木県)
表彰式
カンファレンスに続き、第5回グッドライフアワードの表彰式が行われました。
まず、実行委員会で選出された『実行委員会特別賞』の表彰です。実行委員会特別賞には全国各地の23取組が選ばれました。遠隔地の受賞者も多く、この日は会場にお越しいただいた18取組の代表者に、益田文和実行委員長から表彰状が手渡されました。
続いて『環境大臣賞』受賞取組の表彰です。プレゼンターとして環境省の笹川博義環境大臣政務官が登壇。環境大臣賞部門賞受賞者には表彰状が、そして優秀賞、最優秀賞の受賞者には表彰状と間伐材で作ったグッドライフアワードオリジナルの木製盾が贈られました。
笹川政務官からは環境大臣賞受賞のお祝いの言葉とともに「環境問題は待ったなしの世界の課題。生活や社会とも深く関わっている。勇気と行動力を奮って一歩を記すみなさんの活動に敬意と感謝を捧げたい」との言葉が贈られました。
閉会式
益田文和実行委員長
閉会式では、益田文和実行委員長が再び登壇。以下のように閉会の挨拶を述べました。
「グッドライフアワードも5回目を迎えました。当初は何が『グッドライフ』なのか、私たちにとっても、応募されるみなさんにとっても手探りだったのではないかと感じていました。それが、今回の受賞取組のみなさんのプレゼンテーションを聞きながら、グッドライフとは何かということがわかってきた手応えを感じています。
正解はひとつではなく、みんなで『いいね』と言い合える取組が全国各地で実践されて、それが世界にも輪を広げようとしていることは、本当に素晴らしいことです。これからも、もっともっとこのアワードを盛り上げていきたいと思います」
懇親会
カンファレンス&表彰式の終了後は、会場を移して懇親会が開催されました。グッドライフアワードは、優れた取組をただ表彰するだけではなく、受賞取組の関係者のみなさん、そしてグッドライフな取組に関心を抱く方々の輪を広げていくことを目指しています。懇親会会場では、受賞者のみなさん同士、またカンファレンスに登壇したゲストイノベーターの方々と笑顔で言葉を交わし、名刺交換などが行われました。
賑やかに盛り上がる懇親会場で、最優秀賞を受賞した『救缶鳥プロジェクト』の秋元義彦さん、実行委員でもある中井徳太郎環境省総合環境政策統括官、そしてグッドライフアワードのプロデューサーとしてイベント全体の司会を務めた谷中修吾さんらからいただいたコメントを紹介します。
最優秀賞を受賞した『救缶鳥プロジェクト』秋元義彦氏(株式会社パン・アキモト 代表取締役)
「自分たちの取組が社会にとって価値があるのかどうかを確かめる気持ちで応募しました。最優秀賞を受賞できたことに感動しています。たくさんの取組の代表に選ばれた責任を感じつつ、アメリカをはじめとする海外への活動拡大に挑戦していきたいと思います」
中井徳太郎(『グッドライフアワード』実行委員/環境省総合環境政策統括官)
「立場や世代を超えて、環境と地域の問題を正面から捉えて活動をしている方々の力に日本人の凄さを感じ、心を揺さぶられるアワードに育ってきたと実感しています。今後さらに、日本人全員が実践者となり、受賞者ともなるほどに、グッドライフが広がっていくことを期待しています」
谷中修吾氏(『グッドライフアワード』プロデューサー/ビジネスプロデューサー/BBT大学 准教授)
「今年から部門賞を新設し、個人や学校、企業や地域コミュニティなど多彩な応募が集まりました。環境大臣賞受賞を通じて、それぞれの活動に誇りに持ち、さらに活動を発展させようとする機運につながった印象です。このアワードが新たな地域創生を加速させるとも感じています」
ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。次回もたくさんのエントリーをお待ちしています!